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言葉を失った女 ― 待ってて、劇場 ―エピローグ

    エピローグ

    3年後。

    朗読教室は続いている。
    生徒も少しずつ増えた。
    言語聴覚士との共同研究も始まった。
    パーキンソン病の人たちのクラスもできた。

    深夜。

    私は今日もパソコンを開く。
    画面には、新しい舞台の脚本。

    戯曲翻訳家には戻れなかった。

    右手も動かない。
    右足の装具も外れていない。

    それでも私は、次の物語を書いている。

    誰かに頼まれたわけでもない。
    締切もない。
    お金にもならない。

    それでも書きたい。
    だから書く。

    元に戻れなかったから、今がある。


     
     

    理央

     
     
    朗読リハビリ教室主宰/脚本家/元戯曲翻訳家。失語症当事者。 実体験をもとに、「言葉」と「舞台」をテーマにした物語を書いています。 マガジンタブからご覧になると、#0から順番に読めます。

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