5枚の板ガムと、私の髪の毛
「なんじゃこりゃー!?」
鏡を見た私は、思わず固まった。
髪の毛が……絡まっている。
しかも、ただ絡まっているだけじゃない。
鳥の巣みたいになっている🪹
そして私は、まだ知らなかった。
その原因が、昨夜の自分が口に入れていた――5枚の板ガムだったことを🤣
中学2年生くらいの頃。
私は家に帰ってきて、居間でお菓子を食べながら、いつものようにゴロゴロしていた。
私は昔から、居間でそのまま寝てしまうことがあった。
この日も、特に「寝よう」と思っていたわけではない。
ただ、眠くなって、そのまま寝た。
……ここまでは、いつものこと。
ただし、この日は一つだけ違った。
ガムを噛んでいた。
しかも、板ガム。
板ガムって、すぐ味が薄くなるじゃない?
私は味が薄くなるのが嫌だった。
だから、噛みごたえ重視。
5枚くらい、口に入れていた🤣
そして、そのまま寝落ちした。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。
目が覚めて、
「ふわぁー……寝ちゃったなぁ。。」
と思った。
少し服によだれがついていた。
まあ、それはいい。
いや、よくはないけど🤣
そんなことより、ふと目の前を見ると、
「あれ? 板ガムの包み紙がある」
「あれ?」
「……あら?」
どうやら、寝ている間にガムが口から落ちたらしい。
私はお手洗いに行こうと思って立ち上がり、伸びをした。
そして、何気なく髪の毛を、
グシャグシャッ!
とやった。
すると、
「ん?」
なんか引っかかった。
でも、そのときは特に気にせず、そのままトイレへ。
そして戻ってきて、鏡を見た。
🪞
「…………」
「なんじゃこりゃー!?」
ガムが髪の毛にくっついていた。
しかも。
毛先じゃない。
頭のほう。
よりによって、そこ。
髪の毛のかなり上のほうに、ガムが絡まりまくっていた。
私はガムだということにも、最初は気づいていなかった。
「お母さーん、髪の毛がなんか、めちゃくちゃ絡まってるんだけど?」
母が私の頭を見る。
そして、
絶句。
🤣
しばらくして母が言った。
『しずく……なんで眠る時に、ガムを包み紙に出してから寝なかったの……!?』
いや。
そもそも、寝る予定じゃなかったんよ🤣
そこから母と二人で、ガムと髪の毛との戦いが始まった。
ほどく。
引っ張る。
またほどく。
……終わらない。
たぶん、2時間以上は格闘していたと思う。
しかし、どうにもならない。
そして母が、とうとう言った。
『しずく……もう、こんな状態で学校には行けない……。だから、切りましょう』
翌日、学校もある。
もう切るしかない。
ということで、母と一緒に行きつけの美容室へ。
美容師さんが私の髪を見る。
『あらーー!?」』
🤣
プロにも『あらーー!?』と言われる状態だった。
『これは、かなり切らないと無理ですね』
そう言われた私は、
「だよなー。絡まり酷いし、そうなるよなあ」
そして、ふと思った。
「短いのって、どんなだろう?」
未練、ゼロ🤣
こうして私は、背中まであった髪をバッサリ切ることになった。
耳が見えるくらいのショート。
そして翌日。
学校へ行くと、
『えーーー!?どうしたの!?』
『なになに!?はー?』
『なにそのショート!?』
そりゃ驚くよね。
昨日まで背中まで髪があった人間が、突然、耳丸出しなんだから🤣
私は友達に、ありのまま説明した。
「みんなに一つ、お知らせがあります📢」
「ガム、噛みながら寝落ちしないほうがいいよ!」
「私、ガム噛んだまま寝ちゃって、髪の毛が鳥の巣状態になったから、切ったのよ」
「だから、ガム噛み終わったら、ちゃんと包みに出してから寝たほうがいいよー」
友達、大爆笑🤣
そして。
この事件、実はここで終わらなかった。
私は初めてショートヘアにしてみて、
「なにこれ!?」
となった。
お風呂が、すぐ終わる。
髪を洗うのが楽。
乾くのも早い。
そして、
肩も重くない。
「ショートって、こんな楽なんか!?」
衝撃だった。
私はそれまで、背中まである長い髪だった。
しかも、髪はかなりまっすぐでツヤがあった。
友達には、
『しずくー!編み込みの練習させて!』
『新しい髪型考えたから、髪の毛触っていい?』
なんて言われていた。
どうやら、私の髪は美容師志望の友達にとって、練習台として非常に優秀だったらしい🤣
そんな私の髪が、
突然、耳丸出し。
そりゃ、
『練習できなくなったー』
『髪の毛触るの好きだったのにー』
と言われるわけだ🤣
そして私は、そのままショートの快適さに目覚めた。
その後はキャップ🧢をかぶり、
背中に英字の入ったロンTを着て、
当時、周りの男の子達から流行り出していたコンバースを履き、
リュックや斜めがけバッグを持つ。
完全に、
男の子ルック🤣
女子トイレに入ったら、
『キャーーー!』
と言われたこともある。
女友達と歩いていたら、
彼氏と間違われたこともある🤣
母はというと。
そりゃもう、
複雑そのもの。
私の髪型だけじゃなく、服装にも、
『ちょっと物申したい……』
という顔をしていた🤣
でも私は楽しかった。
短い髪って、こんなに楽なんだ。
こんな格好もできるんだ。
知らなかった。
そんな自由な短髪時代をしばらく楽しんだあと、母から言われた。
『そろそろ髪を伸ばしなさい』
成人式に向けて、髪を伸ばすためだった。
私は、
「こんだけ自由に🗽できたから、ま、いっかー」
と思った。
そして髪を伸ばした。
今振り返っても、
「あの頃、バカだったなぁ」
とは思わない。
たしかに、
髪の毛は鳥の巣になったけど🤣
あの事件がなかったら、
「ショートって、こんなんなんだ!」
ということを知ることもなかった。
人生、何がきっかけになるか分からない。
ただ……
ひとつだけ言える。
板ガムを5枚も噛んだまま寝るのは、やめたほうがいい。
これは本当に。
髪の毛が、鳥の巣になります🪹🤣
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