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ハートを射抜かれて【骨折祈願】   

    「神様、俺っちの骨折祈願、どうか叶えてくれっす!」

    前代未聞の願掛けに、なろファポリス国の神社の神様は驚いた。
    見れば、頭の天辺から足先までを覆う黒い長衣の男が一心に祈っている。
    理由を尋ねると男は話しだした。

    「こんな気持ち生まれて初めてなんっす! めちゃ可愛かわなSランクの女勇者にずっきゅんハートを射抜かれちまって……! けど俺っち弱小モンスターだからダンジョンの任務に抗えないっす、あの子がダンジョン潜ってきたら攻撃しちまう……。どうせ瞬殺されっけど、あの子を襲うなんてとても耐えられないっす!」

    「ふむ……で、何故に骨折祈願を?」

    「俺っち骸骨スケルトンなんっす! バッキバキに骨折させられたら、ここで死ねるっす! お願ねげぇしやす!」

    「そうか……神として忍びないが、それがお前の本望ならば叶えてやろう」

    骸骨スケルトンは長衣を脱ぎ捨て、神様は勢いよく手を振り上げた――が、その手を止めた。

    「肝心のお前の体骨はどこだ? わしには見えんが」

    「何を言ってるっす? 肉体は朽ちても俺っちの骨はホラここに! ……あれ?」

    声は聞こえど、骸骨スケルトンの姿をどこにも認めることはできなかった。

    「骸骨スケルトンよ、お前、女勇者にすっかり骨抜きにされたな」



    (了)




    お読みくださりありがとうございました!☺️
    488字。この変な喋り方でなけりゃ、きっと410字だったに違いないっす……!(祈願)

     ※普段は硬派な作品も書いてます😂


    吉史あん様に、毎ショ拙作を朗読していただきました🍀





     
     
     
    第2回角野栄子もっとあたらしい童話大賞にて「カゲとかけっこ」が最終選考作品となりました。 日本児童文学者協会会員 2022年より創作沼へ。読み手の心と共鳴するモノが書けたら嬉しいです(^^)  童話、ショートショート等々書いてます。他サイトにも作品を投稿、活動詳細はXにて発信中。

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