胸を全摘して笑っていた私が病室で反省したこと
乳がんで全摘してもらい、胸が無くなってもニッコニコだった私です。
30代で乳がんになったわけですが、やはり病室にいる他の皆さんは自分より年上で。
病室の雰囲気というか皆で喋ったりするかどうかって、その患者さんたちによって違うんだなと。
私は術前化学療法をしているので、それまでに2回手術前に入院しているんですね。
その時は本当に人と話さずゲームばっかりしていました(会えば挨拶はしますが)。
手術後もそこから入院となったわけですが、そこですでに部屋にいた患者さんが、リーダーシップを持ったコミュニケーションを積極的にとる方でした。
抗がん剤治療で入院している方が、副作用の吐き気を抑えるための薬の副作用が眠気、で。
「本当に眠い……」って言っているのを「寝悪阻みたいなもんかな?」なんて話していたり、和気あいあいとしていた気がします。
初めての雰囲気だなぁ……なんて思いながら、自分が話しかけられたわけでもないので、夕食の食器を返しに行き、戻ってきたときに呼び止められました。
なんだろう? と思ったら、抗がん剤治療を先に受けたのか? と聞かれました。
「はい。先生と治療プランで、終わってから手術しようって話になって」
そう説明すると
「ねぇ! 話聞いてみたら!」
と、その方が閉め切ったカーテンに向かって呼びかけました。
ん?? と思っていたら、手術はもう済んで、傷がしっかり癒えたから、今日から抗がん剤治療を開始した、という方が出てこられました。
そして
「髪の毛が無くなることがショックだ。気の持ちようをどうしたらいいかわからない。」
と言われました。とりあえずはまぁそういうことなら…と帽子をとって
「私は3週間前の抗がん剤治療が最後なんですけど、ちょっとずつ生えてきましたよ。少し産毛みたいなのが生えて、あとココはなんかしっかり生えてますね」
そう言うと、そのしっかり生えているというところが面白かったのか
「カワイイ」
と言ってくださいました。
そしてその次に言われたことが、かなり私の中では考えさせられることでした。
部屋は4人部屋で、その抗がん剤治療の方と、あとは手術を受けた私と他2人。
その手術を受けた面々は、全員が胸が無くなることに対して抵抗がなかったようでした。
私も自分の傷口を見て、笑っていたくらいですし、手術後の状態の記念撮影をされた方もいらっしゃったようです。
ですが私に脱毛のことを聞いてこられた方は、自分の胸が無くなることについて、とてもショックを受けたと。
周りの勧めもあって同時再建をしたけれど、今同室の面々を見ると、誰もショックを受けていない。私が弱かったのか。再建の判断は間違えていたのか、と思ったと。
迂闊だった、と思いました。
当人の選択は尊重されるべきだろうと私は思いますし。
「いえ、それは絶対ないです! 治療は自分が最もモチベーションをあげていける状態が望ましいと思うので! 自分のことをもっと考えていきましょう!」
そう言いましたけど、本当に申し訳ないことをしてしまった、と思いました。
同じ立場でも感じ方は人それぞれですから、当事者として話したことがただの感想だったとしても、誰かの決断を揺らすことにもなるんだなと。
発言は慎重にしなければと。
膨らみの消えた、むしろへこんでいる、傷が一直線に入った胸を見て、やっぱりそこにショックはなかったですが、ただただ反省でした。