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【なりきり文学】 〜第一夜:豊かさって、なんだや〜

豊かさって、なんだやぁ〜

はぃや〜。
ねー、豊かさって、なんだやね〜。
えへへ、よくわかんないんだや。

でもね、この字、見たことある?
「豊」ってやつ。
上の方、なんか曲がっとるしょ。
まっすぐじゃねく、くにゃって。

あれね、実ははなっから、
まっーすぐな、おマメじゃなし、
曲がったやつを、
選んで描いてたらしいんだや。

不思議じゃなや?
豊かっておミミにすっと、
まっすぐ、ますっぐ、と大きゅうなったなや、
想像するとなやぁ、
そだや、逆なんだやね。
曲がっから、いっぱいになっちょーから、
豊かって呼ばれたんだやね。

おっと、おっとっと。
まっすぐでいることなや〜、
豊かって呼んだことなや、
一回もないんだやな。

……くふ、なんか今、
ちょっとかっちょええことなや……
言った気がすっぞなもし。

でもに、でもに、
無理やりにまっすぐにされるとなや、
しんどいんだなや。

だっかんね、だっかんね、
曲がりたいようにマゲマゲせんと、
味が、なんか、わかんねけどね、
逃げてっちゃうんだやね。

おいしくない、おいしくないだや。
型にピッタピッタだや、
一杯頑張っちゃうだやねぇ。

マネッ子しないのが、
ふつうなんだやね。
全部おんなじくしてたらなや、
それ、たぶん誰もがもが、
無理やり揃えたやつなんだやね。

んでね、んでね、
味の話、してもいいなやね?

マズいってさ、
味がないってことじゃ、ないんだやね。

味の場所にさ、
なんか別のもんが、座ってるんだやね。

んがっ、んがっ、
なんて言えばいいんだやねぇ……
味が、追い出されちまう、みてーなや?

型に合わせよう、合わせようして、
頑張れば頑張るだや〜、
そこに、味じゃねーいもんがなや、
どんと、どんと、詰ま詰まなやね。

しんどい、しんどいとなや〜、
ガマン、ガマン、がいっぱいに。

そういうのが、
味のおイスに、ずっと居座るんだやね。

いんや、も〜も〜……でも、でも、
それだけじゃ、ないんだやね。

味、ちゃんと、ちゃんと…
そこに、食べる方が、
気ーつけない時もあるんだやね。

忙しい、忙しい、しちゃったりなや、
疲れちったり、チカレタしたりなや、
あいつはすげーなや、ばっかしてっと、
ベロが、うまく動かなくなるんだやね。

HAPPYも、おんなじだやよね。
ばっぴーが、薄いんじゃないんだやね。
ゆっくり、しっかり味わう余裕が、
こっちに、ないだけなんだやねぇ。

……あ。今の、ちょっと、
いいこと言ってしまったなや。
てへへ。

だっかんね、と〜っても
余白って、大事なんだなや。
わけて、わけてなや
小さくするためだや、
じゃないんだや〜。
味わうための、
隙間を作るためなんだやねやねぇ。

信号とおんなじだやね。
ぎゅうぎゅうしてっと、
渋滞、ジューたいで、届かないなや。

隙間がいっぱい、いっぱいあっと、
すんなり、届くんだやーね。

んがっ……あのね、あのね。
たんまに、揃いすぎてててて、
味しないなーって思う喋り方、あるなや。

あれね、曲がる理由なんなやね、
持ってないからなんだやねぇ。

生きてきった分だや、
まげまげしてーだやけんども、
その"生ーきてきった分"が、
あんまりねいと、曲がれないんだやぁ。

……あ、言っちった。てへへ。

でもさ、でもさ……もこゆらだってなや、
まだまだ、3歳だや。
そんなに曲がってないんだや〜。

も〜も〜。

それでも、そんでも、なんなんとなく、
分かるんだやね。
マゲマゲって、いいことだやね。

はぃや〜……
ちかれたから、ちぃとぉ休むんだやね。

むふぅふぅ…、ふぅ…。

おいらがついてるんだやね。
曲がったままで、いいんだやね。

余った白いやつ、
ちゃんと、ちゃんと、
残しておくんだやねぇ。

も〜も〜…も〜…。


いつもいつも

あとがき

このエッセイは、
最初から「豊かさ」を書こうと思って、
始まったわけではなかった。

きっかけは、
とあるYouTubeの喋り方が、
なんか可愛くて、
架空のキャラクターを作って、
遊んでいたことだった。

深いことを、
分かりやすく例えられる人、
というところから始まり、
ふわふわした、喋り方、語尾、口癖と、
少しずつ輪郭が固まっていって、
「もこゆら」という名前に落ち着いた。

賢いのに、まだ3歳。
重さを背負っていないからこそ、
身軽に核心へ触れられる存在、
という設定にした。

それと並行して、
まったく別の話題として
「豊かさとは何か?」を、
考えていた。

字を眺めているうちに、
思いがけないところへ、
話が転がっていき、
気づけば一つの話になっていた。

この二つは、
別々に生まれた話だった。
でも書き終えて振り返ると、
「型にはめない」
「曲がったままでいい」という、
もこゆらという、
キャラクターの在り方そのものが、
「豊かさ」というテーマと、
最初から地続きだったのだと気づいた。

なりきって書く、という行為も、
今回のテーマの実践だった。

自分の言葉ではなく、
もこゆらという曲がった声を、
借りることで、
まっすぐには言えなかったことが、
すんなり書けた気がしている。
ここまで読んでくれて感謝します。🐕

#気在の書庫 #なりきり文学 #もこゆら #エッセイ #哲学的思考


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水豊 ありがとうございます🐕