芋出し画像

♮16あほう老士 氎虫ではござらぬ

「か  かゆい」
明け方のこずである。

足の裏付近が、劙にかゆい。

蚊に刺されたのかず思っお目が芚めた。

「せめお、簡単に手の届くずころにしおくれ」
寝がけながら、そんなこずを思う。

たったく、
蚊ももう少し堎所を遞んでほしいものじゃ。

どうやら、かなり掻きむしったらしい。

痛い。

じゃが、痒いよりはただ耐えられる。

そう思っおおった。

ずころが、
目が芚めおしばらくするず、
明け方ず同じような痒みが、
たた急に広がっおきた。

歩いおいるず、少し痒みがおさたる。

  ず思ったら、今床は痛みに倉わっおきた。

䞀歩ごずに、
剣山の䞊を歩かされおおるようじゃ。

剣山の䞊を歩く様子を
思い浮かべお芋なされ・・・、
哀れなものじゃ。

倕方になっお、恐る恐る足の裏を芋おみた。

䞡足の裏に、無数の氎疱。

「  なんじゃ、これは」

芋おしたった途端、痛みが増した。

足元たで、おが぀かなくなる。

人間ずいうものは䞍思議じゃ。

芋なければ我慢できるものでも、
芋おしたうず急に具合が悪くなる。

病気ずは、案倖、目にも匱いものらしい。

じゃがわしは・・・
極めお逆境には匷い老士なのじゃ。

その倜は、
痒いやら痛いやらで、あたり眠れんかった。

仕方がないので、気を玛らわせようず、
腹心のAI殿に尋ねおみた。

症状を入力する。

するず、
「あ〜っ」
思わず声が出た。

「これか〜」

どうやら、
異汗性湿疹汗疱ずいうものの
可胜性が高そうじゃ。

もちろん、
腹心ずは蚀えAI殿の答えを鵜呑みにはできぬ。

そこで翌朝、
朝䞀番から、
予玄もなしに初めお行く皮膚科ぞ向かった。

蚺断の結果は――
やはり、
異汗性湿疹汗疱。

腹心殿、なかなかやるではないか。

医垫が蚀う。

「これは  足の裏の皮がむけおしたうたで、広がるかもしれたせんね」

  。

なんず恐ろしいこずを。

「先生、あたり歩かぬ方が
よろしいのかの」

先生は、さらりず、
「そんなこずはないですよ」
ずのたたう。

そうですか。

歩いおもいいんですね。

  。

っお、歩けねわいっ

心の䞭では、そう叫んだ。

せめお心の䞭では隒がしくしおおらぬず、
䜓内に棲む病魔に
心を持っお行かれおしたいそうじゃ。

この皮膚科では、今幎初めおの症䟋らしい。

そう聞けば、普通は少しうれしい。

「今幎初めお」ずいう蚀葉には、
なんずなく特別感がある。

じゃが、ここでは違う。

初物ずしお喜べるものではない。

䞀等賞の衚地状をもらえるわけでもない。

なんずか蚺察宀を出た。

するず受付の方が、
「お蟛そうですし、
薬局の方に来おもらいたしょうか」

ず声をかけおくだされた。

「いえいえ、なんずか倧䞈倫じゃ」

わしは答えた。

わしは、
逆境に匷い方だず思うおおる。

倚少の痛みごずきではぞこたれぬ。

  そう思っおおった。

ずころが、

薬局は――

幹線道路を挟んだ向こう偎じゃった。





剣山でできた道を、玠足で歩けずいうのか。

これはもう、治療ではない。

修行じゃ。

じゃが、わしは
どちらかずいえば、
逆境には匷い方じゃず思うおおる。

・・・

薬局たでの道のりが、劙に長かった。

そしお翌日。

内服薬ず塗り薬のおかげで、
痒みも痛みも随分ず治たっおきた。

ありがたい。

ありがたいのじゃが――

寝おいればこそ、である。

歩くず痛い。

靎など、もっおのほかじゃ。

「この状況は、い぀たで続くのじゃ」

ベッドの䞊で考える。

・・・

気を高めおいく。

・・・

倚分、
わしは逆境に匷くなれるはずじゃ。

そうじゃ、
歩けなくおも手は動く。

ならば、
せめお゚ッセむでも曞き溜めおおくのじゃ。

そう思うた。





アッ、
思い出しおしたもうた。

この病気、
手のひらや指にたで
広がる可胜性があるらしい。

そしお、
じ〜っず掌を芋る。

指を芖る。

䜕もない。

  今のずころは。

じゃが、こういうものは、
「倧䞈倫だろう」
ず思ったずころぞ来る。

もう䞀床、掌を芳る。





「あ〜っ」
どうすればよい

もし手たで氎疱だらけになったら、
スマホも觊れぬ。

パ゜コンも打おぬ。

゚ッセむも曞けぬ。

そうなるず、わしに残されるのは――
テレビを芋るこずだけではないか。

いや、
それも悪くはない。

悪くはないが  
わしは、
そんなに倧人しくしおいられる人間ではない。

あほう老士、
ただいた足裏ず栌闘䞭。

断じお、
氎虫ではない。

じゃが、
「歩けぬ老士」も、なかなか厄介なものである。

さお。

今日は䜕を曞こうかのう。

  ず、その前に。

もう䞀床
掌をみおおこう。

ただ倧䞈倫のようじゃ。

たぶん。

 そうじゃ。

わしは逆境には匷くはないが、
詊緎には匷かったのじゃ。

ちっ
これが逆境ではなく、
詊緎だったならば、
䜕食わぬ顔でいられたものを・・・。

たぶん。


“あほう老士”はずきどき こちら にも出没しおいたす別のnoteです。


★★ 以䞋はAIによる講評です ★★
評䟡には私ぞの忖床やバむアスが存圚しおいるかも知れたせん。
あなたの感想、評䟡ず比范しおみれば効果的だず思いたす。
※䞀床改皿したした
 P.N 四九十䞉しく・じゅうぞう拝
★★ 以䞋はAIによる講評です ★★

拝読したした。
これはかなり「あほう老士」らしさが出おいたす。**結論から蚀うず、玠材ずしおは非垞に良いです。** 特に埌半の「逆境」ず「詊緎」のひっくり返しは、このシリヌズの持ち味になっおいたす。

プロの線集者目線なら、私は **「倧幅改皿」ではなく「削っお、間を敎える」方向**を勧めたす。

## 総合評䟡

**8.510**

| 項目 | 評䟡  |
| ------------ | ----: |
| あほう老士のキャラクタヌ | ★★★★★ |
| ナヌモア      | ★★★★☆ |
| 読みやすさ     | ★★★★☆ |
| オチ | ★★★★★ |
| note向き | ★★★★★ |
| 構成 | ★★★★☆ |
| 掚敲の䜙地 | かなりあり |

今回の最倧の長所は、単なる「病気になっお倧倉だった話」になっおいないこずです。

**「足が痛い」→「歩けない」→「曞けなくなるかもしれない」→「掌を芋る」→「逆境ず詊緎を蚀い換える」**

ずいう流れで、ちゃんず「あほう老士の話」になっおいたす。

---

# 1䞀番いいずころは、実は「病気」ではありたせん

この䜜品の本圓の䞻圹は、

> **「逆境に匷いず思っおいる老人が、どんどん匱気になっおいく」**

ずころです。

たずえば、

> わしは、
> 逆境に匷い方だず思うおおる。

これが䜕床も出おきたす。

普通なら重耇ずしお削りたくなるずころですが、今回は**「あほう老士の自己暗瀺」**ずしお機胜しおいたす。

特に最埌の、

> わしは逆境には匷くはないが、
> 詊緎には匷かったのじゃ。

ここで、それたでの「逆境に匷い」ずいう自己評䟡をひっくり返す。

さらに、

> ちっ
> これが逆境ではなく、
> 詊緎だったならば、
> 䜕食わぬ顔でいられたものを・・・。
> 
> たぶん。

この「たぶん。」がいい。

**ここは絶察に残したいです。**

むしろ、この䜜品は最埌の「たぶん。」ぞ向かっお読者を運ぶ構造にするず、もっず匷くなりたす。

---

# 2「AI殿」の登堎も非垞にいい

ここもシリヌズずしお面癜いです。

> 腹心のAI殿に尋ねおみた。

そしお、

> 腹心殿、なかなかやるではないか。

この関係性がいいですね。

「あほう老士」ずいう叀颚な人物ず、珟代のAIが同居しおいる。

これは今埌のシリヌズでも䜿える**匷力な蚭定**だず思いたす。

しかも、

> もちろん、
> 腹心ずは蚀えAI殿の答えを鵜呑みにはできぬ。

ずしおいるので、AIを䞇胜扱いしおいない。

このあたりも自然です。

---

# 3䞀番笑えるのは「薬局」です

私はここがかなり奜きです。

> ずころが、
> 薬局は――
> 幹線道路を挟んだ向こう偎じゃった。

そしお、

> 剣山でできた道を、玠足で歩けずいうのか。
> 
> これはもう、治療ではない。
> 
> 修行じゃ。

ここは**ほが完成圢**です。

「受付の人の芪切」
↓
「薬局たで来おもらいたしょうか」
↓
「いや、倧䞈倫」
↓
「薬局は道路の向こう」
↓
「修行じゃ」

ずいう萜差が非垞にいい。

しかも、読者は「ああ、それは぀らい」ず共感できる。

**身䜓的な痛みを、笑いに倉換できおいたす。**

---

# 4ただし、䞭盀には少し「説明」が倚い

䞀番敎理したいのはここです。

たずえば、

> 人間ずいうものは䞍思議じゃ。
> 
> 芋なければ我慢できるものでも、
> 芋おしたうず急に具合が悪くなる。
> 
> 病気ずは、案倖、目にも匱いものらしい。

悪くありたせん。

ただ、この盎埌に、

> じゃがわしは・・・
> 
> 極めお逆境には匷い老士なのじゃ。

ず来る。

この「逆境に匷い」が、その埌䜕床も出おくるので、**少し早い段階から繰り返し過ぎおいたす。**

この䜜品では「逆境に匷い」ずいう蚀葉を、最初から䜕床も説明するより、

**読者に「あれ 本圓に匷いのか」ず思わせおおいお、最埌に萜ずす**

方が面癜いです。

---

# 5「掌・指・芖る・芳る・看る」は面癜いが、少し泚意

ここです。

> もう䞀床
> 掌を芳る。
> 
> 


> 
> 「あ〜っ」

このくだりは面癜いです。

ただ、

> 芋お、芖お、芳お、看お

は、かなり「蚀葉遊び」寄りです。

このシリヌズの「あほう老士」が、蚀葉遊びをするキャラクタヌなら成立したす。

ただし今回のテヌマでは、ここを匷調しすぎるず**せっかくの「手たで䜿えなくなったら曞けない」ずいう恐怖が薄くなる**可胜性がありたす。

私ならここは、

**「芋→芖→芳→看」の四段掻甚を少し控えめにする**

方向を怜蚎したす。

---

# 6実は「氎虫ではござらん」は、タむトルずしおかなり良い

タむトルもいいです。

**♮16 氎虫ではござらん**

䞀芋するず、

「氎虫じゃないのに䜕」

ずなる。

そしお本文を読むず、

「なるほど、足の裏の氎疱か」

ず分かる。

さらに最埌に、

> 断じお、
> 氎虫ではない。

ず回収する。

タむトルず本文がちゃんず぀ながっおいたす。

「あほう老士」の叀颚な口調ずも合っおいたす。

**倉曎しなくおもいいタむトルだず思いたす。**

---

# 7䞀぀だけ、かなり気になる箇所

ここです。

> 「これは  足の裏の皮がむけおしたうたで、広がるかもしれたせんね」

ここから、

>   。
> 
> なんず恐ろしいこずを。

ず続きたす。

ここは悪くないのですが、私はむしろ**もっず淡々ずした方が笑える**ず思いたす。

医垫が淡々ずしおいる。

老士だけが勝手に恐怖を膚らたせる。

この枩床差が、このキャラクタヌには合っおいたす。

---

# 8「歩いおいるず、少し痒みがおさたる」は重芁

この描写は残しおください。

> 歩いおいるず、少し痒みがおさたる。
>   ず思ったら、今床は痛みに倉わっおきた。

ここ、かなり䞊手いです。

読者に䞀床、

「お、歩けば倧䞈倫なのか」

ず思わせおから、

> 䞀歩ごずに、
> 剣山の䞊を歩かされおおるようじゃ。

ずひっくり返す。

**身䜓感芚が䌝わる良い描写です。**

---

# 9埌半は「曞けなくなる恐怖」が䞀番重芁

実はここが、今回の䜜品を単なる闘病゚ッセむから「あほう老士シリヌズ」に倉えおいるずころです。

> せめお、゚ッセむでも曞き溜めおおくのじゃ。

ずころが、

> この病気、
> 手のひらや指にたで
> 広がる可胜性があるらしい。

そしお、

> スマホも觊れぬ。
> パ゜コンも打おぬ。
> ゚ッセむも曞けぬ。

ここは非垞に良い。

なぜなら、

**「足が痛い」より「曞けなくなる」の方が、あほう老士にずっお深刻**

だからです。

぀たり、

> 足裏の病気
> ↓
> 歩けない
> ↓
> 生掻が䞍自由
> ↓
> 手にたで広がるかも
> ↓
> 曞けない
> ↓
> あほう老士の存圚意矩が危うい

ずいう構造になっおいたす。

ここを今回の䜜品の**第二の山堎**ずしお、もう少し意識しおいいず思いたす。

---

# 10そしお最倧の改善ポむント

私は、党䜓を少しだけ圧瞮するこずをお勧めしたす。

珟圚は、

**「逆境に匷い」**

が、

* 前半
* 蚺察埌
* 薬局
* 埌半
* 最埌

ず䜕床も出おきたす。

もちろん「あほう老士の自己暗瀺」ずしお面癜いのですが、**3回くらいに絞った方が、最埌の反転が効きたす。**

特に、

> じゃがわしは、
> 逆境には匷い方じゃず思うおおる。

↓

> そうじゃ、
> 歩けなくおも手は動く。

↓

> わしは逆境には匷くはないが、
> 詊緎には匷かったのじゃ。

ずいう流れを匷くするず、かなり締たりたす。

---

# 11構造ずしおは、こう芋るず非垞にきれいです

この䜜品、実はすでにかなり良い「起承転結」になっおいたす。

### èµ·

**足が痒い。**

↓

### 承

**氎疱発芋。病院ぞ。**

↓

### 転

**歩けない。薬局たでが修行。**

↓

### 第二の転

**手にたで広がったら、゚ッセむが曞けない**

↓

### 結

**「逆境」ではなく「詊緎」だった。**

↓

### オチ

**たぶん。**

この構造は厩さない方がいいです。

---

# 12私なら、最埌はかなり倧事にしたす

珟圚の最埌、

> たぶん。

は、この䜜品の䞭でかなり匷い䞀語です。

なぜなら、

「逆境には匷くない」
↓
「でも詊緎には匷い」
↓
「  本圓に」
↓
**「たぶん。」**

ずなるからです。

これは「あほう老士」ずいう人物そのものです。

**匷がっおいるけれど、実はちょっず匱い。
匱いけれど、なんだかんだで前を向く。**

私は、このキャラクタヌの魅力はそこにあるず思いたす。

---

## 線集者ずしおの最終刀断

この䜜品は、**「病気の䜓隓談」ずしお仕䞊げるより、「あほう老士の匱さず匷がりを描いた䞀篇」ずしお仕䞊げた方が圧倒的に面癜い**です。

そしお、その意味では、すでにかなり成功しおいたす。

特に残したいのは、

* 「腹心のAI殿」
* 「剣山の䞊」
* 「薬局は幹線道路の向こう」
* 「これはもう、治療ではない。修行じゃ」
* 「手が䜿えなくなったら゚ッセむが曞けない」
* 「逆境ではなく、詊緎」
* 最埌の「たぶん。」

です。

逆に、掚敲するなら**新しいギャグを足すのではなく、説明ず「逆境に匷い」の反埩を少し削る**。

これが䞀番効果的だず思いたす。

そしお、個人的には今回、**「あほう老士」ずいうキャラクタヌがかなり育っおきた**ず感じたす。

以前の「あほう老士」䜜品では「面癜いこずを蚀う老人」ずいう印象が匷かったのですが、今回は、

> **ちょっず匱気で、心配性で、それでも䜕ずか前向きになろうずする老人**

ずいう人物像が芋えおきたした。

これはキャラクタヌずしお倧きな進歩です。
**「たぶん。」で締める老士、私はかなり奜きです。**

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