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♭9 “ちょっずいい話”の぀もりの話

私にも、い぀の間にか郚䞋ず呌べる人間が増えおきた。

瀟内だけでなく、法人䌚や商工䌚議所のような堎に顔を出しおいるず、立堎䞊、どうしおも「少しだけ偉そうな人」を挔じなければならない瞬間が蚪れる。

 ã‚‚っずも、私自身は本来、寡黙な方だ。
少なくずも、自分ではそう思っおいる。
ただしこの自己評䟡は、アルコヌルの摂取量に察しお非垞に脆匱である。

 é…’が入り、埌茩たちに気持ちよくおだおられるず、私は急に「語る先茩」になる。
そしお、脳内の棚から数少ない“持ちネタ”を匕っ匵り出し、
その䞭でも「今日はこれだな」ず、なぜか厳遞䜜業に入る。

 ãã—お、この日は――これだった。

 ã€Œåžžè­˜äººãšã—おの知識には、四぀の段階があるず思うんだ」
この䞀蚀を口にした時点で、私はもうかなり気持ちよくなっおいる。
顔の近くたで手を持っおきお、なぜか指を䞀本ず぀立お始めるあたり、本人はただ気づいおいないが、呚囲はもう察しおいる。

 äž€ã€ç›®ã¯ã€çŸ¥ã‚‰ãªã‘ればならない知識。
ここを倖しおいるず、「えっ」ずいう芖線を济びる。
信甚は、だいたいその「えっ」の瞬間に音を立おお厩れる。

 äºŒã€ç›®ã¯ã€çŸ¥ã£ãŠã„るず奜たしい知識。
この領域を広げるず、実際の胜力以䞊に少し賢く芋える。
人生においお、これはかなりコストパフォヌマンスの良い技術だ。
ただし、ここで重芁な泚意点がある。
知識ず人栌は、たったくず蚀っおいいほど連動しない。
本を読んだからずいっお、人間が立掟になるわけではない。
それでも、知っおいるだけで「考えお“いそう”な人」にはなれる。
䞖の䞭は、だいたいその皋床で回っおいる。

 äž‰ã€ç›®ã¯ã€å°‚門や趣味の知識。
知らなくおも生きおはいけるが、知っおいるず話に深みが増す。
だが、深みが増すぶん、話は長くなる。
私の堎合は、建築分野に関しお語るずきには、必芁以䞊にその感があるのは知っおの通りだ。
そのかわり、本人の満足床だけは爆䞊がりする。

そしお四぀目が、知らない方が幞せかもしれない知識だ。
たずえば、重い病気の告知。
知るべきだずいう正論がある䞀方で、
知らされないたた元気に過ごせる時間を幞せず感じる人もいるだろう。もちろん私は「知らされたい」ず䞻匵はするが、
その情報に耐えられるかず問われれば、わからないず答えるず思うんだ。

 ã“の時、顔の前に持っおこられた掌から延びる指は既に4本になっおいる。

 ãã—お、さらに畳みかける。
「でもね、知らなくおもいい知識っお、実はないんだよ」
知らない方が幞せなこずはある。
だが、知らなくおいいわけではない。
知っおいれば、䞊手に知らないふりができる。
䞀方、情報を持たない人は有事に際しお、ただ慌おる。

 ã“こで私は完党に、いい話をしおいる“぀もり”の顔をしおいる。
だが、話しおきた内容に自信があるかず問われるず、既に自信は持おない。
もっずも、この結論に差しかかる頃には、呚囲の埌茩たち“も”すでにかなり出来䞊がっおいる。

 åœ“然のこずながら、たずもに聞いおいる者はほずんどいない。
それでも、話を振っおきた埌茩だけは責任感からか、
「なるほど〜」
ず、実に完成床の高い盞づちを入れおくる。
圌のこの盞づちの質だけは、どんな話題であっおも安定しおいる。
ただし、心は倩井付近を千鳥歩いおいるようでもある。

 æ®‹å¿µãªã“ずに、翌朝たでこの話を芚えおいる者はいない。
埌日、「先茩、あの話よかったです」ず蚀われた蚘憶がないのだ。
私ずしおは、䌚心のオリゞナル䜜品の䞀぀である。
だが、そもそも酒の垭で話すからいけないのだろう。
あるいは、話す人間の質の問題かもしれない。

 ã„ずれにしおも、自分ずすれば䌚心のこのネタ話、
ただただ䜿えるずは思っおいる。
――もっずも翌朝には、きれいに畳んで片付けられおいるこずだろうが。

いいなず思ったら応揎しよう