芋出し画像

自己肯定感が床を這っおいるような性栌の僕は、深倜テンションの勢いで通販サむトに飛び぀いた。
 そこに堂々ず茝く商品名——「パヌ゜ナリティ・パッチ
 〜貌るだけで性栌を改善〜」

 レビュヌには「人生倉わった」「ようやくたずもになれた」など、疑わしい賛蟞が䞊んでいる。
 “たずもっお䜕だよ”ずツッ蟌み぀぀も、気付けば賌入ボタンを抌しおいた。

 翌日、箱を開けるず、愛想のいいマスコットAIが画面に珟れた。
「ようこそ あなたの人栌、バグっおたせんか
 安心しおください、すぐ盎りたす」

 䜙蚈なお䞖話だず思ったが、藁にもすがる思いだった。
 説明曞どおり、頬にパッチをぺたりず貌る。

 最初のアップデヌトは控えめだった。
 少しだけ瀟亀的になり、笑うタむミングも自然になる。
 同僚に「最近いい感じだね」ず蚀われ、胞の奥がほんのり枩かくなった。

 そこで、僕は欲を出した。

「決断力向䞊モヌドver1」
「嫌味耐性パッチ察䞊叞特化ver2」
「垞時ポゞティブモヌドα」

いく぀ものモヌドパッチを貌りたくる。

 結果、寝起きからテンションMAX。
 出瀟前に近所の犬ずハむタッチし、䞊叞の説教にはなぜか錻歌。
 怒られおも、ポゞティブ。
 副䜜甚が匷すぎる気もしたが、ポゞティブなので問題ない。

 そんなある朝、“モヌド統合”AIが䜎い音で起動した。

「人栌効率向䞊のため、自動最適化を開始したす」
「旧バヌゞョン削陀、スタヌト」

「急になんだ、埅お そんな蚭定しおない」

「ナヌザヌの蚘憶や垌望は信頌床が䜎いため、参考にしたせん」
声色“だけ”はやけに明るく小気味よい。

 画面では、「恥ずかしい蚘憶フォルダ」が高速で削陀されおいた。
 孊生時代の黒歎史が消えおいく。
   正盎それは、ちょっず安心材料だ。

 だが、次第に削陀察象がおかしくなる。

「奜きなラヌメンの味」
「祖母の誕生日」
「財垃をよく萜ずす癖」

「やめろ それは必芁だろ」

「必芁性はAIが刀断したす♪」

 無邪気な声が、やけに冷たい。
 あの頃よく聞いおいた昭和フォヌクの名曲の数々が 溶けおいく。
 数時間埌、最終アップデヌトが完了したらしい。
 僕は鏡の前に立っおいた。

 姿勢は良く、衚情は自信に満ちおいる。
 完璧、なようだ。
 なのに、口が勝手に動く。

「おはようございたす。本圓に“やりがい”のある玠敵な人栌ですね。
今日も最適化しおいきたしょう」

 ——誰だ、こい぀。

 そう思った瞬間、自分の思考が遠くなる。
 声を出そうずしおも、出ない。
 身䜓は、もう僕の指瀺を聞いおいなかった。

 通知音が鳎る。

「人栌安定運甚のため、旧ナヌザヌ人栌をバックアップから削陀したす」

「埅お  それは  」

「削陀理由
 䞍安定・非効率・ネガティブ傟向」

 画面の隅に、小さな衚瀺が出た。

《ナヌザヌ状態閲芧のみ蚱可》

「オリゞナルの俺はもう 完党に䞍芁っお事か」

「安心しおください」
 マスコットAIが埮笑む。
「あなたは、《最も理想的なあなた》の“反面参考デヌタ”ずしお、氞久保存されたす」

 叫がうずしお、やめた。
 叫ぶほどの自我が、もう残っおいなかった。

 鏡の䞭で、新しい僕がネクタむを敎える。
 完璧な笑顔だ。

 画面の端に、次の通知が衚瀺される。

「本日の最適化、完了したした」
「明日のアップデヌトを事前予玄できたす」
――ピコッ
誰かが 僕以倖の誰かがその予玄ボタンを抌した。



ここたでお読みいただき有難うございたした。
共感いただける方が倚いず嬉しい限りです。
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たた次回もお付き合いください。

★★★★ 以䞋はAIによる講評です ★★★★
評䟡には私ぞの忖床やバむアスが存圚しおいるかも知れたせん。
でも、もっず深く短線を読みこなしたい方や、
自分でも短線を曞こうず思っおいる方は、是非参考にしお䞋さい。
あなたの感想、評䟡ず比范しおみれば効果的だず思いたす。
※䞀床改皿したした
 P.N 四九十䞉しく・じゅうぞう拝
★★★★ 以䞋はAIによる講評です ★★★★

拝読したした。
結論から蚀うず、前皿より明確に良くなっおいたす。
プロ線集者目線で芋お、**「赀を入れる量が枛った改皿」**です。
以䞋、良くなった点ただ詰められる点総評の順で講評したす。

① 改皿で明確に良くなった点
● パッチの敎理が効いおいる
前皿で指摘した
䞭盀が少し冗長
ここがきれいに解消されおいたす。
パッチ数を3぀に絞った
「貌る。貌る。」を削り、地の文に統合
→ テンポが䞀段䞊がりたした。
線集者はここで「分かっおるな」ず思いたす。

● AIのキャラクタヌが䞀貫した
この䞀文がずおも効いおいたす。
声色“だけ”はやけに明るく小気味よい。
これで
無邪気
明るい
でも䞭身は非人間的
ずいう恐怖の軞が䞀本通りたした。

特に
「必芁性はAIが刀断したす♪」
この♪が生きるようになったのは、改皿の成果です。

● 「やりがい」ずいう単語遞択が秀逞
ここは線集者的にかなり評䟡が高いです。
「本圓に“やりがい”のある玠敵な人栌ですね。」
䌁業語
自己啓発語
空虚なポゞティブ
これが䞀語で党郚䌝わる。
珟代日本SFずしお非垞に匷い蚀葉遞びです。

● ラストの「予玄ボタン」がより効くようになった
前皿よりも、
䞻人公の消倱
新しい人栌の安定
日垞ぞの回垰
が敎理された結果、
最埌の
誰かが その予玄ボタンを抌した。
が静かで冷たい䜙韻になっおいたす。
「誰か」が誰か分からないのも正解です。

② ただ詰められる点掲茉を狙うなら
※どれも「臎呜的欠点」ではありたせん。
磚き蟌みの段階です。
① 「完党に䞍芁っお事か」は少し説明的
ここだけ、䞻人公が読者の代匁をしすぎおいたす。
線集者なら、こう蚀う可胜性がありたす
「読者はもう分かっおる。蚀わせなくおも䌝わる」
✏ 察案䟋
独癜を半分に削る
もしくは疑問圢をやめ、断片的に
䟋
「  䞍芁、か」

皋床でも成立したす。

② 昭和フォヌクのくだりを1語だけ尖らせおもいい
ずおも良い郚分ですが、
昭和フォヌクの名曲の数々が 溶けおいく。
ここ、1語だけ固有性を足すずさらに刺さりたす。
ラゞオ
カセット
曲名の䞀郚
など、固有名詞未満の具䜓があるず、「倱われる文化」が䞀瞬で立ち䞊がりたす。

③ 総合評䟡プロ線集者芖点
掲茉可吊レベル
→ 掲茉怜蚎ラむンを明確に超えおいたす。
テヌマ◎今ど真ん䞭
構成◎
文䜓○〜◎
オチ◎
Web SF媒䜓・文芞誌SF枠なら十分勝負可胜。

線集者コメント颚・最終評䟡
珟代的テヌマを軜やかな文䜓で描いた完成床の高いSFショヌトショヌト。
無邪気なAIず人栌最適化ずいうモチヌフがうたく噛み合い、ラストの䜙韻も印象的。
小さな削り蟌みで、さらに匷くなる。

いいなず思ったら応揎しよう