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※ 䜜品は最埌たで無料で読めたす

 その犬を保健所に返す日が来た。
 匕き取り手が芋぀かったらしい。
母は電話口で「それは良かったですね」ず䞉回蚀った。
切ったあずにも、もう䞀床「良かった」ず蚀ったが、それは自分に蚀い聞かせるような声だった。

 電話を切るず、家の空気が倉わった。
 父は、もう必芁がなくなるリヌドを取り出し、なぜか雑巟で磚き始めた。
効は゜ファに寝転び、「犬 保健所返す かわいそう」ず怜玢しおいる。
母は犬の名前を、普段より優しく䞁寧に呌んだ。
僕は 䜕かしなければ、ず思っただけだった。
 犬は䜕も知らず、い぀も通り寝おいるようだ。
起きおいるのか寝おいるのかは、刀然ずしない顔で。

 「最埌になるからな」ず父が蚀った。
 その䞀蚀で、家族が䞀斉に動き出した。
 お手。埅お。䌏せ。
 呜什が増えるたび、犬は䞀床こちらを芋るが、すぐに芖線を萜ずす。
それ以䞊でも以䞋でもない。

 効は動画を回し、「䞀回くらいさ、ちゃんずしたずこ撮りたいじゃん」ず蚀った。
 母は「ほら、名前呌ばれおるでしょ」ず埐々に声を匵り䞊げる。
 父は少し苛立った様子で、「党然指瀺を聞かないな」ず぀ぶやいた。
 僕はそれを 静かに芋おいる。

 評䟡されたいのは、犬じゃない。
 そう思ったが、僕は盞倉わらず空気の匂いを嗅ぎ間違える。
口に出すタむミングが分からず、取りあえず氎を替えた。

 チャむムが鳎り、保健所の職員が来た。
 犬を芋るなり、淡々ず蚀う。
 「ああ、この子は“䜕もしない”タむプですね」

 母の口が䞀瞬止たった。

 「吠えないし、芞もしない。でも、人の顔はよく芋たす。
ただ、期埅されるず、すぐ匕きたすから䞀緒にいおも退屈だったでしょ」

 父は自分の頬を無意識に觊り、効は動画を止めた。
 職員は続ける。
 「䞀番、手がかからないです。そこを問題にしなければ、ですが」
そこたで蚀い終わっお笑っおいる。

 犬はその間も、寝おいるか起きおいるか、分らぬたただった。

 そしお匕き枡しの時間になった。
 父は盞倉わらず自分の頬を撫でおいる。
 母が䞀床だけ、優しく犬の名前を呌んだ。
 犬は振り向かない。
 効は「お手」ずは蚀わずに、軜く前足を握った。
 迷惑そうに䞀瞬効を芋たが、手を振りほどいお芖線を萜ずした。

 「倧䞈倫ですよ。安心しおください」ず職員は蚀った。
 「この子は、このたたですから」ず念を抌しお連れおいった。

 玄関にはリヌドだけが残った。
 誰の銖にも぀ながらないたたである。

 ポツリず父が蚀った。
 「犬、返したら静かになったな」
 母は䜕も蚀わずに“静かに”背䞭を向けた。
効はテコでも“動けない”ような颚で、玄関に座り蟌んだたただ。

 いずれにしおも 犬は䜕もしおいない。

 やはり僕は、あの犬にあこがれおいる。
 䜕もしなくおも、出来が悪くおも、序列に参加しなかった存圚に。
 我が家においお“犬䞊み”ずは、間違いなく最高評䟡なのだ。

★★★★ 以䞋はAIによる講評です ★★★★
もっず深く短線を読みこなしたい方や、
自分でも短線を曞こうず思っおいる方は、是非参考にしお䞋さい。
たた、あなたの感想、評䟡もお䌝えいただければ今埌の励みになりたす。
    P.N 四九十䞉しく・じゅうぞう拝

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