少しだけ自分のことを…|老後に必要なのは貯金だけじゃない|人生を楽しむための「貯筋」という身体資産
海外では、人を部分ではなく全体で見る「Whole Person Health」という考え方があります。
五感解析ラボは、その考え方を日常の悩みに落とし込み、心・身体・生活・環境をつなぎながら、今のあなたに合う道具を探す場所です。
老後に向けて、
「いくら貯金があれば安心なのだろう」
と考えたことがある方は多いと思います。
住宅費。
医療費。
介護費。
旅行。
趣味。
家族との時間。
何歳まで働くのか。
年金はいくら受け取れるのか。
老後の生活を考えるとき、
どうしても「お金」の話が中心になります。
当然です。
お金は大切です。
やりたいことがあっても、
ある程度のお金がなければ、
選べることは減ってしまいます。
ですから、
若いうちから少しずつ貯金をする。
資産形成を考える。
無駄な支出を減らす。
これは、とても大切なことです。
ただ、
私はもう一つ、
老後に向けて貯めておいた方がいいものがあると思っています。
(まぁ、私がこれを言うと「あの筋肉バカが…」と言われますがw)
それは、
筋肉です。
いわば、
「貯金」ならぬ、
**「貯筋」**です。
もちろん、
銀行口座のように、
今日スクワットを10回やったから、
太ももに筋肉が3グラム入筋されました、
などと数字で表示されるわけではありません(笑)。
それでも、
10年後。
20年後。
30年後。
私たちの生活を支えてくれるものとして考えれば、
筋肉はかなり重要な「身体資産」なのではないでしょうか。
今回は、
筋肉を大きくするための筋トレの話ではありません。
ボディビル大会を目指す話でもありません。
もっと身近な、
人生を楽しむための身体を、どう残していくか。
そんな「貯筋」の話をしてみたいと思います。
貯金には残高がある。では「身体の残高」はどうでしょう
銀行口座なら、
残高を見ることができます。
100万円。
500万円。
1,000万円。
数字として表示されるので、
今どのくらいあるのか分かります。
ところが、
身体には、
残高表示がありません。
昨日まで普通にできていたから、
今日もできると思っています。
階段を上る。
買い物袋を持つ。
床から立ち上がる。
旅行へ行く。
電車に乗る。
温泉へ行く。
少し遠くの店まで食事に行く。
そんなことを、
私たちは普段、
「筋肉を使っている」
とはあまり考えません。
ただ生活しているだけです。
ところが、
この「ただ生活しているだけ」が、
実はさまざまな身体機能によって支えられています。
脚の筋力。
体幹。
バランス。
関節の動き。
心肺機能。
そして、
疲れた身体を回復させる力。
どれか一つだけではありません。
私たちが普通に一日を過ごせるのは、
身体のいろいろな機能が、
少しずつ仕事をしてくれているからです。
だからこそ、
失ってから初めて、
「あれは当たり前ではなかったのだ」
と気づくことがあります。
少し歩いただけで疲れる。
階段がつらい。
床に座ると立つのが大変。
出かけるのがおっくうになる。
転ぶのが怖くなる。
そして、
外出が減る。
ここで怖いのは、
筋肉の話だけでは終わらないことです。
動かない。
↓
筋力が落ちる。
↓
疲れやすくなる。
↓
さらに動かなくなる。
↓
外出が減る。
↓
人と会う機会も減る。
↓
食欲や生活リズムまで変わる。
こうして、
身体の問題が、
生活全体へ広がっていくことがあります。
高齢期に問題となる「フレイル」も、
単純に「筋肉が少ない」という一言だけでは捉えきれません。
身体。
食事。
活動。
人とのつながり。
気力。
生活環境。
いろいろなものが絡みながら、
少しずつ生活する力が落ちていきます。
だから私は、
筋肉だけを切り取るより、
「自分の身体で生活を続けられる力」そのものを貯めていく
という感覚の方が分かりやすいと思っています。

お金にも身体にも、人は「一発逆転」を夢見ます
ここで少し、
「一発逆転」のお話しを。
まず、
お金の世界。
貯金を作る一番普通の方法は、
地味です。
働く。
少し残す。
また働く。
また少し残す。
毎月1万円。
毎月3万円。
毎月5万円。
最初は、
たいした金額には見えません。
「これ、いつ増えるんだ?」
と思うこともあります。
ところが、
何年も積み上げていくと、
ある時、
それなりの金額になっています。
でも、
人間というものは、
どうしても思ってしまいます。
「もっと早く増えないかな」
そこで登場するのが、
宝くじです。
当たれば、
数億円。
場合によっては、
人生の景色が一夜で変わります。
これは夢があります。
私も、
宝くじそのものを否定するつもりはありません。
当たったら嬉しいでしょう。
そりゃ、
嬉しいです(笑)。
しかし、
老後資金を考えるとき、
「大丈夫。いずれ宝くじが当たるから」
という計画を立てる人は、
ほとんどいないでしょう。
当たるかどうか分からないからです。
しかも、
突然大きなお金を手にすることは、
良いことだけとは限りません。
日本でも、
高額当選をしても、
その後の生活や人間関係が変化し、
結果として苦しくなってしまう人がいると言われています。
だからこそ、
高額当選者には、
当選後のお金との向き合い方や生活について考えるための案内も用意されています。
つまり、
大きな資産を一気に手に入れることと、
その資産を上手に扱えることは、
同じではないのです。
筋肉の世界にも「一気に欲しい」という誘惑があります
そして、
身体の世界にも、
似たような話があります。
筋肉をつけようと思って、
トレーニングを始める。
ところが、
一か月。
鏡を見る。
あまり変わらない。
二か月。
まだ、
思っていたほど変わらない。
すると、
もっと早く変えたくなります。
ここで登場する「一発逆転」が、
筋肥大などを目的とした、
アナボリックステロイドなどの薬物の乱用です。
※ここでいう話は、医師の管理下で治療目的に用いられる薬物療法とは別のものです。
こうした方法には、
身体を短期間で大きく変化させる力があります。
だからこそ、
惹かれる人もいます。
けれど、
当然ながら、
身体への負担や副作用など、
大きなリスクも伴います。
そして、残念ながら何もやらないと途端に筋肉がしぼみます。
本当に「あっという間」に消え失せてしまうのです。
お金で言えば、
「時間を飛ばして一気に資産を手に入れたい」。
身体で言えば、
「時間を飛ばして一気に身体を変えたい」。
分野は違いますが、
どこか似ています。
人は、
成果そのものだけを見ていると、
途中の時間を邪魔に感じることがあります。
しかし、
私は最近、
この「途中の時間」にこそ、
大事なものがあるのではないかと思っています。
コツコツ作ったものには「扱い方」まで一緒に残ります
毎月、
少しずつ貯金をする。
その過程で、
人はお金の使い方を覚えます。
何に使うか。
何を我慢するか。
どのくらい残すか。
どこにお金をかけたいのか。
つまり、
貯まっているのは、
お金だけではありません。
お金との付き合い方まで育っています。
筋肉も似ています。
毎週、
少し身体を動かす。
歩く。
しゃがむ。
立つ。
持つ。
伸ばす。
休む。
食べる。
眠る。
その繰り返しの中で、
身体との付き合い方を覚えていきます。
今日は疲れている。
今日は調子がいい。
この重量なら大丈夫。
ここから先は少し無理をしている。
昨日より身体が軽い。
最近、
階段が楽になった。
そういう感覚が、
少しずつ身についていきます。
だから、
コツコツ積み上げる「貯筋」は、
単に筋肉を増やすことではありません。
身体を扱う力まで一緒に育てている。
私は、
ここがとても大切だと思っています。
貯筋は「ムキムキ貯金」ではありません
ここで、
大事なことがあります。
「筋肉を貯めましょう」
と言うと、
どうしても、
ムキムキの身体を想像する方がいるかもしれません。
腕が太い。
胸板が厚い。
背中が広い。
太ももが丸太のようになっている。
もちろん、
そういう身体を目指すことも、
一つの楽しみです。
ボディビルやフィジークには、
それぞれ競技としての魅力があります。
身体をあそこまで作り込むには、
大変な努力も必要です。
ですから、
それを揶揄するつもりはまったくありません。
ただ、
今回お話ししている「貯筋」の目的は、
そこではありません。
私たちが欲しいのは、
人生を楽しむために使える身体です。
歩ける。
立てる。
旅行へ行ける。
温泉へ入れる。
好きな店へ食事に行ける。
買い物へ行ける。
趣味を続けられる。
孫と遊べる。
転びそうになったとき、
踏ん張れる。
そして、
できれば自分のことを、
なるべく長く自分でできる。
そのための身体です。
ですから、
腕が太ければ太いほどいい、
という話ではありません。
筋肉を大きくすることばかりを追いかけて、
もし日常生活で身体を動かしにくくなったとしたら、
少なくとも今回の「貯筋」の目的からは少し外れます。
極端な話、
立派な腕を作った結果、
背中を掻くのにも苦労するほど動きにくくなったら、
「いや、そこまで貯めなくてもよかったかもしれませんね」
という話になります(笑)。
もちろん、
大きな筋肉を持ちながら柔軟性や可動性を保っている方も大勢います。
大切なのは、
筋肉の大きさそのものではなく、
何のために、その身体を作るのか
ということです。
ただし「Tシャツから逞しい腕を覗かせたい」なら話は別です
とはいえ、
人にはそれぞれ、
身体作りの目的があります。
「健康のために動ければ十分です」
という人もいれば、
「いやいや、それだけでは足りません」
という人もいるでしょう。
どうしても、
Tシャツの袖口から、
逞しい上腕二頭筋をチラッと覗かせたい。
夏になったら、
「おっ、鍛えてますね」
と言われたい。
そんな夢を持っている方もいるでしょう。
その場合は――
頑張ってください(笑)。
しっかり筋トレをしてください。
目的が違えば、
必要なトレーニングも変わります。
筋肉を大きくすること自体が楽しい人に、
「そんな筋肉はいりません」
と言う必要はありません。
人生を楽しむ方法は、
人それぞれです。
筋トレそのものが人生の楽しみなら、
それも立派な「人生を楽しむための身体作り」です。
ただし、
身体を壊してしまっては、
本末転倒です。
目的のために、
人生そのものを犠牲にしない。
これは、
どんな身体作りでも同じだと思います。
無理なダイエットも、同じところへつながります
筋肉の話をすると、
ダイエットの話にもつながります。
痩せたい。
体重を減らしたい。
健康診断の数字を改善したい。
その気持ちは分かります。
けれど、
ここでも、
一気に結果を出そうとすると、
身体に無理をさせやすくなります。
極端に食べない。
特定のものだけを食べる。
身体が疲れているのに運動する。
(アクティブレストということもあるので一概に言えません)
短期間で体重を大きく落とす。
数字だけを見ると、
「成功」に見えることがあります。
でも、
私たちが欲しいのは、
体重計の数字だけではありません。
その身体で、これからも生活することです。
痩せたけれど、
疲れやすくなった。
体重は減ったけれど、
筋力も落ちた。
食事が怖くなった。
運動が苦痛になった。
そんな状態になれば、
何のために身体を整え始めたのか、
分からなくなってしまいます。
五感解析ラボが、
無理なダイエットを勧めない理由も、
ここにあります。
目的は、
「痩せること」ではありません。
人生を楽しめる身体へ近づくこと。
その途中で、
必要なら体重を調整する。
必要なら筋肉を増やす。
必要なら休む。
順番はこちらだと思っています。
筋肉は、運動だけでは作れません
そして、
「貯筋」と聞いて、
運動だけを考えるのも少し違います。
筋肉は、
身体の中で作られます。
ですから、
材料が必要です。
食事です。
そして、
刺激を与えた身体を回復させる時間も必要です。
睡眠です。
さらに、
身体がずっと緊張し続けていれば、
休んでいるつもりでも、
十分に休めないことがあります。
そこには、
ストレスとの付き合い方も関係してきます(脳科学や潜在意識)。
つまり、
貯筋を考えていくと、
結局、
運動・食事・睡眠・ストレスマネジメント
につながっていきます。
どれか一つだけで、
すべてが解決するわけではありません。
運動しても、
ほとんど食べなければ、
身体は材料に困ります。
食べても、
まったく身体を使わなければ、
その人に必要な機能が十分に刺激されないことがあります。
頑張って運動しても、
毎日ほとんど眠れていなければ、
回復が追いつきません。
そして、
食事も運動も睡眠も、
ストレスによって崩れることがあります。
だから、
人の身体は、
一部分だけを見ても分かりにくい。
これは、
五感解析ラボが、
身体だけでも、
心だけでも、
食事だけでも、
運動だけでもない理由でもあります。
一見すると、
「結局、何屋なのですか?」
と言われそうですが(笑)、
身体は、
そもそも一科目ではありません。
身体は、一つの科目だけではできていません
学校なら、
国語。
数学。
理科。
社会。
と分けられます。
けれど、
身体は、
そう簡単には分かれてくれません。
昨日眠れなかった。
すると今日は疲れる。
疲れるから動きたくない。
動かないから食欲も落ちる。
食べないからさらに力が出ない。
力が出ないから、
人と会うのも面倒になる。
逆もあります。
少し歩いた。
身体が温まった。
食事がおいしくなった。
夜よく眠れた。
翌朝、
少し身体が軽い。
だから、
また歩こうと思った。
全部、
つながっています。
健康を考えるとき、
「筋肉だけ」
という見方が難しい理由もここにあります。
筋肉は、
身体の中に単独で存在しているわけではありません。
生活の中にあります。
30代でも、40代でも、50代、60代、70代でも「今日」が一番若い
貯金の話では、
よく、
「もっと若いうちからやっておけばよかった」
と言います。
資産形成は、
時間が味方になるからです。
身体も、
少し似ています。
もちろん、
若いうちから身体を動かす習慣がある方が、
長期的には有利でしょう。
でも、
だからといって、
「もう60歳だから遅い」
「70歳だから意味がない」
という話ではありません。
30代なら、
30代の今日から。
40代なら、
40代の今日から。
50代なら、
50代の今日から。
60代なら、
60代の今日から。
70代でも、
その人の身体に合うところから。
いつ始めるにしても、
今日より若い日は、
もう来ません。
だから、
大げさなことを始めなくてもいい。
いきなりジムへ行かなくてもいい。
今日、
少し多く歩く。
椅子から、
ゆっくり立ってみる。
階段を一階分だけ使う。

テレビを見ながら身体を動かす。
少し遠い店まで歩く。
そういうところからでも、
身体との付き合い方は変わっていきます。
ただし、
持病や障害、
怪我、
治療中の病気などがある場合は、
もちろん同じ方法が適しているとは限りません。
無理をせず、
必要に応じて医師や理学療法士など専門家と相談しながら、
その人に合う方法を選ぶことが大切です。
貯筋は「いくら持っているか」より「使えるか」
ここで、
もう一度、
貯金との違いを考えてみます。
お金は、
銀行に置いていても、
基本的には残っています。
筋肉は、
少し違います。
身体は、
使わなければ、
少しずつ変化します。
だから、
貯筋は、
金庫にしまって終わりではありません。
使いながら貯める資産です。
歩くために使う。
立つために使う。
遊ぶために使う。
旅行するために使う。
家事をするために使う。
趣味を楽しむために使う。
使うことで、
また身体へ刺激が入る。
そして、
食べて、
眠って、
回復する。
この循環が続いていることが大切です。
だから、
私は、
筋肉量だけを「貯筋」と考えたくありません。
筋力。
バランス。
可動性。
持久力。
回復力。
そして、
身体を動かす習慣。
それらをまとめて、
身体資産
と考えた方が、
私たちの日常には合っている気がします。
100歳まで生きることより、100歳で何をしているか
長寿の話になると、
「何歳まで生きられるか」
という数字が注目されます。
90歳。
100歳。
人生100年時代。
もちろん、
長く生きられることは、
素晴らしいことです。
でも、
私はそれと同じくらい、
その年齢で何をしているのか
が大切だと思っています。
80歳で、
温泉へ行ける。
85歳で、
自分の好きな店へ食事に行ける。
90歳で、
家の周りを散歩できる。
100歳で、
家族に文句を言える(笑)。
もちろん、
すべての人がそうなれるわけではありません。
病気になることもあります。
障害を持つこともあります。
自分ではどうにもできないこともあります。
健康を、
努力した人だけが手に入れる「ご褒美」のように扱うつもりもありません。
それでも、
今の自分にできる範囲で、
未来の自分へ渡せるものはあります。
その一つが、
身体を使う習慣なのだと思います。
貯金と貯筋。どちらも使って初めて意味があります
老後に向けて、
お金を貯める。
大切です。
でも、
せっかく貯めたお金があるのなら、
使いたいではありませんか。
旅行へ行く。
温泉へ行く。
おいしいものを食べる。
趣味を楽しむ。
家族と出かける。
見たかった景色を見る。
ところが、
そのときに、
身体が動かなければ、
お金があっても選択肢は狭くなります。
反対に、
身体が元気でも、
まったくお金がなければ、
やはり選択肢は狭くなります。
だから、
どちらが大事、
という話ではないのです。
**貯金も必要。
そして、
貯筋も必要。**
一方は、
人生の選択肢を支える資産。
もう一方は、
その選択肢を実際に使うための身体資産。
両方あって、
初めて、
「やりたいことをやれる」
に近づいていきます。
一発逆転より、今日の一歩
宝くじが当たれば、
人生が変わるかもしれません。
筋肉だって、
短期間で大きく変えたいと思うことがあります。
人間ですから、
近道があれば、
つい見たくなります。
でも、
人生の多くのものは、
映画のように、
一晩では完成しません。
お金も。
身体も。
人間関係も。
仕事も。
少しずつ育っていきます。
そして、
時間をかけたものには、
その結果だけではなく、
そこへ至るまでの経験も残ります。
だから、
王道は、
少し退屈です。
今日、
少し歩く。
少し身体を使う。
ちゃんと食べる。
眠る。
疲れていたら、
無理をしない。
また明日、
少しやる。
映えません。
劇的でもありません。
SNSで、
「たった一日で人生が変わりました!」
とも書けません(笑)。
でも、
10年後。
20年後。
その小さな積み重ねが、
自分をどこへ連れていくのか。
そこには、
一発逆転とは違う強さがあります。
人生を楽しむための身体を手に入れる
私は、
身体作りのゴールを、
「痩せること」
だけにはしたくありません。
「筋肉を増やすこと」
だけにもしたくありません。
「健康診断の数字を良くすること」
だけでもありません。
もちろん、
それらが必要な人もいます。
でも、
もっと先にあるものを見たい。
人生を楽しむための身体を手に入れる。
旅行へ行きたいなら、
行ける身体。
温泉が好きなら、
入りに行ける身体。

貯筋は未来の自由への投資です。
おいしいものが好きなら、
食べに行ける身体。
趣味があるなら、
続けられる身体。
誰かと出かけたいなら、
一緒に歩ける身体。
そして、
一人でいたい日には、
自分の足で好きな場所へ行ける身体。
そのための筋肉なら、
私は、
少しずつでも貯めておきたいと思います。
銀行口座の残高を、
ときどき確認するように。
これからは、
自分の身体にも、
少し問いかけてみてもいいのかもしれません。
最近、
歩いていますか。
立ったり座ったりするのは、
以前と比べてどうでしょう。
疲れやすくなっていませんか。
ちゃんと食べていますか。
眠れていますか。
身体を休ませる時間はありますか。
そして、
今日、
未来の自分のために、
ほんの少しだけ、
「貯筋」できることはあるでしょうか。
大きなことではなくていい。
人生という長い映画の中では、
今日の10分は、
とても小さな一場面です。
でも、
そんな小さな場面が積み重なって、
最後に一本の物語になります。
貯金も。
貯筋も。
きっと、
同じなのだと思います。
一発逆転ではなく、
今日の一歩から。
未来の自分が、
「まだまだ人生を楽しめるぞ」
と言える身体を、
少しずつ育てていきたいものです。
【要約】
老後に向けて考えるものといえば、まず「貯金」が思い浮かびます。
しかし、旅行、温泉、外食、趣味など、せっかく用意したお金を使って人生を楽しむためには、それを支える「動ける身体」も必要です。
この記事では、筋肉や身体機能を未来のために少しずつ蓄えていく「貯筋」という考え方を、貯金との対比から考えます。
貯筋は、身体をムキムキにすることが目的ではありません。
歩く、立つ、階段を上る、外出する、好きなことを続ける――そんな日常生活を支える身体を残していくことです。
そして、そのためには運動だけでなく、食事、睡眠、休養、ストレスとの付き合い方も関係しています。
痩せることや鍛えること自体を目的にするのではなく、「人生を楽しむための身体」を育てていく。
派手な一発逆転ではなく、毎日の小さな積み重ねを未来の身体資産に変えていくための話です。
