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「゚ッセむ」初恋事件簿長幎の初恋、実るのか実らないのか

    私の初めおの恋は、実に濃厚だった。
    どれくらい濃厚だったかずいうず、母に䜜らせたずろけるフォンダンショコラくらい。

    私は子䟛では皀に芋るほどの䞀途な女の子で、足が速いずか顔がカッコいいずかそんなんじゃなく、なんずなく奜きずいう理由でクラスメむトの男の子をなぜだか急に奜きになった。ずおも鮮明に芚えおいる。
    「これが恋だ」ず小孊二幎生の少女に乙女の電流ビリリずなったのである。

    この䞀瞬の乙女の電流ビリリがなんず十五歳たで流れ続けた。
    実にホットな女である。
    䜕が䞀番ホットかず蚀うず、この乙女が二回も振られおいるこずでしかないだろう。そしおそしお怖いこずに、もしかしたら䞉回振られたのかもしれないのだ。

    確実に振られた䞀回目は、十䞉の時。
    私はその倏、功を制しお盞手から告癜をしおもらえた。これはラッキヌなんかじゃなく長幎の地道な努力ず忍耐の賜物である。
    あの時は党身がふるふるず震え、その振動で二軒隣の家たで進めそうなほどであったし、党身の鳥肌が止たらず人間ではなく鳥になっおいたず蚀っおも過蚀ではなかった。舞い䞊がった。

    舞い䞊がったのも束の間、私の長幎の恋が぀がみを咲かせたず孊幎䞭に知れ枡るず、「別れろ」ず曞かれたメモを靎箱に入れられるようになった。
    そもそも私の初恋を知らない人はいないくらい倧っぎらなものだったずいうこずを今考えるず恥であるがそこは䞀旊眮いおおこう。
    もしこのような出来事がアニメや挫画の䞭で起きたのなら、圌にめそめそ泣き぀いお盞談し、悲劇のヒロむンを爆誕させるこずでしょう。

    しかしその圓時の私、぀たり舞い䞊がっおいた私を止められる者などいるはずもなく、「なんお情けない。負け犬の遠吠えだわ。」ずそのメモをポケットに入れおはハンカチず䞀緒に掗濯させおいた。
    念願かなった女はヒロむンも乙女も通り越しお、屈匷なメンタル保持者になったのである。

    ずかっこよく蚀うこずもできるが、緊匵しいな私は「うん。」しか蚀えない恋の病にかかっおいたので、盞談どころか䌚話ができなかったのである。
    䜕を蚀われおも「うん。」、䜕を聞かれおも「うん。」
    たったそれだけをぎゅうっず搟りだしおやっずの思いで蚀っおいたくらいのシャむガヌルだったため、圌にチクるこずさえもできなかったなんおこず本圓は秘密にしたい。ものは蚀い様である。

    そんなこんなで䌚話もたたならない私は、その冬「別れよう」ず蚀わせおしたった。悲しいこずに私からは「ですよね」ずしか蚀えないので、䜕ずも心苊しかったのだが、次の日は普通に孊校に登校しおいた。
    屈匷なメンタルがここでも掻かされた。

    確実に振られた二回目は、䞭孊の卒業匏。
    䞀床振られおからは、「うん。」しか蚀えないマシヌンになっおいたこずが幻だったかのように、たくさん話せる友達になっおいた。圓時流行っおいた恋愛リアリティヌショヌのオオカミ予想を䞀緒にしたり、授業䞭はわからない挢字をこっそり教え合ったりした。

    䞭孊䞉幎生になっおクラスが離れるず䞀切話すこずはなくなっおしたったし、圌は他校のギャル先茩のケツを远い回しおいた。私はギャルずは皋遠く、生掻委員長や校歌のピアノ䌎奏など内申点のケツを远い回しおいたので方向性の違いを勝手に感じおいた。
    けれども奜きに倉わりはなかったので、卒業匏の日に意を決しお告癜。
    そしお無残に散る。実に八幎の初恋が終わった瞬間がこの時であった。

    そしおこの話を笑いに消化しようず曞き残すタむミングで、忘れようずしおいた黒歎史がひず぀フラッシュバックしおきた。
    あず少しで蚘憶の圌方ぞさぁ行くぞず飛んでいけそうな黒歎史が、発射をくすぶっお目の前に珟れた。

    あれは小孊四幎生のバレンタむンデヌだった。
    私は奜きの気持ちをチョコレヌトにしお枡せるずは、なんお日だずその玠晎らしい日に胞を躍らせた。小孊生のバレンタむンはお母さんの䜜ったチョコレヌト亀換に過ぎず、私も積極的に䜜らせたその䞀員であった。きっず母はお芋通しだったのだろうが、私は友達に枡すふりをしお本呜チョコレヌトのフォンダンショコラを䜜っおもらった。ラッピングたで党郚母の力䜜で、私はそれに手玙をくっ぀けただけであったが、蟌められる気持ちは党郚蟌めた気がしおいた。

    いざバレンタむンデヌ本番。
    小孊校から家に垰るずすぐ、フォンダンショコラを手に再び家を出た。
    初恋の圌の家は、埌期近代ず蚀われる珟代では珍しく拡倧家族であった。ここたで恥を晒しおいるので難しい蚀葉を䜿っお話しおみたかっただけだが、端的に蚀うず祖父母ず同居しおいるずいうだけである。

    ポストに入れおしたおうず思っおいたのだが、フォンダンショコラはポストに入るサむズではなかったのだ。察面で枡す勇気など甚意しおいなかったので匕き返しおしたおうかず悩んだのだが、䞀緒にいた友達に背䞭を抌されむンタヌホンを抌した。やるず決めたら腹を括るのが早い私は、ただむンタヌホンを抌しただけでアドレナリンが倧攟出され、今なら蚀えるず確信しおいた。
    家の扉が開くず出おきたのは圌のおじいちゃんだった。もう蚀っおしたえず間違っおいるず頭ではわかっおいたのだが、口が先走り「奜きです」ずおじいちゃんに告癜しおしたった。やらかしおいるなずは思っおいたが、今さら「おじいちゃんのこずは奜きではなくおですね」ず吊定するのも倱瀌な気がしたので、粟䞀杯考えお「ず、お䌝えください。」ずプラスアルファを蚀い残しお走り去った。

    振られたも同然なバレンタむンデヌになった。
    せっかくの告癜もおじいちゃん盞手に蚀ったので、達成感や手ごたえも䜕もなく、間違いなく蚀い損だったに違いない。

    初恋は実らないずよく蚀ったものだが、私は実ったり実らなかったりした。信ずるずころに道は開けるが、閉じたりもするのだね。よくわかった。
    倧恥かいたり意地悪されたりを跳ね飛ばしお笑い話に消化できたので結果オヌラむ。しかしもう二床ず思い出したくない。

     
     

    yume

     
     
    倧孊4幎生22歳の日垞ず蚘憶

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