
【創作の思い出】アップルパイになりたいりんごのお話
いざ、りんご農園へ! のはずが・・・
2024年の冬、わたしは青森県弘前市のりんご公園を訪れました。
「アップルパイになりたいりんごのお話」は2023年から書きはじめたのですが、
一年くらい経って物語の骨格が見えてきたころ、
りんごの小説を書くからには、もっとりんごのことを知りたい! と思いました。
不思議なことに、どうして「りんごの小説を書こう!」と思ったのか、
なにかきっかけがあったのか、自分でもわかりません。
ただ、気がつけばこの物語を書くことに夢中になっていました。
わたしは九州生まれ東京在住の教師です。
まいにち職場の学校と自宅を往復する日々。
おおきな移動をするのは、長期休暇中の帰省くらいです。
だからこそ、はじめて訪れた青森県弘前市の開放感あふれる青空と、その空を泳ぐ空気は、
忘れられない、一生の記憶に残るものでした。

写真が下手でごめんなさい
うつくしいりんご農園の風景だけではありません。
町そのものが、りんご色をしているのです。



弘前駅の改札前で「こんにちは!」といってくれるりんご。
ポストのうえで郵便物を見守ってくれるりんご。
時間をおしえてくれるりんご。
この町の方々が、どれだけ愛情をこめてりんごを育ててきたのか、
わたしのこころには重いプレッシャーがのしかかりました。
弘前市のりんご公園には、海外から観光に来られている方もいました。
りんごは世界の人気者なのです。
東京に戻ったわたしは、その後しばらくどうしたらいいのか
わからなくなりました。
「わたしはりんごの何を知っているといえるのだろう?」
「わたしにりんごを書く資格はあるのだろうか?」
そんな疑問に悩まされながら、いつしかりんごを食べることもできなくなって、
キツネとの戦いに勝利したウサギが、おいしそうにバナナを食べている夢を見たりして、
ますます頭をかかえるようになりました。
だけど、この物語を書きたい。
りんご小説を書くからには、その歴史、品種の特徴、環境について知っておかなければならない。
わたしはさらに深く調べることを決意しました。
りんごがくれた本との出逢い
はじめてりんごの文献に向き合う日々。
古本屋さん、本屋さん、ネット書店、Amazon、図書館で、お財布と相談しながら、
りんご素人のわたしにもやさしく読める本を吟味しました。
同様に、物語の要となるアップルパイやじゃがいもについての背景も調べてみました。
相手を知ることによって、創作のなかでもリスペクトが生まれるように感じました。
土日に少しずつ調べ学習と書き直しを繰り返す日々。
あっという間に三年が経過していました。

自分を見つめた三年間
「アップルパイになりたいりんご」を書き終えるまでの三年間、
「もしわたしがりんごだったら、どうするだろう」と考えつづけました。
あらためて、りんごとの出逢いに、ありがとう。

一杯飲んでしまってから、写真を撮るのを忘れたことに気がつきました
全部おいしかったです☆ お皿もかわいい!
「アップルパイになりたいりんごのお話」を読んでくださった方々へ
この本は、自分ではどうにもできない不可抗力に直面したとき、自分が自分のままでいるということがどれだけ難しいことなのか、自分を見失わずに、他者への愛を持ちつづけて欲しいという気持ちをこめて書きました。
子どもたちが、大人になって何かの問題と向き合わなければならなくなったとき、そっと立ち止まって思い出してもらえるような、そんな物語を作りつづけることがわたしの夢です。
この物語を読んでくださり、ほんとうにうれしいです。
ほんとうにほんとうにありがとうございました。
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