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運命は、作れてしまうのかもしれない

    出会いは、もっと偶然のものだと思っていた。

    街ですれ違ったり、
    同じ場所に居合わせたり、
    理由もなく気になってしまうような、そんなものだと。

    でも、もしかしたら。

    あの時感じていた「運命みたいな感覚」も、条件が揃って、タイミングが合って、少し会話が続いただけで、簡単に生まれてしまうものなのかもしれない。

    人はそれを「特別」だと、錯覚してしまう。

    でも、気づけば恋愛は「マッチングアプリ」の中にあった。
    20代前半。私が大人になった頃、それが当たり前の出会い方になっていた。
    名前の通り、やさしい仕組みだと思った。

    数年後には、これが主流になるのだろうと、どこかで予感していた。

    周りの友人に勧められ興味本位で登録してみた。
    けれど、私にはマッチングアプリは合わなかった。画面に並ぶのは、顔写真と、性格や長所が整えられたプロフィール。

    それを見て「いいね」を押せば、出会いが始まる。
    違えば、何も起きないか、静かにスルーされる。
    そこにあるのは、シンプルで、無駄のない仕組みだった。

    でも同時に、少しだけ違和感もあった。
    書かれている情報を信じなければ、何も始まらない。
    けれど、それだけでその人を知った気になることにも、どこか抵抗があった。

    普段の生活の中で出会っていたら、
    きっと話しかけることもなかった人と、自然にやり取りが始まる。
    それは新しい出会いの形で、可能性が広がっているようにも思えた。

    でも同時に、少し不思議でもあった。

    どうして私は、この人と話しているんだろう。
    偶然でもなく、必然とも言いきれない。条件や印象で選ばれた先にある関係。

    その中に、「運命」と呼べるものはあるのだろうか。

     
     
    98' / エッセイ 過去、孤独、出会い、運命 など 誰かの心に静かに残る文章を書けたら嬉しいです ^ ^ いまは本を出版することを目標に、一人でも多くの方に届けたい

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