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Photo bysaiun_new7

愛に飢える時代が来る

    こんなショート動画が流れてきた。



    タイトルはこうだ。


    「まもなくこういう時代になる」





    主人公の女性の傍には

    いつもAIがいた。


    女性は聞く。


    「私は彼のことが好きなの?」



    AIは答える。


    「あなたの心拍数は通常1分間に70回のところ、

    彼に会うと1分間に100回に上がっています(割愛)

    だから、あなたは彼のことが好きな確率が高いです」



    女性は次に聞く。


    「彼は私のことをどう思っているの?」



    AIは答える。


    「彼はあなたのことを、他の女性よりも多く見ています。

    彼があなたを見る表情は、他の女性と比較した時よりも笑顔が多く、体温も上昇しています。(割愛)彼はあなたのことが好きな確率が高いです」



    そうして、

    女性は彼と付き合う判断を下す。


    付き合って

    初めてのデート。


    もちろん、

    AIも一緒だ。


    女性は片耳のイヤホンを通じて、

    AIの指示を仰ぐ。


    彼と会話をしているときも、

    AIと会話をしている。


    女性はAIと事前に打ち合わせをしておく。


    (彼好みの返事を耳打ちで教えて)


    AIは統計上、彼の心をくすぶる言葉を選び出す。


    AIの指示通りに会話をする彼女。







    このようなショート動画だった。




    確かに、

    これほどまでにAIが普及している時代

    そうなることは容易に想像できてしまう。





    一方で、

    一人の息子の母として

    確信する。



    「愛に飢える時代が来る」




    と。





    AIは非常に優秀な技術だ。

    私も愛用している。



    AIは決して悪いものでも

    怖いものでもない。



    一番恐いのは、

    人間が自分の人生の選択まで

    AIに委ねてしまうこと。




    AIはベターな答えを出してくれるかもしれない。


    でも、ベストな答えを出すのは自分しかいない。


    AIは問いに対する解はくれるが、

    自分の人生に責任を持ってくれない。



    人は千差万別だ。

    全く同じ環境、同じ時代で育った人は

    これからも、これまでも一人もいない。


    結局、

    自分を一番理解しているのは自分しかいない。





    一番の理解者である

    自分の思考や判断を放棄して

    AIに自分の人生を委ねる。


    すると、

    ある時ふと思う。



    「一体、私は何者?」


    「人間なの?AIなの?」





    そして、


    「自分は何のために生きているの?」



    人の命が輝きを失ったとき、

    目の前に“死”が浮かぶ。


    AIは教えてくれるだろう。

    死ぬ方法まで。


    「あなたはこういう性格です。

    だから、こういう死に方が一番いいでしょう」



    AIは

    あなたの死を止めてくれるだろうか。


    文言や口調は優しいかもしれない。

    しかし、選ぶ言葉は極めて無機質だ。



    温もりある生身の人間であれば


    「あなたには生かされている意味がある。

     今からあなたの人生を生きなさい」


    と背中を押してくれるかもしれない。






    以前、テレビで見たことがある。


    AI彼氏・彼女という存在がいるらしい。


    AIによって、

    理想の彼氏・彼女がつくれるらしい。



    “理想”だから

    当然、自分の思い通りの存在だ。


    傷つくことは言ってこないだろう。


    心地の良さを十二分に感じられるだろう。


    そういう人?と過ごしていると

    自己肯定感も上がるかもしれない。



    しかし、

    現実は思い通りにはいかない。


    AI彼女や彼氏がいる人ほど、

    その現実に直面して嫌気がさしているのかもしれない。


    けれど、

    人と人が混じり合えば、

    困難・苦難はつきものだ。


    人間として生まれたのであれば、

    それは避けては通れない。


    面倒くさい人間関係を経て、

    自分は練られ、成長していく。



    そうして、気づく。


    今の自分があるのは、

    これまでご縁があった全ての人のおかげだ。



    人の愛情を理解する。




    極めて抽象的だが、

    人は愛情を切り離しては生きてはいけない。


    なぜなら、

    人は皆、母の子だから。


    母親は十月十日もの間

    かよわい、小さな命と共に過ごす。


    いざ出産を迎えて、

    これまで経験したことのない苦しみを伴って、

    やっとの思いで産んだ我が子。


    愛おしくないはずがない。


    我が子を抱きかかえる。

    あの時の産みの苦しみなど一瞬で消え去り、

    無上の愛が溢れ出てくる。


    それが母親というものだ。




    だから、人は愛から生み出された。



    どんな人でも、

    絶対に。


    産むということは、

    それだけ大変なこと。


    愛なくして

    母が子を産むことはできない。



    人は愛から生み出された。


    だから、

    人の人生は愛なくしては生きられない。



    人の愛情は

    AIに取っては代われない。



    人はいつまで経っても

    人に愛されることを望む。



    AIの普及によって、

    人は人の「愛に飢える時代が来る」。


    私はそう確信している。

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