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雨の日の傘




    「雨の日には、傘があると便利ですよ」

    ラジオの番組と番組の間に、1分間の短い番組がある。
    「暮らしのひと口メモ」というその番組は、いつもこんな調子だ。

    「ご飯を食べるなら、お茶碗があると便利ですよ」
    「ペットボトルのジュースを飲む時は、フタを開けると飲みやすいです」
    「目が乾いたなと感じたら、まばたきするのをオススメします」

    要するに「いや、知ってるわ!」というツッコミを心の中でする番組だと思っていた。

    *

    キミはいつも問題を抱えている。
    その心にはいつも雨が降っているんだ。
    シトシトと降る日もあれば土砂降りの日もある。
    いずれにしても僕は、そんなキミに時に共感し、時に解決策を示す。
    キミは僕に感謝をしてくれるし、僕を必要としてくれている。


    まさか「暮らしのひと口メモ」が僕に哲学的な問いをふっかけてくるとは思いもしなかった。

    もしも、キミの心が晴れたとしたら。
    長かった梅雨が明けたとしたら。
    その時僕は、その役目を終えるのだろうか。
    晴れの日に傘を差し出しても、ただの迷惑だ。

    キミには幸せでいてほしい。
    それは本当だ。
    でもその幸せの中に、僕の出番がなくなるとしたら。
    僕はちゃんと笑って「よかったね」と言えるんだろうか。

    やめろやめろ。考えるのはよそう。


    その後も、ラジオからは「暮らしのひと口メモ」が流れ続けた。

    「散歩をするなら、晴れの日が便利ですよ」

    「外に出る時は、靴を履くと便利ですよ」

    「日差しが強い時は、日傘をさすと便利ですよ」



    ……なるほど!


    【あとがき】
    ちょっと調子がイマイチでございます。
    まあ、いつものことと言えばいつものことですが 笑

     
     
    「聞こえるように独り言を」 そんなつもりで、エッセイ的なものやショートストーリーやらを書いています。 当ページはAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

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