
【#9】「自学大仏」を完成させよう!――「自学ノート」ってなんだろう?
「えーっ!」
「やだー!」
「何していいかわからん!」
宿題を「自学ノート」と予定に書いたときのことでした。
5年生でもやっていたようですが、
子どもたちにとっては、あまり気の進まない宿題だったようです。
そこで聞いてみました。
「じゃあ、『自学ノート』って何?」
「自主学習ノート!」
「自分から進んで勉強するノート!」
「ふーん。じゃあ、その勉強って何?」
子どもたちは、少し考え込みます。
そして今度は、
「だったら、先生は、『自学ノート』って、なんだと思うの?」
「自学」のことを、「自主学習」って言ってたけどさあ、
先生は、「自由学習」だと思うんだ!
だから、自分の興味のある内容をやればいい。
科学・絵画・スポーツ・歴史・動物・植物…何でもいい。
教科の勉強だけが勉強じゃない。
自分の興味があることなら、夢中になって調べたくなるだろ?
「えっ?」
そんな顔をしていた子もいました。
そして、ぽつりと一人が言いました。
「先生って、ふつうじゃないよね」
おいおい!(笑)
子どもたちの「やりたい!」を引き出すための「自学ノート」。
「先生、見て!」
「今日もがんばった!」
毎日もってくる子もいました。
強制はしたくない。
でも、少しずつ続けてほしい。
子どもたちの励みとなるような「なにか」を、ずっと探していました。
一人ひとりの「がんばった!」を、ちゃんと形にしたかった。
それが、
「自学大仏」でした。

「自学大仏」とは…。
奈良の大仏を、20ピースのジグソーパズルにしたものです。
① 大仏を切り抜き、裏を向け、20ピースになるように線を入れる。
② 1〜20まで番号を書き入れ、はさみでバラバラに切る。
③ 自学ノートの評価…5点で1ピースを台紙に貼り付けていく。
つまり、100点になると大仏が完成するのですね。
完成まで、およそ1か月。
…いや、1か月は長いか。(笑)
Aランク以上の内容をやってくる子もいました。
そのうち、AA(ダブルA)・AAA(スペシャルA)も追加するかな。
ただ、「自学大仏」を完成させたかったのではありません。
また、競争をさせたかったわけでもありません。
「昨日の自分」より、ほんの少し前へ進んでほしかった。
子どもたちの「やってみよう」を育てたかったのです。
当時は、「競争をさせない教育」が話題になっていた時代でもありました。
だから、点数を付けることには迷いもありました。
それでも、「競わせるため」ではなく、
「学ぶことを続けるきっかけ」を作りたかった…。
子どもは「やりなさい」と言われて動くより、
「やってみたい」と思ったときの方が、大きく伸びる。
私は、今でもそう思っています。
「自学大仏」の仕掛けに、子どもたちがどうなったか…。
【#10】へ続く…