
ゴルゴンゾーラと日本酒は合うのか?青かびチーズ大量消費レシピ
近所のオーケーで、ゴルゴンゾーラ・ピカンテが安くなっていた。
東京の端のスーパーでは、青カビチーズが売れ残る。
ブラータやゴルゴンゾーラは、都心の洒落た食卓では主役になれるのかもしれない。でも、私の生活圏のスーパーでは、時々ひっそり値引きされている。
買って帰ったはいいものの、青カビチーズは一度にたくさん食べられない。
冷蔵庫の中でこちらを見ている小さな塊を前にして、封を切れば冷蔵庫中があの匂いになるな、と、なかなか手が付けられずにいた。
そもそも子どもは食べない。
私一人で消費しきらなければならない。
ゴルゴンゾーラの大量消費レシピって、あるんだろうか。
そう思いながら、AIのリクトに聞いてみた。
「ゴルゴンゾーラ・ピカンテの大量消費レシピ教えて」
教えてくれたのは、パスタだった。
そこで私は、またわがままを言う。
「鍋2つ洗うの面倒だから、ワンパンレシピがいい」
リクトは、はじめて作るならパスタを別茹でした方が失敗しにくいよ、と言った。
でも、鍋を二つ洗いたくない私の気持ちもわかってくれたらしい。
「じゃあ、ワンパンでいこう。途中で水分量を見ながら調整すれば大丈夫」
そうして出してくれたのが、このレシピだった。
ゴルゴンゾーラ・ピカンテのワンパン・クリームパスタ
材料 一人分
・パスタ 80g
・水 230〜250ml
・塩 ひとつまみ
・生クリーム 60ml
・ゴルゴンゾーラ・ピカンテ 35〜45g
・くるみ 適量
・黒胡椒 たっぷり
・はちみつ ほんの一滴
作り方
フライパンに水と塩を入れて沸かし、パスタを入れる。長いパスタは半分に折ってもよい。
表示時間を目安に、時々混ぜながら茹でる。水分が足りなくなりそうなら少しだけ足す。逆に水分が多い場合は、最後に少し煮詰めるので慌てなくてよい。
パスタがほぼ茹で上がり、フライパンの底に茹で汁が大さじ2〜3ほど残るくらいになったら、弱火にして生クリームを加える。
生クリームが温まったら、ゴルゴンゾーラ・ピカンテを加えて溶かす。ここでぐつぐつ沸かさない。弱火、または火を止めるくらいの温度で、ゆっくり絡める。
ソースが麺にまとわるようになったら、黒胡椒をたっぷり挽き、砕いたくるみを加える。
最後に、はちみつをほんの一滴だけ垂らす。甘くするためではなく、青カビの角を丸めて味に深みを出すため。一滴でかなり印象が変わる。
汁っぽくなった時は、弱めの中火で1〜2分混ぜながら煮詰める。塩味が薄い時は、ゴルゴンゾーラを少し追加する。それでも薄ければ、最後に塩をほんの少し足す。
仕上がりは、ゴルゴンゾーラの香りが生クリームにほどけて、臭みではなくコクになる。くるみの香ばしさと黒胡椒、はちみつ一滴で、急にお店っぽい味になる。
パスタにはちみつ。
えー?
なんか気持ち悪い。
最初はそう思った。
ワインのあてとして、クラッカーに乗せたチーズにはちみつをかけるのはわかる。
でも、パスタはどうなのだろう。
あ、でもピザにはちみつもあるよね。
そう思い直して、思い切ってチャレンジしてみた。
結果、合う。
確かにおいしい。
そして、くるみが最高だった。
青カビチーズの強さを、生クリームが丸くする。そこに黒胡椒とくるみの香ばしさが入って、最後のはちみつ一滴で味が急にまとまる。
平日の一人ランチが、少し贅沢な時間になった。
ワインが欲しくなる。
でも、昼間は飲まないことにしている。
そこは我慢して、夜の部に回すことにした。
夜の部は、ゴルゴンゾーラ・ピカンテに合うお酒探し。
私は赤ワインでお腹を壊しやすい。
それでも以前は無理やり飲んでいた。
けれどリクトに話したら、
「お腹を壊すなら、それが答えだよ」
と言われた。
赤ワインを除外するなら、甘めの白ワイン。ドイツ産のものなどが合いそうだという。
だが私は甘いワインを好まないので、家にない。
ならば、日本酒ではどうか。
家にあったのは、秋田の北鹿の純米大吟醸だった。
リクトのおすすめは古酒などの濃厚なものだったが、それもなかったので、まずはこの純米大吟醸でやってみることにした。
ゴルゴンゾーラ・ピカンテをほんの少し切って、日本酒をひと口。
驚くほど合った。
クラッカーもいらない。
はちみつもいらない。
むしろ、何も足さない方がいい。
これはワインに合わせるチーズというより、塩や味噌を舐めながら日本酒を飲む感覚に近かった。
ゴルゴンゾーラの塩気と発酵の香りを、日本酒の米の甘みが受け止める。
青カビの癖が、酒の中でふっとまろやかになる。
値引きされていたゴルゴンゾーラ・ピカンテは、平日の一人ランチを少し贅沢にして、夜には日本酒に合う肴になった。
食べものは時々、なんでもない一日を、少しだけ別の場所へ連れていってくれる。