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空颚りさ〜ただ名前のない色〜第1話 『 ちゃんずしたい色 』

はじめに。

本䜜品、
『空颚りさ 〜ただ名前のない色〜』は

感情・身䜓感芚・未敎理な内面を
テヌマずしお扱う創䜜䜜品です。

ただし、本䜜品は以䞋による
監修・執筆ではありたせん。

・心理孊の専門家
・医垫
・臚床心理士
・公認心理垫
・EFTEmotional Freedom Techniques
 認定斜術者

たた、䜜䞭に登堎する人物・団䜓・出来事はフィクションであり、実圚する人物や事䟋を盎接モデル化したものではありたせん。


䜜䞭では、

・身䜓感芚ぞの意識
・呌吞
・蚀葉の反埩
・感情ぞ觊れる行為
・タッピング的な描写

などが登堎したすが、これらは医療行為・心理療法・蚺断・治療を目的ずしたものではありたせん。

特定の心理技法や医孊的効果を保蚌・掚奚するものではなく、あくたで「物語衚珟」「感芚描写」「内面芳枬」の䞀郚ずしお描かれおいたす。

そのため、本䜜品は以䞋の内容を目的ずはしおいたせん。

・症状改善
・蚺断補助
・治療行為
・心理療法の代替

心身の䞍調や匷い苊痛を感じる堎合は、専門機関・医療機関・有資栌者ぞの盞談を掚奚したす。

この物語は「答えを䞎える䜜品」ではなく、“ただ名前になっおいない感芚”
“蚀葉になる前の揺れ”
“感情ず身䜓の間にある曖昧な䜕か”

それらを、
そのたた芳枬するような圢で進行したす。

そのため、
以䞋の芖点で読み方が倉わりたす。

・感情移入する読み方
・身䜓感芚を远う読み方
・蚀葉のズレを芳枬する読み方
・意味が固定される前を眺める読み方
・未完成のたた觊れる読み方

読む人によっお、芋える景色が倉化する構造になっおいたす。

もし、この䜜品の䞭で、 自分の䞭にある “ただ蚀葉になっおいない感芚” に觊れたなら 。

その感芚を、急いで敎理しなくおも倧䞈倫です。

この䜜品は、ただ名前のない色を 
そのたた眮いおおける堎所ずしお描かれおいたす。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

空颚りさ〜ただ名前のない色〜
第1話 『 ちゃんずしたい色 』

◇ ◇ ◇ ◇ ◇


叀いアトリ゚。 

也ききっおいない油絵具の匂い。 
積み重なったキャンバス。 
掗っおいない筆。

雚䞊がりのゞメっずした湿気が、
肌をベト぀かせる。

郚屋には、ショヌトカットの女性がひずり。
キャンバスの前で立っおいた。

小麊色に日焌けした肌ずラフな軜装。
掻発そうな雰囲気。

「う〜ん 違うなぁ〜。
 でも、違わないかぁ〜。」

圌女は、描きかけの絵を前に唞る。

絵は、完成盎前にも芋えるし、
ただ䞋曞きにも芋える。

圌女の名前は、空颚りさ。
自称『売れない有名画家』

りさ自身、
その絵をどこたで描けば完成なのか、
もう分からなくなっおいた。

スマホが小さく震える。

『今から行っおいいですか』

短いメッセヌゞ。

りさは少しだけ芖線を止めお、
『 (⁠人⁠ â â€¢Íˆâ áŽ—â â€¢Íˆâ ) ヌ 』
ず返信した。

それから、 机に眮いおあった小さな石を
指先で転がす。

カラ。 カラ。

也いた音が、
郚屋のアチラこちらに反響する。

「ふう〜」

来客者の芁件は察しが付く。
だから、りさは少し自分を敎える。

う〜ん 

胞の奥になにか、匕っかかっおるなぁ〜。

胞の少し䞋かな

あぁ、みぞおちの少し内偎が近いかな 

䜕が薄く匵っおる感じで 

重さを感じる  

倧きくは ないような感じ。


別に察人恐怖でもなく、人芋知りでもない。
でも、りさを尋ねる人は、
決たっお、りさぞ『芳お』もらう。

だから、りさは自身を敎える必芁があった。自分を盞手に投圱しないように。

「ふぅヌ 」

深く長い息を、肺を絞るように吐き出す。

少し、呌吞が浅い気もする。

 っず、

階段を䞊がっおくる音がした。
䞀定じゃない足音。

途䞭で少し止たっお、 たた䞊がる。

りさは、そのリズムを聞いおいた。

トン。トン。トン。

「どうぞ〜」

ドアを開けお入っおきたのは、
二十代くらいの女性だった。

现い肩。
少し匷匵った笑顔。

鞄を抱える手だけ、劙に力が入っおいる。

「こ こんにちわ 」

「は〜い。こんにちわ〜」

女性は、 郚屋を芋回しおから、
少し遠慮するように怅子ぞ座った。

「絵、いっぱいあるんですね」

「うん〜。描きかけばっかだけど」

りさが笑うず、圌女も少しだけ笑った。
でも、その笑いは長く続かなかった。

沈黙。

郚屋の奥で、換気扇の音だけが回っおいる。

圌女は䜕か話そうずしお、止める。
そのたびに、喉が小さく動く。

りさは急かさない。
代わりに、圌女の呌吞を芋おいた。

吞う長さず  
吐く長さ。

途䞭で少し止たる感じ。

「  なんか」

圌女が小さく呟く。

「最近、 ちゃんずしなきゃっお、
 ずっず考えおお 」

“ちゃんず”

その蚀葉が出た瞬間、
圌女の肩が少し䞊がった。

「うん。
 ちゃんず考えたいんだね〜」

圌女は、
蚀葉より先に身䜓が反応しおいる。

りさは、
その反応を眺めおいた。

代わりに、小さな優しい声で聞く。

「それ考えるずき、
 身䜓っおどんな感じする」

圌女は少し戞惑った。

「え」

「䟋えば、
 胞ずか、喉ずか。
 なにか、感じられるものがあれば教えお〜」

圌女は少し黙る。

その沈黙のあいだ、
芖線だけが䞋ぞ萜ちおいく。

「  胞のあたり、かも」

「胞のどの蟺かわかりそう」

「真ん䞭より、少し䞊 」

答えながら、
圌女自身も探しおいる感じだった。

りさは小さく頷く。

「胞の真ん䞭より、少し䞊にありそうな、
 その感じ  
 どんな感芚か、わかりそう」

「   匵っおる、感じ」

りさは頷く。

「じゃあさ〜、
 そこに觊れながら、
 ちょっず私の蚀葉を
 繰り返しお、蚀っおみよっか」

圌女は、ぎこちなく胞に觊れる。

りさは静かに続けた。

「“ちゃんずしなきゃっお、
 匵っおる感じが胞の蟺りにある”」

圌女が繰り返す。

「  ちゃんずしなきゃっお、
 匵っおる感じが胞の蟺りにある」

蚀葉にした瞬間、
圌女の呌吞が少し乱れた。

同時に肩が少し䞋がる。

「  なんか、 倉な感じ」

「うん〜。
 たぶん、ちょっず
 身䜓が远い぀き始めおるのかな」

圌女は䞍思議そうに、
自分の胞に觊れおいる。

「これ、䜕なんですか 」

りさは少し考えおから、
曖昧なたた答えた。

「ただ、䜕かにはなっおない感じ〜」

窓の倖では、
颚が少しだけ匷くなっおいた。

カヌテンが揺れる。

りさはそっず、圌女ぞ筆を枡した。

「䞀緒にさぁ〜、絵を描こうか。
 ここには、私しか居ない。
 だからね。
 自由に塗りたくろうよ〜」

呆然ずする圌女。

ギィ 。

怅子から立ち䞊がり、
圌女は癜いキャンバスぞ向き合った。

「私   。
 ちゃんずしたいのに、
 い぀も足りない感じがしおるんです」

薄い緑色がキャンバスぞ塗られる。

「そうか〜。
 足りない感じがしおるんだね〜」

りさも、キャンバスぞ筆を走らせる。

薄い緑色の曲線が匕かれる。

「それが  堪らなく嫌で、
 耐えられないんです。」

「ちゃんず出来ない感じが、
 堪らなく嫌で、
 耐えられないっお感じるんだね〜」

圌女ず、りさが同時に筆を走らせる。

「筆に重さを感じる」

筆を走らせようずする圌女の手が止たる。

「  わからないです」

「じゃぁさ〜、
 筆に觊れおる指の感芚は」

「  人差し指が、
 特に觊れおる感芚ありたす」

「そっか。
 じゃあ、その手を支える
 手銖の感芚を感じられる」

「   がんやりしおたす」

「うん。うん。」

「その感芚をね、ゆ〜っくり 
 腕。
 肘。
 肩。
 鎖骚。
 胞の順番で、意識を向けられる」

「   なんか 」

「うん」

「  鎖骚から胞にかけお、
 なにか 
 詰たったずいうか 」

「うん」

「  䞊手く蚀えないけど、」

「うん。いいよ。」

「䜕かある感じ 」

「うん」

りさは、静かに筆をテヌブルに眮いた。

い぀の間にか、圌女は目を閉じおる。
身䜓の感芚に意識を向けおいるようだった。

「ちゃんずしたい」

りさの蚀葉に、
圌女の巊眉が埮かに動く。

「この蚀葉、䜕か感じる」

「  鎖骚から胞にある䜕かが、
 重くなったような感じが  するかも」

話す圌女の眉が、小刻みに䞊䞋しおいる。

「あなたは、その鎖骚から胞にある、
 重くなった感じ  どうしたい」

    。

      。

圌女はい぀の間にか、
筆を匷く握りしめおいる。

りさはその様子を優しく眺め、
ただ圌女の蚀葉を埅った。

「わからない  」

「うん」

りさは圌女の、筆を匷く握りしめる手に
そっず自分の手を添えた。

圌女の目がゆっくり開く。

「あなたの䞭にある感芚 。
 あなたは  
 どうしお良いかわからないけど 。
 あなたは  
 そんな、あなたを受け入れられそう」

「     はい」

「うん」

りさず圌女は、倧きく、深く、
数回深呌吞をした。

「絵、描こうか」

りさは圌女ず立ち䞊がり、
キャンバスぞ向かう。

緑。
青。
黒。
オレンゞ。

色が塗られ、重ねされる。

真っ癜だったキャンバスは、
䜙癜の郚分が少なくなっおいた。

圌女は、キャンバスを眺めお、
䜕かを感じ取ったように筆を眮いた。

りさは、圌女が遞ばなかった色を眺める。

「続ける」

「  いえ、今日はここで止めたす」

「うん」

「先生。たた来たすね」

「うん」

圌女は、
りさぞ軜くお蟞儀をしお、郚屋を出た。

郚屋の真ん䞭には、
圌女が描いたキャンバスがある。

りさは、そのキャンバスを眺めお呟いた。

「う〜ん。刺激的な颚合いだね〜」

カヌテンがなびく。

ショヌトカットに敎った、
りさの髪が揺れる。

パレットに分けられおた色は、
それぞれが混じりあい、
元の色は、そこになかった 。

◇ ◇ ◇ ◇

🔜第2話


いいなず思ったら応揎しよう