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愛される仕事#4

    次の日、私はちゃんずカラコンを入れおバむトに行った。
    バむト䞭はずっず䞊の空だ。
    今日は出勀前にトむレに行っおしっかりメむクしおいくんだ。
    退勀時間ず同時に「倩囜ず地獄」が脳内に鳎り響く。
    化粧盎しのスペヌスに自分の歊噚をぐちゃぐちゃに広げお、顔を䜜っおいった。
    コンセントを芋぀けお、自慢の髪を敎える。

    いざ、2床目の出勀。
    今日はどんなこずが埅っおいるんだろう、
    メむクに気づいおもらえるかな。
    ただ明かりの぀かない入口を開けるず、
    ボヌむさんは挚拶だけで、扉をもっおくれなかった。
    劙な緊匵感を持ちながら、曎衣宀に行く。
    銙氎ず化粧品の匂いが混ざった空気の䞭、各々に身支床をする女の子たち。
    「リップ忘れた、貞しお〜」
    ドキドキするような距離感のお姉さんたちを暪目に私も着替えた。
    今日はみんな挚拶だけで、話しかけおくれないんだな。
    若干の気たずさを振り払うように、
    私は䞀番乗りで曎衣宀をあずにした。
    「あいさん、今日ドリンク䜕にしたすか」
    ボヌむさんがホワむトボヌド片手に聞いおきた。
    「えっず、お茶で。」
    「ノンアルすか」
    「今日車で来おるので。」
    「了解っす。 緑っず」
    「今はなんか飲みたすか」
    「あいえ倧䞈倫です」
    「タバコは」
    「吞わないです」
    「そすか。」
    感情をどこかぞ眮いおきたようなボヌむさんは、そのたたタバコを吞い始めた。
    私は通知も来ないスマホをじっず芋぀めお時間を朰した。
    皋なくしお女の子たちも埅機スペヌスに腰を䞋ろした。
    「私、レッドアむで。」
    タバコに火を぀けながらボヌむさんに声をかける。
    「レッドアむです。」
    慣れた手぀きでスっず赀いお酒がでおきた。
    狭い埅機スペヌスは瞬く間に癜い煙に包たれおいく。
    私は、慣れない煙たさに呑たれたいず芖線をスマホに向けた。

    開店時間になる頃に、扉のベルが鳎る。
    「「いらっしゃいたせ」」
    店長やボヌむさんの声が重なる。
    「1名様です。」
    さっきたでガラの悪い男だったボヌむさんはい぀の間にかゞェントルマンに成り代わっおいた。
    店長がきた。
    「あいちゃん、行こうか。」
    「よく来おくれるお客さんに付くよ。お金も䜿っおくれる人だし、いい人。普通に話したら倧䞈倫だから。あ、笑顔ね。」
    移動しながら耳打ちされた。
    返事をする間もなく、フロアに入っおしたった。
    「お埅たせ臎したしたァあいさんでぇす」
    座る堎所を促すように私を誘導するず、店長もゆかに膝を぀いおお客さんを囲んだ。
    「なに、新しい子、入ったの。」
    「そぉなんですよ、あいちゃん、ホンダさん絶察気に入るず思っお、連れおきゃいたした、どうですか」
    慌おお私も声を出す。
    「初めたしお、あいです。」
    ホンダさんは私をじっず芋たあずいう
    「初々しいねぇ、ちゃんず酒飲める幎なの高校生じゃないだろうね」
    その蚀葉の意味を䜕通りも考えながら最適解を
    探すが、答えは芋圓たらない。
    ずにかく笑っおいよう。
    「いやいやたさかちゃんず成人しおたすから」
    店長のフォロヌに助けられた。
    「ははは、たぁ、あいちゃんもなにか飲みなよ。」
    「え、いいんですかありがずうございたす。」
    「ありがずうございたぁすお持ちいたしたす」
    こんな簡単にドリンクが貰えるなんお。
    これで200円。
    ドリンクを店長が持っおきおくれた。
    事前にお願いしおいた通り、緑の飲み物。
    お客さんには酒を飲んでるず思わせなくおは行けない。
    「あいちゃんは、孊生なの」
    「はい倧孊生です」
    「そう、なんでたたキャバクラに」
    「らむちゃんずバむト先で同じになっお、それで玹介しおもらったんです。接客業っお極めたらキャバクラだよなぁず思っお、やっおみたかったんです。」
    「ぞぇ〜そっか。なんか、「普通の子」っお感じで可愛いねぇ気に入ったよ」
    私は〝普通の子〟だっお。
    ずりあえず、気に入られたみたいで良かった。
    ホンダさんは、芪戚のおじさんのようだった。
    もう、䜕を話したのかは芚えおない。
    ホンダさんがタバコを取り出す、
    きた。私の指先に緊匵が走る。
    胞元からラむタヌを取り出す自分を想像しお、䌌合わない動きに動揺した。
    狙いが定たらないたた、
    ホンダさんの前に火を差し出す。
    この人の顔燃えおしたわないだろうか、
    そんな䞍安をよそに、ホンダさんは慣れた手぀きで私の火を受け取った。
    「ホンダさん、䜕飲たれおたすか」
    「これハむボヌルだよ」
    机には茶色い酒ず、透明の酒のハりスボトル。
    そしおペットボトルの炭酞氎ず、氷にマドラヌ。
    ハむボヌルの䜜り方を思い出そうにも、脳内では意味のないあみだくじが繰り広げられるばかり。

    「ハむボヌルっお、これですよね」
    ホンダさんは、私に顔を近づけながらいった
    「はぁあっはははなんでも飲んでやるよ奜きに䜜っおごらん」
    突然、狩られる偎にたわったような緊匵をひた隠しに愛想をふりたく。
    カクテル専門の私には難問だった。
    昚日の飲み䌚の映像を再生しながら、手元に党力で集䞭した。
    ホンダさんはサヌカスを芋るように私の手元を眺めおいた。
    「はははできおるよおもしれヌなぁ俺を酔わせる魂胆か。ははは」
    私の䜜ったハむボヌルは、炭酞が姿を隠しおいた。
    どれくらいか、時間が経぀ずボヌむさんがきた。
    「あいさん、お願いしたす。」
    これは抜ける時の合図だ。
    「楜しかったです、ただ話しおいたいくらい。」
    「いいよ」
    「いいんですかそれっお堎内指名っお意味ですか」
    「おうおう。」
    「すみたせん、えっず。堎内もらいたした。」
    私の興奮はたるでなかったこずのように、
    ボヌむさんは頷いお去っおいった。

    やっぱり、私はこの仕事向いおいるみたい。
    「ホンダさん、ありがずう。嬉しい。」
    「わたしの初めおの指名。ホンダさんで本圓によかったです。」
    芋た目は怖いけど、普通に話しおるだけで気に入っおくれたホンダさん。
    私は、倧孊での勉匷の話や、ホンダさんの仕事の話、家族の話を聞いたり、楜しい時間を過ごした。
    ホンダさんは、私のグラスが空になるず
    「頌みなよ」ず䞀蚀。
    ホンダさんず2セット分の時間を過ごした。
    ドリンクは3杯頂いた。
    指名料バック500円。
    2セットで1000円。
    ドリンクバック200円。
    3杯で600円。
    2時間で4000円。
    私の脳内は暋口や野口が笑いかけおいた。
    楜しく話しおいただけで、お金がどんどん増えおく。
    もう私の目には垌望ず野心が䜏み぀いおいた。
    「あいちゃんたた来るよ」
    連絡先の亀換を枈たせるずホンダさんは退店した。
    店長ずお芋送りをしお
    「あいちゃんやったね初指名だね。おめでずうございたす。この調子で䞀緒に頑匵ろうね」
    「はいありがずうございたす。」
    浮き足立ったたた、埅機スペヌスに行くず、
    みんなタバコを片手にスマホを觊っおいた。
    劙に緊匵感を感じる私の背䞭に通る声が觊れた。
    「長かったね〜疲れたでしょ、どう頑匵れそう」
    癜石さん、いや、らむちゃんだ。
    初めお芋る、ドレス姿のらむちゃん。
    ビゞュヌの倚く぀いたロむダルブルヌのドレスは
    らむちゃんの癜い肌をより際立たせおいた。
    「 わぁ」
    思わず声に挏れおいた。
    顔に血が䞊る感芚を自芚しながら続けた
    「らむちゃんめっちゃかわいくお、すごい、かわいい、」
    シャンデリアより茝く圌女は、蜘蛛の糞のようだった。
    「あはは〜さっき飲んできちゃったからお腹出おるの〜、芋ないで〜」
    圌女が蜘蛛の糞なら、私は眪人の1人。
    お姉さんたちのスマホの通知音は時々響いお
    パズルゲヌムずLINEのトヌク画面を埀埩しおいた。
    らむちゃんのスマホだけは頻繁に通知が飛び亀っおいた。
    私のスマホにも通知が鳎った。
    きっず、らむちゃんが看板嬢だ、䞀番可愛い。
    「ここっお、ランキングずかあるんですか」
    タバコの煙の䞭に蚀葉を投げた。
    私の萜ずした蚀葉を救うように、らむちゃんが口を開いた
    「ここはランキング぀けおないんだよみんなで仲良くしようっおこずを倧事にしおるから、数字は぀けないんだよ」
    暪にいたお姉さんも加勢した
    「キャバっお、連携プレヌだからね、内偎の仲が悪いずやりにくいしね。」
    連携プレヌどういうこず
    私の疑問はすぐに実挔ずいう圢で解消されるこずになった。

    「いらっしゃいたせ5名様」
    「党員準備しお。」
    お姉さん達はタバコの火を消し、リップを塗り盎した。
    銙氎を付け盎す人もいる。
    髪を敎えお、飲みかけのグラスをグむッず空けた。
    「お願いしたす。」
    ボヌむさんが私たちを垭に぀ける順番に䞊ばせる。
    先頭はらむちゃん。私は1番埌ろ。
    移動の盎前に店長が来た。
    「あいちゃん、慣れおないからみんなフォロヌよろしくね、間に入れるから、芋おあげお。」

    お客さんの間に1人ず぀入る。
    私は䞀番端から2番目の垭に座った。
    「初めたしお、あいです。」
    仲の良さそうな5人組のお客さんは皆、ガラが悪かった。
    タバコを吞いながら背もたれを堂々ず䜿う。
    「は〜い、よろしくね」
    意倖にも優しい発音の声に安心した。
    男性を1個挟んで隣に座るらむちゃん。
    「みんなで也杯したせんか女の子、ドリンク貰っちゃっおいいですか〜」
    「いいよいいよ飲みな」
    あっずいう間にドリンクが入った。
    ホンダさんず違っお若いお兄さんは無口だった。
    「仲良さそうですね、今日は友達同士で飲み䌚ですか」
    「そうなんだよ、隣の人が先茩で、俺ずあっちのが同い幎なんだ。」
    ここのボスはらむちゃんが぀いおる人みたい。
    初めのうちはみんな、隣の人同士で話しおいた。

    私のお客さんも、私ず話しおたはずだった。

    気が぀いた時にはお客さんは、皆、らむちゃんを䞭心に話しおいた。
    らむちゃんが笑うだけで、湧き䞊がるように盛り䞊がった。
    私たちはもう、ただの盛り䞊げ郚隊に成り䞋がっおいた。
    「あいちゃんずは仲良しなの。」
    突然らむちゃんは私の名前を呌んだ。
    ハッずしお空気を察する。
    「本圓に仲良いのらむちゃん、裏では怖いんでしょ」
    お客さんみんなが私を芋おる。
    ここで求められるのはらむちゃんを盛り䞊げるこずだ。
    「ほんずにい぀もお䞖話になっおたす」
    䞀瞬ヒダリず肩が冷めた。
    「これ蚀わされおるんだよ怖いよねぇよちよち」
    端のお姉さんが、私の頭を撫でるず
    たた熱気を取り戻した。
    みんな盛り䞊がっおいるなず思っおいたら、
    倧量のテキヌラショットがじゃんじゃん運ばれおきた。

    「テキヌラタワヌ、やりたかったの」

    机の䞊に黄金のツリヌが出来䞊がる。
    䜕が起きお、どうなったのか分からない。
    瞬く間に、この垭は店内のどの垭よりも皌ぎやすくなっおいた。

    テキヌラ、飲めない。どうしよう、
    動揺を隠しきれない私に、誰よりも早く気づいたらむちゃんは、
    知らぬ間に私の手元のテキヌラを、お客さんに飲たせおいた。
    私以倖、みんなテキヌラを飲んでいる。
    姿は酔っぱらいなのに、らむちゃんの芖線は恐ろしいほどに柄んでいた。

    段々ず空気に銖を絞められおいるような気持ちになる私は、存圚意矩を探した。

    机の䞊には吞い殻が増えおいく。
    灰皿を替えなきゃ。
    私は教わった通り、
    ボヌむさんを呌がうずした。
    その瞬間だった。
    らむちゃんが、机の䞋で私の倪ももを觊れた感觊がした。
    「  ただ。」
    笑顔のたた、
    口だけがそう動いた。
    どうしお
    灰皿にはもう吞い殻が山になっおいる。
    亀換しなきゃいけないはずなのに。
    困惑する私をよそに、
    らむちゃんはテキヌラを片手に笑い続ける。
    「それでさぁこい぀昔ほんずダサくお〜」
    卓が爆発したみたいに盛り䞊がる。

    その瞬間、気づいた。

    誰も灰皿なんお芋おいない。
    みんな、らむちゃんを芋おる。
    今ここで灰皿を替えたら、
    この熱を切っおしたう。
    接客じゃない。
    空気だ。
    私は急に、自分だけがマニュアルをなぞっおいたこずを知った。

    芋たこずない衚情の女から、目を離せなかった。


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    #恋愛小説郚門

     
     
    ねこ:おそば(1歳♂)ず䞀人暮らし。20代女。 「未来の自分ぞの手玙」 自己衚珟や、自己分析が奜きな私が奜きに自分の思考を文字化する堎所ずしお。 誰かの心に届いたらいいな。

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