深夜のパンドラの箱
みんなが寝静まった深夜1時。
薄暗い部屋でぼんやり光るノートパソコンを見ながら溜息をつく。
右手に置かれたコーヒーカップを手に取り
既に冷めている中身を一気に飲み干す。
ようやく溜まっていた仕事を終えたのだ。
脳内で歓声が湧き上がる。
そして私の休日が始まるのだ。
一杯くらい…いいか…と冷蔵庫を開ける。
先程のノートパソコンの光と異なり私の脳内ではネオン街と同じ煌びやかな光に包まれる。
缶ビールを手に取りながら
某有名ソーセージをフライパンに豪快にばら撒く火力は強火、温まってきたら水を少量加えるのが自分流。
水分が飛んで黒胡椒をこれでもかと
かければ立派なおつまみの完成だ。
待望の完成に歓声が湧き上がる。
パリッとした皮をかみ破れば、
火傷しそうな程チリチリになった肉汁が
口内に吹き出す。
それをキリッと冷えたビールで流し入れるのだ。
仕事を終えた達成感も増して高揚感に包まれる。
幸せだ…
明くる朝
朝日を浴びながら起床する。
1日何をするのか考える。今日は休みだ。
リビングにいる妻に挨拶をするが
どうもピリピリしている。
朝から暗雲だ…
そして一筋の雷が落ちる。
朝ごはんのおかずないよ。
それは静かだが、
大きな幹をも砕き散る威力だ。
ああ…またやってしまった。
今日は妻の機嫌を直すために
休みの1日を使わざる負えない。
まさに開けると災いが降りかかるパンドラの箱は我が家にあったのだ。
最後の希望は既に私の胃の中だが…