『Blue Ivyから読むBeyoncé①』なぜBeyoncéはBlue Ivyをステージへ立たせたのか
1. はじめに
子どもに挑戦させるべきか。
それとも、失敗しないよう守るべきか。
親なら一度は考えたことがあるかもしれません。
学校で学級代表や委員会への立候補を勧められたとき。学芸会や発表会で主役やソロパートを任されそうになったとき。スピーチや合唱コンクールなど、人前に立つ機会が来るたびに、
「まだ早いんじゃないかな」
「傷ついたらかわいそうだな」
と思うこともあります。
私も親として、その葛藤をよく知っています。
2023年、Beyoncéも娘のBlue Ivyをめぐって、ある選択に向き合いました。
『Renaissance World Tour』のステージに立ちたいと言い出したのは、当時11歳だったBlue Ivy自身でした。
しかし、Beyoncéは最初から賛成したわけではありません。後に公開された『RENAISSANCE: A FILM BY BEYONCÉ』の中で、娘から出演したいと言われたとき、最初は「no」と答えたことを明かしています。
それでもBlue Ivyは出演を望み、練習を続けました。そして2023年5月26日、パリ公演で母と同じステージに立ちます。
その姿には大きな歓声が上がる一方、SNSではダンスの硬さを指摘する声も出ました。その中には、Beyoncéの娘だから評価されているだけではないかという、いわゆる「ネポベイビー(nepo baby)」批判も一部にありました。
それでもBlue Ivyはステージに立ち続けます。
なぜBeyoncéは、最初は反対していた娘の挑戦を認めたのでしょうか。
そして、まだ成長の途中にいる娘を世界中の観客の前に立たせるという選択から、私たちは何を読み取れるのでしょうか。
2. ネポベイビー論争の表層
Blue IvyがBeyoncéとJay-Zの娘である以上、「親の影響で得たチャンスではないか」という見方が出るのは避けられません。
実際、パリ公演での初出演直後にはダンスへの批判があり、その一部には、Beyoncéの娘だから評価されているだけではないかという「ネポベイビー(nepo baby)」批判もありました。
もちろん、Blue Ivyが一般の11歳の子どもには得られない環境にいることは事実です。
ただ、それだけで今回の出演を「親の七光り」と片づけてしまうと、見落としてしまうものがあります。
そしてもう一つ、私が気になったのが、Blue Ivyが立った場所そのものです。
それは、Beyoncéが『RENAISSANCE』で黒人やクィアのダンスミュージック、その文化を生み出してきた人々へ敬意を示した作品世界の中でした。
では、そこに次の世代であるBlue Ivyが加わったことを、私たちはどう見ることができるのでしょうか。
ここからは「ネポベイビーかどうか」という問いから少し離れて、Renaissanceという作品の側から考えてみます。
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では、Blue Ivyの出演を「ネポベイビー論争」だけでなく、Renaissanceという作品の側から見てみると、何が見えてくるのでしょうか。
ここからは、Beyoncé自身が『RENAISSANCE』について語った言葉と、Blue Ivyがステージに立つまでの経緯を手がかりに考えていきます。
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Blue Ivyから読むBeyoncé
Beyoncéのステージに立つようになったBlue Ivy。なぜBeyoncéは最初、娘の出演に「NO」と言ったのか。なぜ観客は、批判する…
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