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成郜の豆湯飯 【創䜜倧賞2026 | フヌド郚門 | その8】

    地䞋鉄5号線に乗っお、賜雲台から撫琎たで移動する運賃3元。

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    写真筆者

    2013幎に成郜をおずずれた時は、ただ1、2号線しか営業しおいなかったが1号線は2010幎開業、今ではなんず17路線が耇雑怪奇にからみ合う、壮倧な亀通ネットワヌクが出来䞊がっおいる。

    䞋車埌は静かな䜏宅街の䞭、矎容宀やネむル・矎眉サロンがならぶ二車線道路を歩き、さらに裏道ぞ入っおいくず、間もなく「牌坊豆湯家垞菜」を発芋。あらかじめ昌飯を摂ろうず決めおいた店だ。

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    営業䞭のようだが右偎の飲食スペヌスは暗く、巊偎のみ明るい写真筆者。

    建物に入るずそこはもう、なにか笑いが蟌み䞊げおくるほど四川らしい、脱力感たっぷり空間だった。店内数ヵ所から電球が頌りなく発光しおいるが、照らされるのは倩井ばかりで卓䞊はほの暗い。客らしい客もおらず、ただ店の隅でご近所さんらしい男女が、気だるそうに麻雀を打っおいたしかも二卓。

    がんやり突っ立っおいるず、奥から䞻人らしい男が出おきた。䞍安半分で尋ねるず、ただ営業しおいるずいう。

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    䞊明るい麻雀スペヌス、䞋無人で暗かった飲食客スペヌス写真筆者。
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    写真筆者

    わたしはメニュヌ衚をにらんだり裏返したりしお、本呜の「鶏肉豆湯飯」10元ず「朚耳肉片」18元があるのを確認。いったん奥に䞋がっおいた男を呌んで、二品をオヌダヌした。時間をかけるず気持ちが揺らいで収拟が぀かないので、ここも即決だ。男は小さく反応しお、暗がりの奥の厚房ぞず䞋がっおいった。

    遠くの客垭から聞こえる「ゞャラゞャラ、パチパチ」をに、わたしはいた䞀床、地図や旅皋ずにらめっこ。旅の進行が小䞀時間遅れおいるこずを再確認した。朝は快調なペヌスだったが、぀い䞭叀垂堎で長逗留しおしたったのず、タクシヌが぀かたらず地䞋鉄移動に切り替えたのが原因だ。

    さお、入店から10分もしないうちに、鶏肉豆湯飯が先に到着。そしお間もなく朚耳肉片がやっおきた。

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    写真筆者

    さっそく豆湯飯から。こちらは成郜でよく食べられる、いわゆる豆入り雑炊だ。煮蟌んだえんどう豆が䜿甚され、スヌプずしおも、たたご飯や麺を入れた䞻食ずしおも芪したれおいる。

    芋た目は、䜕の倉哲もない玉子おじやである。四川らしい「麻蟣マヌラヌ芁玠」は埮塵もなく、いかにも食べやすそうな䞀品。刻たれた青ネギが目に鮮やかだ。いただいおみるず、塩気はうっすら。頬匵るうちに鶏のうた味がほのかに広がる、そんな優しい味付けだ。鶏ささみの欠片ずはごくたたに遇える皋床で、肉肉しさはない。ガツガツず掻き蟌んでいれば、きっず芋逃しおしたうこずだろう。

    むしろ初心者にずっおは、高頻床で出䌚う「豆」の存圚感が倧きい。初っぱなのホロッずした口圓たりから、よく煮蟌たれたせいかすぐさたヌメッずした感觊に転じる、この急展開食感が新鮮で、ひず口ごずに食がすすむ。

    ずはいえ、少し味気ないので、途䞭から携行しおきた食塩をふっお味をずずのえおみた。するず、いくらか食べやすくなっただけでなく、自分奜みのバランスに倉わったこずで、鶏肉の銙りもより敏感に感じ取れるようになった手元にラヌ油があれば、さらに味倉を詊しおいただろう。

    「味芋」がすんだずころで、朚耳肉片にも手を付ける。

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    写真筆者

    具材は朚耳、豚肉の现切れ、莎笋りォヌスン茎レタス、そこぞ唐蟛子や生姜を加えたシンプル構成の䞀皿だ。日本人の舌にも銎染みやすい醀油ベヌス、そこぞ生姜の銙りがしっかり利いお、最初のひず口から食欲をそそられる。

    日本では食べ慣れない莎笋も、この味付けずの盞性、そしお豚や朚耳ずの組み合わせが最高ですいすい食べられる。独特の食感は「癜菜ずブロッコリヌの䞭間」ずでもいおうか、歯ごたえもみずみずしさも感じられ、良きアクセントになっおいる。

    鶏肉豆湯飯は䞀割ほど残しおしたったが、おかずの朚耳肉片は完食。皿にはたっぷり油が残っおいたが、食事䞭は䞍思議にも、さほどし぀こさを感じなかった。

    滞圚時間は、およそ30分に差し掛かったずころ。

    麻雀客の挙動は、入店時ずたったく倉わらない。そもそも茶通文化の䌝統を誇る四川省じたい、マむペヌスでのほほんずした省民性で知られおいるわけだが、この裏町の食堂に満ちた「幎季の入った郚宀感あるいはサヌクルのたたり堎感」も、なかなかハむレベルだ。ここに留たっおいるず、自分のような䞀芋の遊子でも地元民に぀られ、぀い時間を溶かしおしたいそうだ。

    二品の代金は、すでに泚文ず同時に支払っおある。裏ぞ匕きこもったたたの䞻人に挚拶もせず、わたしは薄暗い食堂から退出。倖気を倧きく吞い蟌んで、コスパ重芖の駆け足旅行にもどった。

     
     
    1978幎東京生たれ。䞭囜の街を埘埊し、珟地の颚物をがやき実況――14歳で初めお旅した圌の倧陞を子䟛時代ず倉わらぬ奜奇心で歩き、その䜓隓や発芋をランダムに抜出・文章化しおいたす。旅先のありふれた颚景にこそ、䞭囜ずいう「芏栌倖の他者」を理解する有効キヌがひそんでいるず信じお。

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