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100均ハンコに埋め尽くされた小引き出し。残った罪悪感|【エッセイ】日常のスベッたコロンだ

    私はハンコを押すのがとても下手な人です。掠れてうまいこと押せないのです。

    なので、会社で
    「そんなこともできないのか」
    と、怒られていました。

    そして、私はラベルも大好きです。無地のノートにラベルを貼ったりしています。

    昔よく通っていた「Smith」という雑貨屋さんがありました。

    その雑貨屋のSmithで、そういう時に使う「ラベル用のハンコ」と言うのが売っていました。

    少し小さめであまり実用的とは言えなかったのですが、私はときめきました。そういうハンコを見かけたのが初めてだったから。

    その頃ハンコと言ったら、いわゆる事務系の人が使うあて名書きのハンコとか、名前用のハンコ位しか、私は知りませんでした。

    そんな時に「ラベル用のハンコ」に出会ったのは衝撃でした。

    今みたいに、100均でもハンコのしゃれたものが出ている頃とは違い、それなりに高くもありました。

    今そのハンコが手元にあるのですが、よほどその時の値段を覚えておきたかったのか、いつもなら真っ先に外すはずの値札が未だについています。

    今見ても高いと思います。

    だけど私はそのハンコを散々迷って清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったのです。

    家に帰りしげしげとそのハンコを眺め、家にあった黒のスタンプ台にハンコを押しあて、まだ少女だった私は一人紙に押して、ほくそ笑んだのでした。


    時は過ぎ平成から令和と時代が移り、私も変わりました。

    何が変わったって、それがきっかけで私はハンコが大好きになってしまったのでした。

    私が主に買うのはセリアのハンコです。

    セリアの木製のハンコは、「これ100円で良いの?」というハンコが売ってます。時々2個組、3個組なんてあると、「大丈夫?」と問いただしたくなります。

    アンティーク調のハンコが特に好きで店先に並んでいると、滑稽な程迷います。

    そして木製のハンコを買うと恒例になっているのが、余白のゴムの部分を切り落とす作業です。

    これをやらないとスタンプ台にハンコを押し付けた時、余白にインクが付いて、紙に押したときに汚れるのです。

    そんな余計な作業も又、楽しいのです。

    私は実家でいただいた、中くらいの小引き出しを100均ハンコの道具入れとして埋め尽くしてしまいました。

    それを見て、ちょっとだけ罪悪感にかられます。

    もう増やしてはいけないな、これ以上。

    そう今、思っているところなのでした。


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    2026年4月から2年間という活動期間を定め静かな生活を通してエッセイを書いていきます。テーマは記憶や人間関係、心の揺れ、大人の恋愛です。世界がシンプルなものだと分かりたくて文章を書いています。

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