黒いアンブレラ|【エッセイ】日常のスベッたコロンだ
「人は何故黒いアンブレラを差すのだろう」
私は不思議に思いました。
向かい側の坂から降りてくる女性の差していたアンブレラのことです。
先ほどすれ違った男の方も黒いアンブレラを差していました。
これで2人目でした。
以前聞いたことがあります。
人は買い物をするとき、選択肢がたくさんあると結局黒を買ってしまうのだと。
もっと何か色々な事を言っていたように思うのですが、はっきり思い出せません。とにかく黒を買ってしまうのだと言っていました。
でも理屈は良いのです。「何故黒」そう思うのです。
会社に勤めていたとき、雨が降っていたことがありました。
私は新人の社員だったから帰りに皆のごみ箱のごみを集めて回っていました。
今はしないのかな?よく知りません。この頃はそういう時代でした。
あるごみ箱に傘が入っていました。
黒い傘でした。
折り畳みの傘だったから妙に折れ曲がった感じが「こうもり」の様に見えました。
私は迷わずその傘をごみ収集のごみの中に入れました。
そうして帰ろうとしたらその席の男の方が言うのです。
「俺の傘は?」
壊れて捨ててあったのかと思ったので、私はゴミにしてしまいましたが、どうやらフロアに水滴がつかないように、ゴミ箱の中に入れておいた。ということだったらしいのです。
その席の方は肩を落としていました。その後、私がどうしたのかよく覚えていません。
40年ほど前のことです。
「黒いアンブレラ」を見た後
私は用事を済ませて帰りました。
そのことをキッチンに立ちながら記事にしようかしら、でもどんな記事になるというの?
そう思いながら考えていました。
帰り道、雨が降っていました。
でも私は面倒だったので、小雨だから差さないでいいやと思ってアンブレラを巻いた状態で手に持って歩いていました。
よく考えたら私のアンブレラは「黒地に細かい水玉模様」だったことに気付きました。
差さずに手に持っていたから気が付かなかったのでした。
「黒いアンブレラ」
自分の傘が水玉が付いてる付いてないの差こそあれ「黒いアンブレラ」だったことに気付いたとき、「はっ」として、可笑しく思ったのでした。
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