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「サルに恋する秒前」「サル圌にギタヌでラブ゜ング」

    みゆ


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    くるみが倜、髪をドラむダヌしおいたら電話が鳎った。カッキヌだ。

    毎日23時55分きっかりにおやすみず蚀われるが、ただ23時40分だ。

    「あれ 今日は早いね」
    くるみはくしゃみした。
    「颚邪ひいた」
    「ううん、髪濡れおるから」
    「 ごめん」
    「䜕 ごめんお」
    「いや䜕でもない」
    なんだかカッキヌの様子が倉だ。

    「今日はもう寝るの」
    「いや  寝ないけどな」
    「じゃあ䜕で」
    早く電話しおきたのか聞こうずしたら、
    「颚邪ひくずいけないから切るわ。しっかり也かしおな」
    電話は切れた。

    くるみはなんだかモダモダした。
    様子が倉だったし、「おやすみ」っお蚀わずに切った。

    カッキヌは几垳面な人で、電話は毎日きっかり23時55分だ。
    眠かったら出なくおいいず蚀っおくれお、眠っちゃった日が䜕床もあった。
    でもカッキヌはぶれずにきっかりの人だ。
    そしお必ず蚀う。「おやすみ」ず。

    䞀日の終わりに圌の「おやすみ」を聞くのが、くるみの生掻の䞀郚になっおいた。

    23時55分になった。
    「おやすみ蚀い忘れたよ」
    蚀っおやろうず思っお、くるみは電話した。
    話し䞭だった。

    おこずは誰かず電話で話す甚事があり、くるみぞの電話を早めたずわかった。

    別に毎日の電話をくるみが望んだわけではない。カッキヌが勝手に毎日電話しおくるのだ。
    電話を楜しみにしおいる時点で勝手ずか偉そうに蚀えないが

    眠るこずにした。
    しかし人は眠るこずにするず考えた時点で頭が冎えるから、眠るのが難しくなる。
    炊飯噚のセットをしおいない気がしお、確認しに起きた。
    やっぱりセットしおないどころか、お米が切れおいた。

    血液型占いなんお信じないが、くるみのO型は良く蚀えばおおらか、悪く蚀えばおおざっぱず蚀われ、割ず圓たっおいる。
    お米の残量なんお、人生においお些现なこずを気にしない。
    厳密に蚀うず、たたに気にするが、気にしない日が続いおあれ空だずなる堎合がある。今がそれ。
    明日は朝食抜きか。
    眠るこずにした。

    しかし人は眠るこずにするず考えた時点で 。
    うだうだうだ。

    コンビニにパンでも買いに行くか。
    アパヌトから埒歩3分。暪断歩道を枡ったらすぐだ。
    真倜䞭のお散歩。
    ロンTずスり゚ットパンツ。
    もちろん着替えない。

    くるみが欠䌞しながらアパヌトの倖に出るず、カッキヌがバむクのそばに立っおいた。

    「はあ」
    二人は飛び退いた。

    ばったり真倜䞭びっくり

    「寝蟌みを襲いに来たの」

    「そんなわけあるか。䌚うず思っおないんやから」

    「なんでくるみのアパヌトの前にいるの」

    カッキヌは困った顔した。
    「くるみんこそ、なんで真倜䞭に出お来るんや」

    「パン買いに出たの」 
    「ふらふら危ないやろ」
    「ほら、あのコンビニぞ行くだけ。たさかおやすみっお蚀い忘れたから来たんじゃないよね」
    「蚀い忘れたの気づいおたんや」
    「蚀い忘れたよっお電話したらお話䞭だったから」

    カッキヌは目に芋えお狌狜えた。

    「わざわざ来たのっお、電話の盞手ず関係あるの 誰」

    カッキヌは目をそらした。

    「もうクむズずかめんどくさいな。これ以䞊、頭が冎えたら眠れなくなる」

    くるみは暪断歩道の方ぞ歩いた。カッキヌは぀いお来る。
    信号が青の点滅で枡れるず芋お、くるみは走った。

    向こう偎に枡るず、カッキヌは自分の矜織っおいるシャツを脱いで、くるみに抌し぀けた。

    「着たほうがいいっお」
    「なんで 汗くさ」

    「ブラゞャヌしおないやろ」
    カッキヌは真っ赀になっお蚀った。

    「するわけないじゃん。寝おたんだから」
    「気づくっお、みんな」
    「みんなっお誰よ。カッキヌがいやらしい目で芋るからでしょ」
    「確かにいやらしい目で芋る時もあるけど、今はそんな気ないのに、めっちゃ揺れたから」
    「真倜䞭にめんどくさいな」

    くるみはシャツをカッキヌに抌し぀けお、コンビニに走っお入った。
    柿本最平カッキヌは远いかけた。

    くるみはパンを幟぀か遞んで、柿本最平はお客がくるみを芋ないように身䜓でブロックした。

    レゞバむトは倧孊生ぜい男の子で、柿本最平はシャツをくるみの胞あたりに遮った。
    二人はコンビニを出た。

    「䜕なの」
    くるみは路䞊で圌をたっすぐ芋た。

    「ごめんお思っお気づいたらバむクを走らせおた」
    「は」

    くるみは頭が冎えおきた。

    「くるみ、ふられるの」
    「  」
    「女の人ず電話しお、そっちの人のほうが良くなっお、それでごめんお蚀いに来たの」

    柿本最平はあたふたしおいる。

    「嫌だ すっぎんのノヌブラでふられるなんお」

    「いやいや、そんなわけないやろ。俺はくるみんにメロメロンなんやから。すっぎんも可愛いな」

    「じゃあ䜕がごめんなのよ」

    「優先しちゃったから」
    「䜕を」
    「くるみんに電話する時間やのに、あおいちゃんの電話を」

    カッキヌが動揺する時はあおいさんが絡んでいる。

    「怒んないから順を远っお話しおごらん」

    「あおいちゃんから久々にラむンが来お、カッキヌ、テニス䞊手くおびっくりしたずか、詊合に勝たせおくれお嬉しかったずか、くるみんの玠敵な圌氏なのねずか耒めおくれたんや。電話で話さないっお曞いおきお、こっちからかけるっお返信しお」

    「で、くるみの電話をちゃちゃっず終わらせたず」

    「  ごめん」
    「楜しかったの あおいさんずの電話」

    「そりゃあたあ、あおいちゃんが耒めおくれるなんお思わんし。くるみんはクヌルで耒めおくれないしな」

    「耒められたかったのね」

    「耒められたい くるみんに」

    「はいはい。あおいさんずの電話が楜しくお眪悪感があっお思わず来ちゃったの」

    柿本最平は頷いた。

    「眪悪感なんおポむでいいよ。くるみだっお、あの鈎のような綺麗な声で耒められたいよ。くるみなんお眠くおふんふん蚀うだけだもん」

    暪断歩道でカッキヌが手を繋いできた。

    アパヌトの前に着いお、くるみは繋いだ手を振りほどいた。

    「暗いからバむク気を぀けお垰っおね。 どうしたの」

    柿本最平は頬を膚らたせおいた。

    「もう䜕なの 蚀っおごらん」

    「くるみんは、ちっずもやきもちやいおくれないんやず思っお」

    「やいおほしいの」

    柿本最平はそっぜを向いお、いじけた。

    しょうがないな、ずくるみは思った。
    こんな気持ちで真倜䞭にバむクを走らせお事故ったら困る。
    くるみは長身の柿本最平に近づき、䞋から芋぀めた。

    「いい 23時55分はくるみを優先しなくちゃだめ。あおいさんず話すなら他の時間にしおね。気になっお眠れないから」

    柿本最平はぱあっず衚情を明るくした。 
    「じゃあね」
    笑顔で手を振るくるみを、柿本最平は抱きしめた。

    「アパヌトの前は困るっお」

    コンパ垰りの男子倧孊生みたいな子が酔った顔で、こっちを芋ながらアパヌトぞ入った。

    「パンあげる」
    くるみは可愛い゚コバッグからパンを䞀぀あげた。

    「え、䜕で同じの二぀買うかず思ったら、俺にくれるため」
    「しょんがりしおいたから」

    柿本最平は感激しお、くるみを再び抱きしめた。 

    「アパヌトの前はだめっお」
    「5秒だけ」

    1,2,3,4,5

    ✹✹✹

    アリスのティヌパヌティヌ絊湯宀のお茶入れで、くるみずあおいはお喋りした。

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    「昚倜カッキヌず電話でお喋りしたの」
    あおいは慌おた。

    「ごめんね くるみんの圌氏なのに借りちゃっお」
    慌おすぎお、郚長の湯飲みのお茶をひっくり返した。

    「カッキヌはあおいさんのお友達なんでしょ 借りるずか倉だよ」
    「それもそうね」
    「お喋り楜しかったっお」
    「カッキヌが蚀ったの」

    あおいは鈎のような声で笑った。

    「カッキヌっお子䟛みたいね。楜しかったっお報告するなんお」
    「可愛くお憎めないでしょ ねっ」
    「うん。可愛くお憎めない」
    「あおいさんも楜しかった」
    「カッキヌず話すず楜しいの」

    「でも23時55分は電話しないであげおね。くるみにおやすみを蚀う時間なの。眪悪感を感じちゃっお可哀想だから」

    「え だからその時間、様子が倉になっお口数が枛ったのね」

    「眪悪感を感じた時間垯だったず思う」

    「わあカッキヌったら蚀っおくれたら電話切ったのに でも、くるみんはやきもちやかないの 私ずカッキヌが電話でお喋りしお」

    「なんで 誰かず誰かがお付き合いしたら電話でお喋りもだめなの そんなの窮屈で自由がなさ過ぎる」

    䜜戊なんかではなく、くるみは本圓にそう思っおいた。

    「くるみんは氎瓶座だもんね。自由を愛するのね」

    「あおいさんはやきもちやくの もし、くるみが悟流さんず電話でお喋りしたら」

    「うヌん」
    あおいは銖を傟けお女神みたいに矎しく悩んだ。
    「䟋えばどんなお喋りするの」

    「悟流さんの絵が倧奜きだから絵の話ずか、サルみたいにすばしっこくお尊敬しちゃうな、ずか」

    「だったら電話のお喋りオッケヌかな。絵の話ずかサルの話なら」

    「本圓に なら朚山悟流さんの電話番号教えおくれる」

    くるみはお願いポヌズをした。


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    あおいは人差し指を頬に圓おお、顔を優雅に斜めにした。

    「圌女が圌氏の電話番号をはいどうぞっお、他の女の子に教える人がいるかなあ」

    「䞖界のどこかにはいるず思うの。お願い」
    「ごめんね。可愛いくるみんのお願いでも聞けないわ」
    「  」
    「さずるんが自分で教えるんなら仕方ないけどね。私もカッキヌずお喋りしおるんだもん」

    「本圓に」
    くるみは胞が高鳎った。

    ✹✹✹

    くるみが垰ろうずするず、あおいが残業しおいた。

    「あおいさん手䌝おうか」
    「ありがずう、倧䞈倫」
    「頑匵っおね」
    くるみが垰ろうずするず、
    「今日はさずるんに䌚えないなあ」
    あおいが残念そうに蚀った。
    「え、悟流さんず埅ち合わせしおるの」
    「䌚瀟垰りにい぀も公園を通るの。倧きな朚の䞊で、さずるんは絵を描いおいるから」

    「あの倧きな公園」

    くるみはびっくりした。
    駅に行くのに公園の脇の道を通り、園内を歩いたこずはない。

    考えおみれば、朚山悟流の画廊は公園の近くだ。
    悟流の仕事の拠点ずなっおいるのが腑に萜ちた。

    「さずるんず出䌚ったのもあの公園なのよ」
    「え、どうやっお」


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    「広末涌子のマゞで恋する5秒前っお知っおる」
    「うん、お父さんずよく歌った」
    「あの歌をサルに倉えお、サルに恋しちゃいそうな玄束の5秒前♪っおさずるんが歌っおね、膝たずいお花䞀茪くれたの」
    「ええ」
    くるみは驚いた。

    朚山悟流がそんなこずをしたのか。矚たしすぎる。

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    くるみはあおいに思い切っお聞いた。
    「垰りに公園を通っお、ちょこっず絵の話ずかサルの話をしちゃだめ」

    「いいわよ。絵の話ずかサルの話なら。私が残業だっお䌝えおね」

    「はい䌝えたす」
    くるみはオフィスを飛び出した。

    ドキドキしながら公園ぞず歩いた。぀いに朚山悟流ず䌚っお電話番号を聞くのだ。

    くるみは倧きな朚を探した。

    いた
    朚山悟流が朚の䞊でスケッチブックに絵を描いおいる


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    身䜓䞭をトキメキの電流が走るのを感じた。

    するず朚山悟流より幎䞊の女性が走っおきお「トむレ遠かったぁ」ず蚀った。

    朚山悟流はするするず朚から䞋りお、「描くの再開しおいい」ず蚀い、幎䞊の女性がりッキッキずサルの真䌌しお悟流を笑わせた。

    幎䞊の女性は悟流を脇にサポヌトさせ、朚を登っおいった。

    あの人は朚登りの絵のモデルだ。

    絵の衚情は猛獣みたいだが、さっきの圌女は自然な衚情なので気づかなかった。
    絵の䞖界の朚登りさんず、それを描く朚山悟流を芋られるなんお興奮した。

    くるみはスケッチする朚山悟流の埌ろに回り蟌んで、絵画の䞖界を鑑賞した。

    朚登りさんは猛獣みたいな顔しお登っおいく。

    くるみは朚登りを芳察し、スケッチブックを芗き蟌み、圌の絵が生たれおいく瞬間をうっずり眺めた。

    朚山悟流が気配を感じお振り返った。
    「あれ、くるみちゃん」
    「ごめんなさい、邪魔しちゃっお」

    「誰」ず朚登りさんが聞いた。
    「あおいちゃんの䌚瀟の埌茩のくるみちゃん」
    「あおいさんは残業です」くるみが蚀うず、
    「そうなの」
    朚登りさんが䞋りおきた。
    「あおいず䜕か食べお行こうず思ったけど、そろそろ垰ろうかな」
    「お疲れ様。ありがずう」
    朚山悟流はねぎらい、
    「あおいちゃんの姉の緑子さん」ずくるみに玹介しおくれた。

    くるみは「あおいさんにい぀もお䞖話になっおいたす」ペコンず頭を䞋げた。
    緑子も応じお、「じゃ垰るねぇ」ず垰っお行った。

    「くるみちゃん、どうしたの」

    くるみは深呌吞しお䞀気に蚀った。

    「絵の話ずサルの話をしたいので電話番号教えおください」

    朚山悟流は笑った。
    くるみには䜕がおかしいのか、さっぱりわからない。

    「いいよ。はい」
    朚山悟流は名刺を枡しおくれた。
    メヌルアドレスや電話番号が曞いおある。

    くるみは嬉しすぎお震えた。


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    朚山悟流は「くるみちゃんの番号教えお」ずスマホに登録しようずした。くるみは感動しながら䌝えた。

    「サルの話っおなんだろう 楜しみだなあ」
    朚山悟流は悪戯っぜく笑った。


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    「そうだ、朚登り教えおあげようか」
    「教えお」

    くるみはさっき朚登りさんを芋お孊習したので、朚山悟流の蚀う通りに手足を動かし、途䞭の䜎いずころたで登っお腰掛けるこずができた。

    「凄いな、くるみちゃん」
    朚山悟流が興奮した。


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    「ちょっず埅った」
    走っおきた女がいた。
    緑子だ。

    「朚登りは私が䞻圹よ 通行人Aが暪取りしないで」

    「くるみはヒロむンです」

    はあずいう顔する緑子に、
    「自分の人生の」くるみは朚の䞊で蚀った。

    緑子は「朚登りシリヌズ亀代するの 私はお払い箱なの」ず悟流に詰め寄った。

    「緑子姉さんをお払い箱なんお、ずんでもない。芞術は99人に嫌われおも、䞀人の心をぐっず぀かむのが玠晎らしいんだ」

    「私は99人に嫌われちゃうの」

    「䞀人の心をぐっず぀かんだんだよ。緑子姉さんの絵にファンができお二枚も売れた」

    朚山悟流は緑子の手を握った。
    「思った通り玠晎らしいモデルだ、緑子姉さんは」

    緑子はりキりキ嬉しくなった。
    「私のファンっおどんな人」

    「動物園の飌育員さん。飌育しおいる猛獣ずそっくりな衚情に惚れ蟌んだっお」

    「飌育しおいる猛獣っお䜕 やっぱり蚀わないで」

    朚山悟流は倧朚を振り返っおびっくりした。
    くるみがどんどん䞊ぞ登っおいたのだ。
    「くるみちゃん危ないよ」

    くるみは足を滑らし、萜ちそうになった。
    朚山悟流はするするず登っお、
    「くるみちゃん、俺の銖に手を回しお」
    自分に抱き぀かせ、怖くお泣きべそになったくるみを支えながら慎重に降りお行った。


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    「ほら、朚登りを甘く芋るから」
    緑子が蚀った。「ただただ私の域には達しないわね」

    着地したくるみは朚山悟流に抱き぀いお泣いた。
    悟流はくるみの背䞭をさすった。

    「くるみん、䜕しおるの」
    あおいが珟れた。残業が早く終わったのだ。
    「絵の話ずサルの話をするんじゃなかったの」

    くるみはびっくりしお朚山悟流から
    飛び退いた。

    「あおい、萜ち着いお。浮気じゃないっおば」
    緑子の声も聞こえず、あおいは嫉劬で興奮しおいる。

    あおいは悟流に「䜕でくるみんず抱き合っおるの」ず問い詰めた。
    悟流は困ったような顔をした。

    くるみは朚山悟流を困らせおいるず思い、堎を和たせたかった。
    頭に浮かんだのが、緑子が悟流を笑わせたギャグだ。

    りッキッキ
    くるみは党力でサルの真䌌をした。
    緑子がやったサルの顔ず、手足を動かすサルの動きだ。
    りッキッキ

    緑子が声を出しお笑った。
    あおいも぀られお笑った。

    くるみは道化を挔じお朚山悟流を芋た。圌は笑っおいない。心配そうな顔だ。
    その瞬間、くるみは猛烈に恥を感じた。
    顔が真っ赀になり、走っお逃げ出した。

    「あの子、私の真䌌しお朚登りしたら萜ちそうになっお泣きべそかいたのよ」
    緑子はあおいに説明した。
    「なんか無理しお笑いをずっお痛かったね。恥ずかしくお逃げちゃったのかな」

    「私がやきもちやいたから」
    あおいは悟流を芋た。
    悟流は(そうかもね)ずあおいに優しい笑顔を芋せた。

    「くるみんに恥ずかしいこずさせちゃった」
    あおいは远いかけようずしお、芝生に足を取られお掟手に転んだ。

    悟流は野に咲く花を䞀茪摘み、スケッチブックを持っお朚の䞊に登った。  

    朚の䞊で悟流はさらさらっず絵を描いた。

    「ドンマむ」
    悟流が朚の䞊から声をかけた。

    あおいが芋䞊げる。
    緑子はあおいを立たせた。

    悟流はスケッチブックを持っお朚から飛び降りた。

    1、2、3、4、5♪
    サルに恋しちゃいそうな
    玄束の5秒前♪

    悟流は広末涌子のマゞに恋する5秒前の替え歌をサルで歌っお螊っお、さっずあおいの前に膝たずいた。

    描いたばかりのスケッチを芋せる。
    悟流があおいに膝たずいお花を枡す絵だ。

    悟流はあおいに野の花を枡した。


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    (出䌚った時のあれだ)
    緑子が喜んだ。

    あおいは花を受け取り、嬉しくおダむブするように悟流に抱き぀いた。

    緑子は効のあおいが嬉しそうなのず、噂の出䌚いのパフォヌマンスが芋られお嬉しくお、手が痛くなるほど拍手した。

    ✹✹✹

    くるみはりッキッキの恥を抱えお家に垰り、亡くなった父ず匟きあったギタヌを觊った。

    くるみが浮かない顔をするず、お父さんは「リク゚ストは」ず聞いお䜕曲も匟いおくれ、䞀緒に歌った。
    今はひずりがっちなので自分で癒すしかない。

    眠る時間になっおもベッドぞ行く気にならず、ギタヌを匟いた。
    23時55分になり、カッキヌから電話がきた。

    「もしもし」
    「あれ 声がはっきりしおる。眠くないし暪になっおないんやろ」 
    「うん。眠くならないし暪になる気がしない」
    「なんかあった」
    「生たれお初めおギャグをやっお道化を挔じたら恥ずかしくお虚しくなったの」
    「滑ったのか」
    「3人のうち二人笑った」
    「スゲぇな、くるみん。初めおギャグやっお、その成果ずは」
    「笑わない䞀人の芖線に恥ずかしくなったの」
    「初挑戊でパヌフェクトを狙っおたんや どれだけ完璧䞻矩なんや どんなギャグ」
    「動物の真䌌」
    「なんの動物」
    「秘密。あああギャグなんおやりたくなかったぁ」
    「やりたくないのにやっちゃうのが、くるみんなんやな」
    「アホのくるみ」
    「埅っおろ。もっずアホな奎連れお行くから」
    「は」
    「眠れそうなら眠れ。眠れなかったらアホを芋おから眠れ」
    電話が切れた。

    いったいカッキヌは䜕を蚀っおるんだ
    こんな真倜䞭に誰か連れお来られおも迷惑だ。

    ✹✹✹

    柿本最平カッキヌはバむクを走らせ、くるみのアパヌトに行った。

    圌女は寝おいるかもしれない。
    それならそれで眠れたんなら良かった。
    小石を拟っお、くるみの二階の窓に投げおコツンず圓おた。

    くるみが窓から顔を出しお芋䞋ろした。


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    「カッキヌ」

    柿本最平はシヌッず口に指を圓おた。

    真倜䞭の静けさをたずったカッキヌは、お排萜なゞャケットを着お二枚目颚の䜇たいだ。

    カッキヌはくるみを芋䞊げお投げキッスし、ファッションモデルになったみたいに、いろんな栌奜぀けたポヌズを決めおいった。

    真面目にナルシストぶるから、くるみはじわじわ面癜くなっおきた。

    カッキヌはゞャケットを埌ろから匕っ匵られる挔技をしおゞャケットを脱ぎ、垜子をかぶった。
    するず急にオチャラケた顔をしお倉な動きをしだした。

    ぀たりお排萜なゞャケットを着お栌奜぀けたナルシストのカッキヌAず、垜子をかぶったオチャラケたカッキヌBが、二人いるようにパントマむムを挔じおいるずわかった。

    オチャラケたカッキヌBは、リヌドが぀いた犬のぬいぐるみを出しお、散歩に連れお行こうずするが蚀うこずを聞かず、自分が犬に匕っ匵られお尻もち぀く挔技をした。
    犬の前で正座しおお願いし、たた散歩に行こうずするが匕き戻されお転んだ。
    挔技が䞊手すぎお笑うずいうより、くるみは魅入っおしたった。

    垜子を脱がされる挔技をしお、ゞャケットを着たカッキヌAが、たたナルシストのポヌズをし、今床はずびっきりセクシヌなポヌズをした。
    くるみは声を出しお笑った。

    アパヌトの䜏人のおじさんが邪魔だずいう感じに通っおきお、カッキヌは玠で「あ、すみたせん」ペコリずするので、くるみはめちゃくちゃ笑った。


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    「アホな奎を連れお行く」ず蚀ったが、AずB、どっちがアホな奎かわからない。
     
    カッキヌがスマホを掲げた。
    電話がかかっおきお、ゞャケットのカッキヌが「おやすみ」ず蚀った。

    おこずは、犬を連れたカッキヌBがアホな奎で、ナルシストのカッキヌAはカッキヌ本人の圹だったのだ。
    たすたすおかしくなっお、くるみは笑った。

    ナルシストのカッキヌはゞャケットのポケットからプッチンプリンを出しお掲げ、アパヌトの階段を登っおきた。
    くるみはドアを開けた。

    カッキヌは「くるみん姫、どうぞ」ずナルシストぶったたたプリンをうやうやしく差し出し、くるみが受け取るず階段を駆け䞋りた。

    くるみは窓からカッキヌを芋送っお笑顔で手を振った。

    お排萜なゞャケットを着たカッキヌはただナルシストになりきっお、決めた衚情で投げキッスした手を高くあげお、バむクに乗っお垰った。

    蚀うこずを聞かないぬいぐるみの犬はリュックの䞭なんだろう。

    くるみは真倜䞭のプッチンプリンを食べお、幞せに包たれた。


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    ✹✹✹

    翌日、くるみはカッキヌのバむクに乗っお遠出した。
    カッキヌの埌ろは安心できるし、颚を切っお爜快な気分だ。


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    郊倖の公園で倧きなブランコを芋぀け、䞊んで揺られおお喋りした。


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    「今日のくるみん、めっちゃ可愛いな。髪型倉えた」

    「髪を巻いおみたの。なんずなく気分で」

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    䞀人暮らしで家賃があるので、矎容にお金をかけられない。

    くるみは二千円カットのお店にすごく技術の䞊手いお兄さんを芋぀け、二か月に䞀床髪をカットしおもらっおいるず話した。

    「そんなにカットの技術があるなら、䞊のランクの矎容院に匕き抜かれそうなもんやけどな」

    「人芋知りな感じの人なの。二幎通っおも䞖間話したこずないもん。でもいいの。お喋りなんお必芁ないし」

    「じゃあ、もし料金もカットの技術も同じなら、楜しくお喋りしおくれる矎容垫のお店に行く」

    「うヌん、今のお兄さんを気に入っおるから倉えないず思う」
     
    カッキヌはしょんがりした。

    「なになにどうしたの」

    「くるみんはお喋りな男が本圓は奜きじゃないんや」
    「なんでそうくるの。カッキヌのお喋りは楜しいよ」
    「俺からお喋りを取ったら、なんも良いずころがないやろ」

    「そんなこずないよ」
    くるみはブランコに座るカッキヌの前に立っお、圌を真剣に芋぀めた。

    「カッキヌは優しくお頭も良くお真面目で面癜くお、たあたあカッコ良くお、めったにいない玠敵な人だず思っおる。くるみが料理を倱敗した時も矎味しいっお党郚たいらげおくれたでしょ。毎日おやすみっお蚀っおくれお、萜ち蟌んだら真倜䞭でも駆け぀けおくれお。カッキヌの良いずころはたくさんあるよ」

    カッキヌがブランコからゞャンプしお嬉しがった。

    「くるみんに぀いに耒められた」

    くるみは真っ赀になっおカッキヌを睚んだ。
    「わざず蚀わせたでしょ」

    カッキヌは悪戯っぜく笑っお、
    「たあたあカッコ良いっおいうのはちょっずガッカリやな。あおいちゃんには、めちゃくちゃカッコ良いっお蚀ったんやろ」

    「あれはあおいさんが倧げさに盛ったの」

    「本圓は蚀ったんやろ」
    「蚀っおないっお」

    カッキヌはくるみをブランコに座らせ、笑顔で思いっきり抌した。

    「やり過ぎ」
    カッキヌに抌されおすごく揺れお、くるみは楜しいような怖いような倉な気分になっお空を芋䞊げた。

    カッキヌの明るくたっすぐな心のように、空は青く柄み枡っおいた。

    耒められお喜ぶ圌に察しお、くるみは眪悪感を感じた。

    でも蚀ったこずは嘘ではない。本心だ。
    むしろ本心で蚀った自分に自分が䞀番びっくりしおいる。

    カッキヌず過ごす時間は枩かく楜しく尊い。
    でも 。

    くるみのスマホの電話が鳎った。

    カッキヌに芋えないように、誰の電話なのか確認した。
    朚山悟流だ。

    くるみはブランコから飛び降り、走っお行っお電話に出た。

    カッキヌは遠くなったくるみの埌ろ姿を芋぀めた。

    ✹✹✹

    くるみは朚山悟流から電話を貰った翌日、有絊䌑暇を取り、画廊に行った。ギタヌケヌスを背負っお。

    画廊ぞ行っお欲しいず蚀われたので、公園で絵を描く圌に䞍意打ちに䌚いに行く前に寄った。
    しかし入る勇気が出ない。

    画廊の髭のオヌナヌには、ヌヌドモデルの件を知られおいるだろう。
    恥ずかしくお合わせる顔がない。

    そしおもう䞀぀、䞭に入れない理由は、朚山悟流が描いた猿ずいう題のお気に入りの絵森の自画像が売れちゃっおいたらず思うず、哀しみを受け止める自信が無い。

    くるみは画廊の前を悩んで行ったり来たりした。

    ギタヌケヌスを背負っおうろうろする女の子を眺めた人物がいる。
    鈎村朔だ。


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    有絊䌑暇で、朚山悟流ず公園で将棋を指そうかなず思っお来おみた。

    ひょっずしたら「海で飛車になる」の絵が画廊にあるんじゃないかず思っお寄っおみた。

    悟流に乗せられお、海で男のビキニの氎着を着せられポヌズを取らされモデルになったのだ。

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    圌の画家ずしおの才胜を認めおいるので、承知したわけだ。

    もし絵が画廊にあった時、自分がモデルだず気づかれないよう、鈎村朔は床の入っおないメガネをかけお倉装しおきた。

    ギタヌケヌスを背負った女の子に声かけた。
    「䞭に入らないの」

    圌女はびくっずしお鈎村朔を芋あげた。倧きな瞳が可愛い子だ。

    圌女は顔を暪にブンブン振っお䞋がっお行った。
    鈎村朔は画廊に入った。

    オヌナヌは朚山悟流を掚しおいるのか、䞭倮に䜕枚も圌の絵が食られおいた。
    「海で飛車になる」は無くお、鈎村朔はほっずしたような残念なような気がした。

    あおいず思われる情熱的な矎女の絵や、朚登りしおいる猛獣みたいな女の絵もあった。

    「朚山悟流の新䜜なんですよ」
    髭のオヌナヌが鈎村に絵を指した。

    躍動感溢れるテニスしおいる女の子の絵で、数枚食られおいた。


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    「熱が入っお䜕枚も描いおいるんですよ。テニスの圌女を」

    たった今画廊の前にいたギタヌを背負った女の子だった。

    鈎村朔が画廊から出るず、ただ圌女がうろうろしおいた。

    自分の絵を芳るのにそんなに勇気がいるんだろうか
    裞䜓画じゃあるたいし。

    メガネの若い男の芖線を感じお、くるみは画廊ぞ入るのはやめようず思い、公園ぞ歩いた。
    早く朚山悟流に䌚いたい。

    公園の入り口にさしかかった時、メガネの若い男が぀いおくるのがわかった。
    くるみは振り返った。 
    「ナンパですか」

    鈎村朔は心倖だずいう顔をした。
    「はあ 目的地が同じなだけだよ」
    朚山悟流の絵のモデルだから、圌女の行く先も悟流だず予想できる。

    「じゃ俺が先に歩くね。絶察぀いおくるなよ」

    鈎村朔はお返しに意地悪を蚀っお、くるみの前を歩いた。
    公園を歩きながら芖線を埌ろにやるず、困ったように圌女は぀いおきた。

    倧朚を遠くから眺められる堎所に着くず、鈎村朔は振り返っおメガネをさっず倖した。

    「朚山悟流に䌚いに来たんでしょ 俺も同じ」

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    くるみは2぀驚いた。
    メガネを倖したら、めちゃくちゃ栌奜良いこず。メガネでギャップを狙っおいるんだろうか
    2぀目は䜕で私が朚山悟流に䌚いに来たずわかったんだろう

    そしお、くるみはがっかりした。
    せっかく二人きりになれるず思ったのに。
    めちゃくちゃ栌奜良い人だが邪魔でしかない。
    鈎村朔はくるみの衚情を芋お察した。
    「䞀時間くらい公園をぶら぀いおから行くよ。お先にどうぞ」

    くるみはぱっず衚情が明るくなった。
    「ありがずう」
    くるみは倧朚ぞ走っお行った。

    走るくるみが芋えお、朚山悟流は朚の䞊から降りた。

    「くるみちゃん、どうしたのギタヌなんか持っお。䌚瀟は」
    「有絊ずっちゃった」
    「画廊ぞ行った」
    「勇気でなくおただ」
    「えっずラむブか䜕かの垰り」
    「悟流さんにラむブしたいの。創った曲があるから」
    「えっ俺に」
    「埌でね。ちょっずお喋りしおいい」
    「いいよ」
    芝生の䞊に二人で䞊んで座った。


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    「ギタヌ匟くんだ」
    「お父さんずよく䞀緒に匟いお歌ったの」
    「どんな曲」
    「広末涌子のマゞで恋する5秒前も、よく歌った」
    「 」
    「あおいさんず出䌚った日に歌ったんでしょう サルに恋しちゃいそうなっお、膝たずいお花䞀茪枡しお」
    「うわあ あおいちゃん喋ったんだ。恥ず」
    朚山悟流は照れお赀くなった自分の頬を叩いた。

    「歌うのは埌でね。絵を教わっおもいい」
    「カッキヌに教わればいいのに」
    「朚山悟流に教わりたいの。だめ」
    「カッキヌやきもちやかないかな」
    「きっずやくから蚀わない。他にも蚀っおないこずあるし」

    裞䜓画のこずだ、ず朚山悟流は思っお、なおさら顔を赀くした。

    「私ね、noteに小説を曞いおるんだけど挿絵を描きたくお。描いおみたんだけど」
    くるみは人物のむラストを芋せた。
    朚山悟流はその絵を芋お、䜕ず蚀っおいいかわからない衚情をした。

    「これは誰」
    「ヒロむン」
    「面癜い女の子の蚭定」
    「可愛い女の子の蚭定」
    朚山悟流は目をパチパチさせた。

    「この絵を芋お笑わない人、初めお」
    「他の人は笑ったの」
    「他の人には芋せおない」
    朚山悟流は笑った。
    「今笑ったのは絵を笑ったんじゃないよ。くるみちゃんが面癜くお」
    「蚀ったでしょ。喋るずポンコツだっお」

    朚山悟流は改めおむラストを芋た。「マゞで感想蚀っおいい」
    「どうぞ。お手柔らかに」

    「ヘタりマっおいうのかな 味のある面癜い絵を描くね」

    「それっおほめおるの」
    「ほめおるよ。くるみちゃんの絵は蚘憶に残る絵だね。埌を匕く。それっおすごいよ」
    「ほめ蚀葉だず信じるね」
    「ちょっず小説読たせお」
    「読んでくれるの」

    くるみはnoteの自分のペヌゞを芋せた。

    悟流は読み終わり、
    「面癜かった どんな顔の男にする ヒロむンの恋の盞手」
    ず玙を出した。
    「え 描いおくれるの」

    くるみは迷ったが思い切っお蚀った。
    「サルに䌌た顔の人がいいな」

    朚山悟流はサル䌌の男の絵を描いた。
    「挿絵にしおいいよ」
    「嘘でしょ」
    「俺の名前は出さないでね」
    「はい。うわあ 玠敵すぎる」
    くるみは貰った絵を胞に抱いお感動にひたった。

    「そろそろラむブが聎きたいな」
    くるみは立ち䞊がり、倧きく深呌吞した。

    「え、緊匵しおる」
    「うん。めちゃくちゃ緊匵しおる」


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    くるみは息を敎え、ギタヌを抱えお倧きな朚の前に立った。
    たった䞀人の芳客のために。

    息をふうっず吐くくるみ。
    やりきる芚悟をした。
    「えっず、初めお歌詞を曞きたした。たず最初は、メロディヌを広末涌子のマゞで恋する5秒前に乗せたす。サルに恋する5秒前」

    んずなる朚山悟流。

    構わずギタヌをならし歌うくるみ。声が綺麗で䞊手い。



    【サルに恋する5秒前】

    【1】
    1、2、3、4、5 (英語)♪
    朚の䞊でスケッチしお 情熱的な絵を描く
    サルに䌌た画家のあなたに 初めおの恋をした
    朚登りを教わっお 朚から萜ちそうになる
    私を抱きずめおくれた 倕暮れの公園で
    💕ずっず前からサルのこず めちゃくちゃに奜きだった
    きっず私に来るチャンス 信じおるの 🐒🙊
    くるみちゃんず笑っお すばしっこく走る姿に
    サルに恋しちゃいそうな 初恋の5秒前♪


    朚山悟流は攟心しおいるが、くるみは構わず先を進める。

    「次はくるみが䜜曲したメロディヌに乗せたす。䜜詞䜜曲 桜野くるみ。サルに恋する5秒前」


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    【2】初めお䌚ったあの日 俺を捜しおいるの
    远いかけおいった私に 悪戯っぜく埮笑んだ
    テニスでペアを組んで 䞀緒にボヌルを远った
    わざず負けたず思ったら 哀しくお睚んでた
    💕ずっず前からサルのこず めちゃくちゃに奜きだった
    きっず私に来るチャンス 信じおるの 🐒🙊
    君の絵を描いおいい 手を握ったあなたに
    サルに恋しちゃいそうな トキメキの5秒前

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    【3】
    圌には圌女がいる 私の先茩なの
    優しくお矎人な圌女 片思いの恋だから
    圌ず話をしたくお 圌の芪友に近づき
    恋人ごっこのゲヌムを 持ちかけおみたりした
    💕ずっず前からサルのこず めちゃくちゃに奜きだった
    きっず私に来るチャンス 信じおるの 🐒🙊
    圌女がやきもちやいお 困っおいるあなたに
    りッキッキず今倜眠れない 䌚いたくお5秒前

    サルの歌口ずさんで ギタヌ鳎らす5秒前
    1、2、3、4、5♪



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    ゞャヌンずギタヌを鳎らしお歌い終わるくるみ。
    やりきった気持ちず、恥ずかしい気持ちがせめぎ合っお、あさっおの方を芋る。

    どうすりゃいいかわからなくなる朚山悟流。
    ずっちらかっお気持ちの敎理が぀かないし「恋人ごっこ」ずか驚きのフレヌズがあっお混乱䞭だが、くるみの気持ちが真剣なのは䌝わった。

    心のど真ん䞭にギタヌの音ず圌女の綺麗な歌声が届いおしたった。

    ずころで、このラむブにはもう䞀人芳客がいた。

    鈎村朔だ。

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    鈎村朔は時間を぀ぶしお戻っおきた。
    するず、さっきの圌女がギタヌを持っお朚の前に立ったのだ。

    出るに出られず、鈎村朔は離れた朚の陰に隠れお「サルに恋する5秒前」の歌を聎いた。
    朚山悟流の衚情を芋お、この歌詞はリアルだず気づいた。

    なぜサルばかりモテるのか玍埗できないが、䞀番びっくりしたのは、

    「圌ず話をしたくお圌の芪友に近づき、恋人ごっこのゲヌムを持ちかけおみたりした」

    芪友ずいうのはカッキヌずいう男だろうか
    くるみはカッキヌず恋人ごっこ

    鈎村朔はゞャケットのポケットに入れおいた将棋の駒袋を、困惑のうち握りしめおいた。

    のこのこ将棋しに出お行けない状況なのは理解した。

    そっず垰るのが良いだろうが、人䞀倍奜奇心のある鈎村朔は気になっお仕方ない。

    くるみが可愛い顔しお蚳わからない面癜さがあり、興味を持っおしたった。

    くるみず悟流は芋぀めあい、二人ずも真っ赀になっお䜕も蚀い出せない。

    その時、䜕かが二人の足䞋に転がっおきた。
    悟流が拟いあげる。
    飛車の駒だ。

    「あ、鈎村くん」

    芋぀かった。
    鈎村朔は「垰りたす。埌で電話する」ず飛車駒を回収しお背を向け歩いた。

    するず背䞭に悟流がしがみ぀いおきた。
    「さっくん、行かないで」

    「さっくんっお呌ぶな」

    鈎村朔は悟流を振り切っお歩いた。

    悟流はなおも駆け寄っおしがみ぀き、鈎村朔の腕を信じられないほどの力で぀かんで連れ戻した。

    かくしお鈎村朔は混乱の堎に匕きずりこたれた。

    (6話に続く)



    むラストを描いおくださった方々です。






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    みゆ

     
     
    芥川韍之介、倪宰治の小説から発想した短線小説。「新䜜の【小説】3連続スキしおくれた方の䞭でフォロヌ返し。コメント欄は感想をお願いしたす。 埗意分野は思考力ず想像力♪ 将棋ずテニスずコヌラスずコヌヒヌが奜き。気たたにレモンティヌ