
物販会場で何が起きていたのか WHITE ALBUM2 Live Fes ~15th Anniversary~ 当日の記録
はじめに 振替公演を前にあの日の記録を残す
2026年2月22日、「WHITE ALBUM2 Live Fes ~15th Anniversary~」(以下、「15周年イベント」)が開催されました。私も『WHITE ALBUM2』ファンの一人として、遠方から参加しました。
しかし当日、物販をめぐって大きな混乱が発生しました。
列形成前には「整理券は完全にランダムで、早く来ても遅く来ても条件は同じ」と説明されていました。しかし実際には列形成時に参加者が走り出し、当初用意されていた整理券も400枚しかなく不足しました。
さらに不足した整理券の追加対応の決定まで長時間を要し、最終的には「物販を待つか、公演を優先するか」を参加者自身が選ばなければならない状況にまで発展しました。
私は当日、こうした経緯の一部を写真や動画、メモとして記録していました。当時も記事として公開することを考えましたが、『WHITE ALBUM2』という作品そのものが運営上の問題によって注目されることを望まず、公開を見送っていました。
その後、主催・運営側から公式な説明と謝罪が行われ、そして今日、振替公演が開催されます。一つの区切りとして、当時公開しなかった記録を残しておこうと思います。
この記事では、私自身が現地で確認したこと、写真や動画に残っていること、他の参加者による記録、後日公表された公式説明をできる限り区別しながら、「あの日、物販会場で何が起きていたのか」を時系列に沿って振り返ります。
これは誰か個人を非難するためではなく、あの日その場所にいた一人の参加者として残しておく、イベント当日の記録です。
イベント前日 会場周辺の下見
今回、私は遠方からイベントに参加していたこともあり、前日のうちに会場となる横浜・新都市ホール周辺を下見していました。目的は単純で、翌朝になってから会場の場所や入口が分からず慌てないよう、あらかじめ会場までの経路や周辺の様子を確認しておくためです。
この時点では当然ながら物販を待つ参加者の姿はなく、会場周辺は普段どおりの状態でした。



翌日、この場所の光景は大きく変わることになります。
2023年「WHITE ALBUM2 学園祭」での物販対応
今回のイベント当日の話に入る前に、前回のライブイベントとなる2023年12月16日に開催された「WHITE ALBUM2 学園祭 2023 ~reunion~」の物販について触れておきたいと思います。
今回、私が「早くから場所を確保した人がそのまま有利になるわけではなく、最終的にはスタッフによって正式な列が形成されるだろう」と考えていた背景には、過去の『WHITE ALBUM2』イベントでの物販対応がありました。
2023年の「WHITE ALBUM2 学園祭 2023 ~reunion~」では、物販についてAQUAPLUSから事前に明確なルールが案内されていました。
物販の待機列形成は当日9時30分からとされ、それ以前については、
「いかなる場合もお客様同士による自発的な待機列は無効となります。」
と明記されていました。
また、列形成開始時には会場係員の指示に従って移動すること、周囲の人を押す、走る、追い抜くといった行為は禁止することも併せて案内されていました。つまり少なくとも事前のルール上は、「誰よりも早く現地へ行き、自分たちで列を作っておけば、その順番がそのまま正式な待機順になる」という仕組みではありませんでした。
当時の参加者からは、事前に参加者同士で形成されていた列をそのまま正式な列とはせず、スタッフの誘導によって改めて列形成が行われたという話もXで見かけていました。
そして今回の「15周年イベント」でも、事前の物販案内には、
「当日9:00~待機列の形成を行います。いかなる場合もお客様同士による自発的な待機列は無効となります。」
と、2023年とほぼ同じルールが記載されていました。
さらに、「待機列形成開始時は会場係員の指示に沿って」移動すること、押す、走る、追い抜くといった行為は禁止することも明記されていました。
この事前案内と2023年のイベントでの対応を知っていたことから、私は今回についても、9時になればスタッフによって正式な列形成が行われ、それ以前にどれだけ早く来ていたかによって有利・不利が生じることはないのだろうと考えていました。少なくとも私は、「少しでも前に行かなければ物販で不利になる」とは考えていませんでした。
当日早朝の様子
私は前日から会場近くのホテルに宿泊しており、当日は早朝から複数回にわたって現地の様子を確認していました。そのため、会場周辺に人が集まっていく過程や、整理券配布前後の状況を比較的詳細に把握しています。
また、普段から写真や動画、メモで記録を残すことが多く、当日の様子についても多くの資料が手元に残っていました。
私が確認した範囲では、会場周辺の人数はおおむね以下のように推移していました。
4時50分前:約2人
5時過ぎ:約10人
5時30分頃:約10人
6時過ぎ:約14人
8時過ぎ:100人超
もちろん、これは私がその都度現地で確認した人数であり、正確な人数を集計したものではありません。特に8時台については人の出入りもあったため、厳密な人数までは分かりません。
ただ、少なくとも6時台までは十数人規模だった一方で、8時台には100人を超える参加者が集まっており、状況が大きく変化していたことは確認できました。
事前の案内では、物販待機列の列形成は午前9時とされていました。ところが、その約1時間前の時点で、列形成予定地となっていた「鐘の塔」周辺にはすでに多数の参加者が集まっていました。
8時22分頃 列形成予定地周辺

この写真は、8時22分に撮影した列形成予定地周辺の様子です。
この時点で、事前に告知されていた午前9時の列形成開始までは、まだ40分近くありました。参加者による自主的な待機列は無効と事前に案内されていたため、整然とした正式な物販待機列ができているというよりも、列形成予定地の周辺に多数の参加者が集まっている状態でした。

こちらは8時32分の様子です。
現地スタッフが地面にガムテープを貼り、参加者を誘導するための導線づくりを始めていました。つまりこの時点では、参加者はすでに100人を超える規模まで増えていた一方で、スタッフ側ではこれから正式な待機列を作るための準備が進められていたことになります。
少なくとも写真から分かるのは、午前9時の列形成を待たず、8時台にはすでに相当数の参加者が会場周辺に集まっていたということです。
そして、この人数はこの後さらに増えていきます。
整理券配布直前のスタッフ説明「完全にランダムなので、皆さんの条件は一緒です」
多数の参加者が集まった状態で、スタッフから整理券の配布方法について説明が行われることになります。
そこで参加者に伝えられたのが、「完全ランダムなので、遅くなろうが早く行こうが、条件は一緒です」という説明でした。
この動画は、2026年2月22日9時14分に撮影したものです。現場スタッフの方を責める意図はないため、映像は文字起こしに差し替えています。
この説明は、当時の私がどのように行動するかを判断するうえで非常に重要なものでした。
前述したように、2023年に開催された前回イベントでは、参加者同士による自発的な待機列は無効と事前に告知されており、実際そのように運営されていた認識でした。
今回も現場で「完全ランダム」「遅くなろうが早く行こうが条件は一緒」と繰り返し説明されたため、私はその説明を信頼し、無理に前へ出る必要はないと考えました。
スタッフはさらに、
「おいなんかあいつ先に行きやがって、なんかオレ不利になっちゃったじゃんか、と思うかもしれないんですけど」
「実際はランダムなので、整理券の番号は本当に変わらないです」
つまり、この時点でスタッフ側も、列形成の際に「少しでも前へ行った方が有利なのではないか」と考える参加者が出てくる可能性を認識していたはずです。そのうえで、先に進んでも有利にはならないので、押したり走ったりせず、落ち着いて移動してほしいと説明していたわけです。
説明の最後には、
「今日一日楽しんで、皆さん笑顔で帰ってください」
という言葉があり、参加者から拍手も起きていました。
しかし、その直後に列形成が始まり参加者が移動すると、「走らないように」と説明されたばかりにもかかわらず、一部の参加者が前方へ向かって走り始めます。
ここから、事前の案内や直前の説明からは想像していなかった状況になっていきました。
列形成開始 一部の参加者が走り出す
前項で掲載したスタッフによる説明を撮影したのは、午前9時14分頃でした。その後、午前9時20分前頃になると、いよいよ正式な待機列の形成が始まりました。
スタッフから「これから列を作ります」という案内があり、参加者を二手に分ける形で誘導が始まりました。スタッフから「宝探しのような気持ちで進んでほしい」といった冗談も交えながら案内が行われていた影響で、この時点ではまだ比較的和やかな雰囲気でした。
列は、当初想定されていた待機スペースだけでなく、隣接する広場も利用する形で、スタッフの誘導に従って歩きながら形成されていきました。

※この写真はイベント当日のものではなく、位置関係や広さを示すため後日撮影したものです。
そして、参加者の移動が始まると状況が変わりました。
少しでも列の前方へ行こうとしたのか、一部の参加者が先頭方向へ向かって走り始めました。正確な人数を数えたわけではありませんが、現地にいた私の目には、100人前後の参加者が走っているように見えました。
ここについては、スタッフ側の対応も記録しておく必要があると思います。
スタッフは走ることを認めていたわけではありません。
むしろ、走り始めた参加者に対して「走らないでください」と制止していました。さらに、その前後では、
「遅くなろうが早く行こうが、皆さんの条件は一緒です」
「ランダムなのでいつもらおうが条件は一緒です」
と繰り返し説明していました。
私もこの説明を聞いていました。そのため、目の前で前方へ走っていく人たちがいても、私は走りませんでした。直前に「完全ランダム」「いつもらっても条件は一緒」「走らないで」と説明された以上、ここで無理に前へ行く必要はないと考え、スタッフの誘導に従ってそのまま歩いて移動しました。

最終的に、そごう横浜店2階東側の出入口を挟んで、二つの待機列が形成されました。
走って移動した参加者の多くは、みなとみらい地区側の列の前方(出入口寄り)へ。比較的ゆっくり移動した参加者は横浜駅側の列となり、私はその後方(出入口から遠い側)に位置することになりました。
そして、この二つの列では、その後の整理券配布にも違いが生じました。
後日、みなとみらい地区側の列後方にいた参加者から聞いた話では、走った参加者が前方にいることに対して、
「走った集団が先頭にいて先に整理券が配布されるのはおかしい」
「後ろから整理券を配ってほしい」
という強い抗議があり、みなとみらい側では列の後方から整理券が配布されたとのことでした。

https://x.com/Tr6frdtLaYE1jz0/status/2025362547080397133
一方、私が並んでいた横浜駅側では、列の先頭側から整理券が配布されました。その結果、横浜駅側では半分以上、大多数の参加者に整理券が行き渡りませんでした。 私も整理券を受け取れなかった一人です。
直前まで「完全ランダム」「いつもらっても条件は一緒」と説明されていた一方で、実際には列のどこに位置したかによって、整理券を受け取れるかどうかが左右される結果になりました。
整理券配布で起きた混乱
午前9時20分前頃、スタッフの誘導によって正式な待機列が形成され、その後、物販整理券の配布が始まりました。事前の公式案内では、整理券には販売時間が記載され、その時間に合わせて物販会場へ戻るという方式とされていました。
しかし、事前案内では、整理券の配布枚数が400枚であることは参加者に知らされていませんでした。
私は列のかなり後方にいたため、最初の整理券を受け取ることができませんでした。そのため、400枚が具体的にどのような方法で配布されていたのかを直接確認できていません。一方で、周囲の参加者からは、スタッフが列の順番に整理券を手渡していたと聞いています。この配布方法については、次項の「完全にランダムだったのか 連番整理券への疑問」で改めて触れます。
用意されていた整理券400枚では足りなかった
整理券の配布が進むにつれ、用意された400枚では足りないことが明らかになっていきました。正確な参加者数は分かりませんが、私の目測では、整理券がまだ半数程度も配布されていないように見えた段階で、会場周辺には1000人に届くかどうかという規模の参加者が集まっていました。
あくまで現地での目測であり、公式に発表された人数ではありません。それでも、400枚では相当数の参加者に整理券が行き渡らない状況でした。やがて私のいる位置まで届くことなく、最初の400枚の配布は終了しました。
ここから、会場の雰囲気が大きく変わります。
「どうなっているんだ」とスタッフに説明を求める声が各所から上がり、怒号も聞こえるようになりました。中には、泣いているようにも聞こえる声もありました。
直前までスタッフからは、「完全ランダムで、いつ受け取っても条件は同じ」と説明されていました。
私もその説明に従って移動した結果、列の後方となり、整理券を受け取ることができませんでした。この時点で、「完全ランダムで、いつ受け取っても条件は同じ」という説明と、実際の整理券配布はどのようにつながっていたのかという疑問を持つようになりました。
10時51分頃 「現在、上で対応を協議中」
整理券が行き渡らなかったことを受け、スタッフ側でも対応について協議が始まったようでした。
私が午前10時51分に撮影した動画には、現場スタッフから参加者に対して現在、上で対応を協議しているため、しばらく待ってほしいという趣旨の説明と謝罪が行われている様子が残っています。
この時点では、整理券を受け取れなかった参加者がこのあとどうなるのか、具体的な対応はまだ示されていませんでした。
9時20分前頃に列形成が始まってから、すでに1時間半近くが経過していました。私を含め、整理券を受け取れなかった参加者は、その場で今後の案内を待つことになります。
11時20分頃 追加整理券配布を決定
そして午前11時20分頃、ようやく新たな方針が示されました。
整理券を追加で配布するというものです。
この説明についても動画を撮影しています。
これによって、最初の400枚を受け取れなかった参加者にも、改めて整理券を受け取る機会が設けられることになりました。しかし、ここですぐに追加整理券が配られたわけではありません。
12時28分頃 追加整理券の配布開始を案内
実際に「これから追加整理券を配布する」と案内されたのは、さらに約1時間後の12時28分頃でした。列形成が始まった9時20分前頃から考えると、すでに約3時間が経過しています。
そして、この追加整理券には別の問題がありました。
案内された購入可能時間は、「13時45分以降販売分」でした。
13時45分は、この日の昼公演の開場時刻でもあります。
参加者から公演スケジュールとの重複を指摘され、スタッフが対応を確認するというやり取りが発生しました。
私が現地で確認し、動画として残しているだけでも、
9時20分前頃 列形成・整理券配布
→ 整理券が不足し、配布終了
→ 10時51分頃 対応を協議中
→ 11時20分頃 追加整理券の配布を決定
→ 12時28分 追加整理券の配布開始を案内。「13時45分以降販売分」をめぐり対応確認へ
と、対応が何度も変化していったことになります。
また、詳しい説明がないまま待機が長時間に及び、3時間ほどが経過する頃には、諦めて列を離れる参加者も多く見られました。購入できたとしても、開演後になるという説明を受け、体感ですが3割程度の方が列を離れました。
途中、ほかのスタッフとは明らかに服装の異なる方が現場に来ていました。役職を確認したわけではありませんが、その服装や周囲の対応から、私は現場の責任者にあたる方だと認識していました。
その方に対し、「整理券を改めて全員に配り直してほしい」「今回の物販を中止し、すべてWeb販売に切り替えられないか」と直接訴える参加者もいました。
私も、列形成前のスタッフ説明を録画していたため、その動画を実際に見せたうえで、「完全ランダムで条件は同じ」と説明されていたにもかかわらず、現実と大きく異なる状況になっていることをどう考えているのか、また、どのような意図でこの説明が行われたのかを確認しました。
動画は見てもらえましたが、「自分からは回答できる立場にはない」という趣旨の返答にとどまりました。
この一連の混乱について、もう一つ私が強く疑問に感じたことがありました。それは、そもそも最初に配布された整理券が、スタッフから繰り返し説明されていたように、本当に「完全ランダム」だったのかという点です。
その疑問を強くしたのが、複数人で参加していた別の参加者がXに投稿した、連続した番号の整理券の写真でした。
完全にランダムだったのか 連番整理券への疑問
ここまで何度か触れてきたように、整理券の配布を前に、現場スタッフからはその配布方法について繰り返し説明がありました。
特に明確だったのが、
「完全ランダムなので本当にそういうの(早く整理券を受け取った人が有利になること)ありません」
「遅くなろうが早く行こうが、皆さんの条件は一緒です」
「ランダムなのでいつ(整理券を)もらおうが条件は一緒です」
という説明です。
私自身、この説明をそのまま受け取っていました。
そのため、列形成時に前方へ向かって走る参加者がいてもそれに続かず、スタッフの指示に従って歩いて移動しました。
結果として私は列のかなり後方になり、最初に用意されていた400枚の整理券を受け取ることができませんでした。
それでも、整理券が本当に「完全ランダム」なのであれば、列の前後によって有利・不利が生じたわけではないことになります。
しかし、イベント当日、Xに気になる投稿がありました。
複数名でイベントに参加していた方が、実際に受け取った整理券を並べた写真を投稿していました。そこに写っていた整理券の番号は、連続した番号になっていました。
いぇーい!! pic.twitter.com/e1HC3RE69w
— ホビーJ (@Hobby__J) February 22, 2026
この投稿について重要なのは、単に投稿者が「連番だった」と文章で主張しているだけではなく、実際に受け取った整理券を並べた写真が投稿されている点です。
私は最初の400枚を受け取れていないため、配布方法そのものを直接確認したわけではありません。そのため、連番の整理券が存在したことだけをもって「ランダムではなかった」と断定することはできません。
一方で、複数人で参加した参加者の手元に連続した番号の整理券が渡っていたことを示す写真が公開されていたことも事実です。
「完全ランダム」「いつ受け取っても条件は同じ」と説明されていた当日の運用との整合性については、いまなお疑問が残っています。
なお、このあと私自身が受け取ることになった追加整理券については、最初の400枚とは配布方法が異なっていました。追加分では、参加者自身が箱の中から整理券を引く方式が採られていました。
最初の400枚をめぐって混乱が起きたあと、整理券の配布方法そのものも変わったことになります。
追加整理券の配布 最初の400枚とは異なる配布方法
前項で触れたとおり、最初に用意されていた400枚の整理券がなくなったあと、対応の協議を経て、追加の整理券を配布することが決まりました。
ここでは一連の時系列を繰り返すのではなく、実際に追加整理券を受け取った際のことを記録しておきます。
追加整理券の採番は401番以降でした。追加分では参加者自身が箱の中に手を入れ、整理券を1枚引く方式が採られていました。私自身も箱の中に手を入れて1枚を引きました。
引いた番号は、406番でした。
残念ながら整理券そのものの写真は残しておらず、私が箱から引いた正確な時刻についても記録していません。
この追加整理券の配布方法で印象に残ったのは、最初の400枚とは、少なくとも参加者から見える配布方法が異なっていたことです。
追加整理券では、参加者自身が箱に手を入れ、その中から1枚を引く方式になっていました。どの番号を引くのかは、引く本人にも分かりません。少なくとも参加者の目から見れば、「ランダムに整理券を受け取る」ということが非常に分かりやすい方法でした。
整理券だけではなかった問題 進まない物販列
ここまでは、主に整理券の配布をめぐって起きた混乱について書いてきました。しかし、当日の物販にはもう一つ、大きな問題がありました。
整理券を持っていても、肝心の物販列がなかなか進まなかったことです。
最初に整理券を受け取れなかった当事者としては、整理券の不足や追加配布への対応が注目されがちですが、当日の物販全体を振り返るうえでは、この販売速度の問題も切り離すことができません。
10時30分頃物販販売開始も、11時53分時点で「18番」
当日の参加者によるXへの投稿には、物販の進行状況を確認できる記録が残っています。午前11時53分時点で、購入を終えた参加者の整理券番号は18番だったというものです。
速報
— 約束❄️ (@SLC_YUIxAZU) February 22, 2026
いまは18番まで終了!
繰り返し
いまは18番まで終了!
#WA2
私はこの18番の方の購入完了を直接確認したわけではありません。そのため、ここでは当日の参加者によるSNS上の記録として紹介します。ただ、この数字を当初の運営計画と比較すると、物販の進行が想定を大きく下回っていたことが見えてきます。
当日、私は現場スタッフに物販の進行予定について尋ねています。その際に聞いた説明では、当初は1時間あたり約110人を販売する想定だったとのことでした。(本件に関しては動画の記録はありません、私のメモです)
後日公表された運営側の説明では、当日の販売体制がレジ6台だったこと、そして実際に物販の進行が遅れ、多くの参加者を長時間待たせる結果になったことが認められ、謝罪されています。
単純計算すれば、6つのレジで並行して、全体として1時間に約110人の購入を完了させるという計画だったことになります。しかし、11時53分時点で購入終了が18番までだったという参加者の記録を見る限り、少なくとも販売開始直後の実際の処理速度は、当初想定されていたペースから大きく遅れていました。
整理券を何番まで配るかという問題だけでなく、配った整理券を予定どおり消化できる販売体制になっていたのかという、別の問題がここにありました。
1人の購入に「18分31秒」
さらに、別の参加者からは、実際の購入に要した時間についても記録が残されています。その方の投稿では、オーダーを始めてから購入を終えるまでに18分31秒かかったとされています。
疲れたよ……これはオーダー始めてから購入終了までの時間です pic.twitter.com/JZ6nvx1PCq
— ホビーJ (@Hobby__J) February 22, 2026
これはあくまで一参加者の事例であり、全員に当てはまるとは言えません。ただし、注文から会計までに18分以上を要したケースが存在していたことは、当日の販売速度を考える上で参考になる記録だと思います。
「整理券を追加すれば解決」ではなかった
この販売速度の問題を踏まえると、前項までに書いてきた追加整理券の意味も少し違って見えてきます。最初の400枚では整理券が足りず、その後、追加整理券を配布することになりました。
しかし、整理券そのものを追加できたとしても、商品を販売する側の処理能力が追いつかなければ、待っている参加者を消化することはできません。
当日の現場では、整理券が足りないという問題と、物販そのものが予定した速度で進まないという二つの問題が同時に起きていたことになります。
そして後者は、追加整理券を用意するだけでは解決できません。時間が経過するほど、整理券を持ちながら購入できていない参加者が残り続け、その一方で昼公演の開場時刻である13時45分が近づいてきます。結果として、「物販を待ち続けるのか、公演への入場を優先するのか」という、後の問題にもつながっていきました。
14時11分頃の現場対応 物販が混乱したまま開演時間へ
物販の進行が想定どおりに進まないまま、昼公演の時間が近づいてきました。この日の昼公演は13時45分開場、14時30分開演です。
本来であれば、物販を終えた参加者が開場時間に合わせて入場し、公演を楽しむはずでした。しかし実際には、開場時刻を過ぎても物販を終えられず、整理券を持ったまま待機している参加者が残っていました。
そして14時11分頃、物販待機列に向かって、スタッフから今後の対応について説明が行われました。
その内容は、
「公演を優先する参加者は、イベント入場口へ先に案内する」
「物販を希望しながら公演も観る参加者については、終演後に対応する」
という趣旨のものでした。
さらに、終演後の対応については、会場エリアの都合上、整理券の番号ごとに整列させることは難しいとの説明もありました。
14時11分 公演参加者の物販購入は終演後対応との現場説明
整理券を持っていても、開演までに購入できない
この説明が行われたのは14時11分頃です。
昼公演の開演は14時30分。
すでに開演まで20分を切っていました。
ここまで物販を待っていた参加者の中には、整理券を持っていながら、結局、公演前には商品を購入できない人が出ることになりました。
当日のSNSへの投稿を確認すると、開演直前の14時21分で物販は120番の方が先頭になっていたようです。
物販待ちの先頭が120番ですって
— ワタツミ (@watatumi07) February 22, 2026
続々と昼公演の方が抜けていく…
コンサートに行くという選択を…
#WHITEALBUM #WA2
コンサートに向かうか、物販に並び続けるか、参加者は選択を迫られることになりました。
物販を諦めてコンサートに参加したオタクと、コンサートを諦めて物販に並び続けたオタクの図 pic.twitter.com/ziqSJKCDwW
— 小牧じゅん (@minirider_TH2) February 22, 2026
前項で触れた販売速度の問題が、ここで物販会場だけの問題ではなくなります。問題は、なぜ公演を観るために来場した参加者が、物販と公演のどちらを優先するのかを考えなければならない状況にまで至ったのかということです。
物販の問題が、公演そのものに影響するところまで来ていた
ここまでの経緯を振り返ると、整理券の配布をめぐる混乱に加え、整理券そのものの不足、追加整理券への切り替え、そして物販の販売速度の遅れが重なっていました。
その結果、昼公演の開演直前になっても物販を終えられない参加者が残り、最終的には「公演を観る人は先に入場し、物販は終演後に対応する」という運用に変更されました。物販だけで完結する混乱ではありませんでした。
物販の運営上の問題が、本来この日参加者が最も楽しみにしていたはずの公演への入場にまで影響する状況になっていたのです。
14時11分に撮影した動画は、そのことを端的に示す記録だと考えています。
なぜ物販はここまで滞ったのか
ここまで書いてきた出来事を振り返ると、当日の混乱は単一の要因によって生じたものではなく、複数の要因が重なった結果だったように思います。
もちろん私は運営側ではないため、内部事情や当日の判断過程を知っているわけではありません。ここでは、現地で見聞きしたことや後日の発表を踏まえた一参加者としての考察を書いておきます。
物販体制の課題
当日の物販では、決済手段が現金のみでした。
また、商品数も非常に多く、複数キャラクターごとのアクリルスタンドやタペストリー、高額商品も多数用意されていました。購入者ごとに注文内容が大きく異なり、現金会計も必要となるため、会計時間が長くなりやすい状況だったと考えられます。
実際、後日の発表ではレジが6台体制となったことに対して、決済方法の拡充や商品収納スペースの設置など、より円滑に進行させるための改善策を講じる余地があったと述べられています。
さらに、当日の販売速度を見る限り、運営スタッフが十分に販売業務へ習熟していたかという点についても課題があったように思います。
需要が集中した背景
一方で、購入希望者が非常に多かったこともひとつの要因でした。
当時はイベント後に事後通販が実施されるだろうという噂(見込み)はありましたが、どの商品が対象になるのか、どの程度の数量が用意されるのか、といった情報は全く分かりませんでした。
そのため、参加者にとっては「ほしい商品は会場物販で購入しておきたい」という心理が働きやすい状況だったと思います。
また、今回のイベントはファンクラブ先行販売が中心で、一般販売枠も非常に限られていました。私自身、一般枠でチケットを取得できた際にXへ投稿したところ、これまで全く交流のなかった面識のない方々から、物販の代理購入を依頼するDMを受け取りました。
もちろんお断りしましたが、それだけ物販への需要が高かったことを実感しています。
実際、参加者の中には、友人から代理購入を頼まれ、多数の商品を購入している方も見受けられました。遠方から参加していた私自身も、事後通販で確実に購入できると分かっていれば、当日無理して購入しなかった商品は少なくなかったと思います。
転売需要が存在していた
残念ながら、転売需要の存在も無視できなかったと思います。
会場限定品やイラストレーター直筆サイン入り複製原画などは高額で取引されていました。特に複製原画については、過去のイベントでは後日通販が行われたとしても、直筆サインは会場限定となっていたことから、プレミア性が高い商品でした。
メルカリやヤフオクなどを通じて、複製原画は定価49,500円に対して、20万円近い金額で取引されているケースを確認しています。定価9,900円のサントラは25,000円を超える金額で取引されていました。
また、私自身、待機列で並んでいる際、「どの商品が一番高く売れるか」という話をしているグループを見かけています。

もちろん、そのような人ばかりだったわけではありません。
しかし、本作品を楽しみに集まったファンによる需要だけでなく、転売目的の需要も一定数存在していたことは否定できないと思います。
後日、運営から発表された説明
イベント終了後、今回の物販をはじめとする運営上の問題について、AQUAPLUSおよびイベント運営を担当したタブリエ・コミュニケーションズから、謝罪と経緯の説明が発表されました。
タブリエ・コミュニケーションズの発表では、当初は9時から待機列を形成し、9時10分頃から400枚の整理券を配布する予定だったとされています。
しかし実際には、8時30分の時点ですでに多くの参加者が集まっており、予定していた列形成が困難な状態になっていました。
その後も十分な情報共有や判断が行われないまま列形成を開始した結果、運営側自身が、
「公平な整列が出来ず」
という結果になったことを認めています。
また、整理券については、現場スタッフから「整理券は皆様にお配りします」という趣旨の案内が行われていたことについて、「誤ったアナウンス」だったと認められています。そして物販については、当日6台のレジで販売していたものの、販売方法や商品を保管するスペースなどに改善の余地があり、結果として多くの参加者を長時間待たせたことについて謝罪しています。
ここまで私が書いてきた、
列形成時の混乱
最初の400枚の整理券が足りなかったこと
その後、追加整理券という対応が必要になったこと
物販の進行が大幅に遅れたこと
といった問題については、表現や視点に違いはあるものの、後日の公式発表でも運営上の問題があったこと自体は認められています。
また、AQUAPLUSからも今回のイベント運営について「重大な不備」があったとして謝罪が行われ、物販運営体制や販売数管理、事前シミュレーション、スタッフ教育、主催・運営間の連携などを見直すことが発表されました。
振替公演の開催へ
そして今回の問題を受け、当日の会場チケット購入者を対象とした無料の振替公演が開催されることになりました。
当日の公演そのものが中止になったわけではありません。
それでも改めて無料公演を開催するという対応が取られたことからも、主催・運営側が今回の問題を重く受け止めていることがうかがえます。
振替公演に参加できない人に対しては、無料配信も用意されることになりました。私自身、こうした対応まで行われたことについては、きちんと書いておきたいと思います。この記事では当日の問題を中心に記録していますが、問題点だけを取り上げて、後に行われた謝罪や対応を書かないのは公平ではないと考えるからです。
そして、この振替公演が開催されることになったことが、私が半年近く公開せずにいたこの記事を、今になって公開しようと思った理由にもつながっています。
当時この記事を公開しなかった理由
ここまで掲載してきた写真や動画の多くは、イベント当日に撮影したものです。当時からSNS上には物販をめぐる多くの投稿があり、私自身も現場で起きたことを記録していました。そのため、イベント直後に今回のような記事を途中まで書いていました。
それでも、私は公開しませんでした。
理由は単純で、WHITE ALBUM2という作品そのものが、この運営上の問題によって悪い意味で注目されることを望んでいなかったからです。
私はこのイベントを批判するために遠方から横浜まで来たわけではありません。WHITE ALBUM2が好きで、15周年という節目のイベントを楽しみにして参加しました。
だからこそ、イベント直後の混乱が続いている時期に、写真や動画をまとめて「こんなことがあった」と記事にすることには抵抗がありました。
もちろん、当日の運営に問題がなかったと思っていたわけではありません。むしろ、この記事で書いてきたように、整理券の配布から物販の進行、そして最終的には公演への入場にまで影響する状況を、私は現地で経験しています。それでも、その問題と作品そのものは別のものです。
運営上の問題を記録することで、結果としてWHITE ALBUM2そのものにまでネガティブな印象が広がってしまうのであれば、少なくとも当時の私は、それを積極的に発信したいとは思えませんでした。そのため、撮影した動画や写真は手元に残したまま、記事として公開することは見送っていました。
そして半年が経ち、無料の振替公演が開催される日を迎えました。
運営側から謝罪と経緯説明が行われ、振替公演という形で改めてファンに向き合う機会も設けられました。
ここまで来た今なら、当日の出来事を誰かを攻撃するためではなく、「あの日、実際に何が起きていたのか」という記録として残してもよいのではないか。そう考え、この記事を公開することにしました。
振替公演を迎えて
そして今日、2026年8月30日、「15周年イベント」の振替公演が開催されます。2月22日のイベントから、約半年が経ちました。
この記事では物販を中心に、当日現地で起きたことを、私自身の記録や参加者のSNS投稿、そして後日発表された公式の説明をもとに振り返ってきました。改めて整理してみても、当日の運営には多くの問題があったと思います。一方で、その後に主催・運営側から謝罪と経緯の説明があり、無料の振替公演という対応まで行われたことも事実です。だからこそ、この記事も「運営がひどかった」という話だけで終わらせたくありません。
私がこの記事の公開を控えていたのは、運営上の問題とは切り離して、この作品を応援したいという気持ちがあったからです。その思いは今も変わりません。
今回、当時の写真や動画を改めて整理し、この記事として残すことにしたのは、誰かを責めたいからではなく、15周年イベントの一日として、あの日実際に何が起きていたのかを記録しておきたいと思ったからです。
2月22日の出来事は、これでなかったことになるわけではありません。それでも、問題を認めて振替公演という機会が設けられた以上、今日はまた別の日です。この記事を投稿したら、私も一人のWHITE ALBUM2ファンとして、振替公演に参加します。今度こそ、物販や運営のことではなく、ステージの内容についてあれこれ書きたくなるような一日になってほしいと思います。
長い記事となりましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。今日の振替公演が、WHITE ALBUM2を愛する皆さんにとって良い一日になることを願っています。