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休職中の備忘録|自分に還るまで

    1_パンの癒し
     休職を申し出た日が、最終出勤日だった。

     自分の働くフロアにいられないくらいの状態(手が震える)だったので、
     会議室で退社ギリギリまで仕事をしていた。

     主治医は信頼のおけるとても良い先生で、以前から休職を勧められていた 
     が、休職=退職になる可能性が高く、ずっと躊躇していた。

     しかし、やはり限界がきて、色々考えた結果休職することにした訳だが、
     あのまま会社にいたら、多分死んでいた。

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     休職1日目の朝、週末に自分で焼いたパンをトースターで温めて食べた。
     自分で焼いたパンなのに、おいしくてとても癒された。

     その時、私のように疲れ切った人を癒せるものを作りたい、と思った。
     今後の方向性がその朝、初めて私の前にふと現れた。

    2_2カ月の睡眠
     人生には、時に休息が必要だ。

     昨年、仕事のストレス&疲労で体調を崩し、一旦快復したと思いきや
     再び諸々色々あって悪化。今月で休職4ヶ月目に入った。
     
     休職当初は緊張状態が継続し、体調は更に下降。
     休んだらやりたい事をやれると思っていたが、とんでもなかった。
     
     数年分の疲れが出たのか、最初の2ヶ月は睡眠の日々。
     無気力感が強く、薬ばかり飲んで何もできず、人生で最も痩せた。
     
     先月からようやく普通に起きられるようになり、
     久々に文章を書く意欲がわいた。
     
     休職してから「この先どう生きて行こう」とずっと焦っていた。
     それが体に悪影響を与えている事に気付いたのが、つい最近。
     
     立ち止まり、やっと今後の方向性が見えてきた。
     休職して良かったと思う。

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    3_自閉スペクトラム症の診断
     上司が変わった4年前。逆流性食道炎にかかり、それが全く治らず悪化。
     精神面にも影響が出始め、うつ病と診断され休職。

     心療内科の先生と話す中で、発達障害の傾向があると示唆され、検査を勧
     められた。色々考えた末検査を受け、自閉スペクトラム症と診断された。

     ショックは無く、生きづらさの原因がわかった安堵感の方が強い。
     
     いつも人との距離感を誤って関係を悪化させるたび、「やはり私が悪いの
     だ」と自分を責めてばかりいた。

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     診断してくれた先生は「これは病気ではありません。特性だと考えてくだ   
     さい。」と言ってくれた。 
     
     今まで自分が悪いと思っていたが、特性がそうさせていたと考えられるよ 
     うになったのは大分違う。 

     病気ではないので、特に治療はない。  

     今まで特性のせいで転職を繰り返してきたが、今後はそうしなくて済む環 
     境に身を置くしかない。

     休職してからずっと考えていたが、復職しない事に決めた。 
     安心して生きていける方法を、少しずつ整えていくつもりだ。

    4_退職後の進路について
     近く退職する。行先は決まっていない。
     これまでも転職する時は、就職先が決まっていない事の方が多かった。
     
     もちろん、先行きは毎回とても不安である。
     
     それなのに今回、まったくと言っていいほど不安は無い。
     いつもと違うのは、やりたい事が明確にある点だ。
     
     今まで、自分の力をどこか過小評価していた。
     だから今度は、自分がどこまで通用するか試してみたいとも思っている。

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    5_退職してから
     最近、心がとても穏やかだ。
     なぜだろう。
     
     退職したら、後悔や不安が押し寄せてくるのではと思っていた。
     しかし実際は、体調がさらに改善し、気分も向上した。
     
     休職中は、多少なりとも会社とやり取りがあった。
     今思うと休職中はまだ、うつ状態だったのかもしれない。
     
     退職した今、私は会社と全く関わりのない人間になった。
     それが良かったのだろう。

     ようやく、本来の自分に戻ってきた感覚がある。

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    6_沈丁花の香りに思う
     沈丁花が春の到来を告げる。

     その香りをかぐと、何か新しいことを始めなくては、
     という焦燥感にかられる。
     
     休職して丸1年が経とうとしている。

     私は退職し、これから本格的に新しいことを色々始めていく。
     既に始めていることも、全然見通しがたっていないこともある。

     季節は絶えず移りかわる。
     そして人も絶えず変わっていく。

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    7_花を見るこころ
     最近、花を見ると「美しい」と思う。
     会社勤めをしていた時、そんな気持ちは抱かなかった。
     
     心に余裕がなかったのだと、今ならわかる。

     退職した今、自分の時間は自分で決められる。
     そんな当たり前のことに、とても幸せを感じる。
     
     花を美しいと感じられる心。
     それは素敵なことで、人間として当然であるべきだ。
     
     これからはずっと、花を美しいと思える人生にしていきたい。

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    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
     

    lehem

     
     
    レヘムとは、べブライ語で「パン」「糧」を意味します。 2025年に休職、2026年に退職。現在はマルシェ出店やZINE・動画制作など新しい生き方を模索中です。

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