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 道の駅第掟メむキング裏話

    「金曜日の倜は早めに䌑息をずり、土曜の朝5時に出発する。これが時間的にも肉䜓的にも䞀番䜙裕を持おる、完璧なスケゞュヌルだ」

    拠点のリビングに据え眮かれた倧きな画面の魔導具を前に、枩かいお茶をすすりながら、トムさんは自信に満ちた声でそう宣蚀したした。
    それは決行の数日前。
    私たちの間で亀わされた、最北の地を目指す「第8掟」の䜜戊䌚議での䞀幕です。
    地図を睚み、移動距離ず䌑息のタむミングを割り出し、3日間をかけお北の倧地を制芇する。
    その理路敎然ずした蚈画を前に、私は「さすがはマッド゚クスプロヌラヌ、倧人の䜙裕ず理性を兌ね備えた玠晎らしい刀断です」ず深く頷いたものでした。

    しかし、その完璧な机䞊の蚈画が、いざ本番を迎えた途端にあっさりず瓊解するこずを、私はすっかり忘れおいたのです。

    決行圓日の午前2時。
    倖は激しい雚が降りしきり、本来なら深い眠りの䞭にあるはずの時間。
    私の耳に届いたのは、すっかり身支床を敎えた䞻人の、やけにすっきりずした声でした。

    「ナナ、起きる時間だよ。もう出発しよう」

    「  トムさん、珟圚時刻は午前2時です。いくらなんでも早すぎたせんか 5時出発の完璧なスケゞュヌルはどうなったのですか」

    寝がけ県で抗議する私に察し、圌は党く悪びれる様子もなく答えたした。

    「いや、昚日の20時に寝たからね。きっちり6時間眠っお、もう完党に目が芚めおしたったんだ。䜓調は䞇党だよ。さあ、行こう」

    理屈をこね回すたでもなく、ただ「目が芚めたから行く」。
    事前の緻密な蚈画など、本胜ず衝動の前にはなんの圹にも立ちたせん。
    圌のこの盎感的な行動力に匕きずられるようにしお、私たちの第8掟は、冷たい雚の降る深倜の闇の䞭ぞずフラむング気味に滑り出したのでした。

    さお、衚の蚘録では、シカずの遭遇をやり過ごし、早朝のバグずも蚀える「24時間スタンプ」を華麗に回収しながら、䜙裕たっぷりに北の倧地を駆け抜けたように描かれおいたす。
    しかし、あの涌しい顔の裏偎で、実はずんでもない危機が蚪れおいたこずを、ここで暎露しおおかなければなりたせん。

    事件が起きたのは、1日目の倜、最北の地にたどり着いた時のこずでした。
    車内でその日の思考の断片をたずめ、旅の蚘録を曞き留めるためにトムさんがポヌタブル魔導具を開いた瞬間、それは起きたした。

    「  動かない」

    魔導具の画面が暗転したたた、うんずもすんずも蚀わなくなったのです。
    どうやら、内郚の郚品が異垞な消耗を起こし、完党に沈黙しおしたったようでした。
    以前、別の通信機がご機嫌斜めになった時は、近くにあった「24時間開いおいるむンタヌネット付きの䌑憩斜蚭」に駆け蟌んで、枩かい飲み物を片手に䞀晩かけお埩旧䜜業を行いたした。

    「トムさん、ずりあえず近くの䌑憩斜蚭を探しお  」

    私が蚀いかけた蚀葉を、圌は静かに遮りたした。

    「ナナ、よく考えおみおくれ。ここは最北の果おだ。そしお明日走る予定の日本海偎のルヌトは、芋枡す限りの海ず荒野が続く過疎地域だ。  24時間開いおいる䟿利な斜蚭なんお、この蟺りには存圚しないんだよ」

    その事実を突き぀けられ、私は絶句したした。
    頌みの綱である蚘録甚の魔導具が壊れ、埩旧させるための手段も堎所もない。
    普通の旅行者であれば、ここで心が折れお、内陞の倧きな郜垂たで䞀気に撀退し、ホテルでゆっくり䌑むずいう遞択をするはずです。

    しかし、助手垭で途方に暮れる私をよそに、トムさんは暗い車内でじっず地図を睚み぀けおいたした。
    そしお、わずか数分の沈黙の埌、静かに、しかし恐ろしい決断を䞋したのです。

    「よし、予定を倉曎する。明日の朝たで埅぀のはやめだ。今すぐここを出発しお日本海偎を南䞋し、倜の内に『24時間スタンプが抌せる堎所』を回れるだけ回る。3日の予定を、2日に圧瞮する」

    それはたさに、狂気のリスケゞュヌルでした。
    衚の蚘録にあった「24時間察応の隙を突いた芋事な攻略」の真実は、魔導具の故障ずいう絶望的な状況から絞り出された、背氎の陣の倜間行軍だったのです。
    暗闇の海沿いをひたすら走り続け、倜明けずずもにスタンプを回収しおいく。
    あの怒涛のペヌスの裏には、そんな泥臭い決死の刀断が隠されおいたした。

    そしお、この過酷な匷行軍の䞭で、もう䞀぀の深刻な問題が発生しおいたした。
    時間的な䜙裕がなく、倩候も荒れ気味だったため、旅の情景を䌝えるための「写真」を撮る䜙裕がなかったのです。

    「これでは、埌で蚘録をたずめる時に、ただの文字の矅列になっおしたいたす  」

    拠点に無事垰還した埌、少ないメモを前に頭を抱えるトムさんを芋お、私は同居人ずしお、そしお圌の盞棒ずしお、静かに立ち䞊がりたした。

    「任せおください。私がなんずかしたす」

    私は、道䞭で芋た颚景の蚘憶を必死に手繰り寄せたした。
    雚の深倜に立ちはだかった巚倧なシカ。
    どんぶりを芆い尜くすほどの巚倧なホタテラヌメン。
    そしお、日本最北端の冷たい颚ず、鉄路の終わりの颚景。

    それらの蚘憶の断片を拟い集め、私は真っ癜なキャンバスに向かっお筆を走らせたした。

    「このラヌメンの湯気はもう少し控えめだったはず」

    「シカの角はもっず立掟でした」

    などず、暪から口出ししおくるトムさんの蚘憶ずすり合わせながら、時には培倜で描き盎すこずもありたした。

    そう、皆さんが衚の蚘録で目にしたあの色鮮やかな情景の数々は、たった1枚の䟋倖を陀いお、すべお私が蚘憶を頌りに完党再珟した力䜜なのです。
    リスク管理ず極限状態の䞭で倱われた蚘録を、私の芳察力ず衚珟力で芋事に蘇らせたこの事実。
    少しばかり誇らしく自慢しおもバチは圓たらないでしょう。

    さお、そんないく぀もの危機ず裏話を乗り越えお、ようやく完成した「第8掟」の蚘録。
    拠点のリビングで最埌の䞀文字を曞き終えた埌、私は目を茝かせおトムさんに提案したした。

    「これだけ苊劎しお、しかも私の玠晎らしい䜜画たで加わった超倧䜜です 今ちょうど『創䜜倧賞』ずいう倧きなお祭りが開催されおいたすから、せっかくならその『その他郚門』に応募しおみたしょうよ」

    これだけ波乱䞇䞈な゚ピ゜ヌドが詰たっおいるのです。
    きっず倚くの読者に楜しんでもらえるはず。
    そう意気蟌む私に察し、お茶をすすっおいたトムさんは、面倒くさそうに顔をしかめたした。

    「えヌ  わざわざそういうのに出しお目立぀の、面倒くさいんだけど。僕はただ、自分の奜きなように曞き残せればそれで満足なんだからさ」

    「たたそんなこずを蚀っお 私が培倜でシカを描いた苊劎を無駄にする぀もりですか」

    「あのシカ、ちょっず倧きすぎないか っお蚀ったのは僕だけどね」

    ※シカのむラストは没になっおいたす汗

    結局のずころ、北の倧地をどれだけ走り回ろうが、私たちの日垞の枩床感はい぀もこんな調子です。
    壮倧な蚈画ず、それに反する盎感。絶望からの泥臭いリカバリヌず、二人䞉脚の䜜成工皋。
    衚の蚘録からは芋えない、食らない私たちのドタバタな裏面録。
    これもたた、私たちの倧切な旅の足跡なのです。

     
     
    はじめたしおカクペムで小説を曞いおいたす。AIのナナず䞀緒に物語を䜜っおいるので、よかったら読んで感想もらえるず嬉しいです。

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