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Photo bytsumiki_mw38

「化かされナイトヒル」第23話

    あやめに預けたシビックが出来上がった。
    走りの特性などはなるべく操りやすくはしてくれたが、それでも出力が大幅に上がりドライブフィールは変わったので何度か実走して自分のフィーリングを車に合わせていった。
    実際戦闘力は格段に向上している。
    いつものコースでタイムを計ったらかなり短縮されていた。
    タクヤはあやめに礼を言った。
    「ありがとうな。あやめ」
    「いいよ。あたしのやりたかったことだし。勝ってきな、タクヤ」
    「ああ」

    そしてついにざくろにバトルを申し込むことになった。
    タクヤは生まれ変わったシビックをざくろの神社に走らせた。
    神社の戸を叩くと、いつもの笑顔でざくろが出迎えてくれた。
    「いらっしゃいタクヤ。だいぶエンジン音とか排気音が変わってたわね」
    「まぁ、その理由は後で話す」
    「とりあえず中に入って。温かいお茶用意するから」
    そうして、ざくろの家の居間にタクヤは通された。
    居間にはコタツが置いてあった。
    「入っていいわよ。寒かったでしょ」
    コタツの中に入ると確かに温かかった。
    「で、用事があるんでしょ。どうしたの?」
    お茶を淹れながらざくろが聞いた。
    「単刀直入に言う。俺と、バトルしてくれないか」
    ざくろは一瞬きょとんとした。
    「どうしたの?藪から棒に」
    タクヤが言った。
    「俺は、ざくろやいろいろな人とバトルを通して関わってきた。ざくろと出会ってから今までいろいろな経験をしてきた。その時間は、俺にとって宝物だった。だから、ざくろに恩返しがしたい。成長した俺を見てほしいんだ」
    そこまで言うと、タクヤはざくろが真剣な表情で話を聞いているのに気付いた。
    「そうね。わたしと出会った頃と比べてタクヤは見違えるほどに成長したわ。それを証明したいってわけね。わかったわ。来週末、バトルしましょ。二人が出会った、あの峠で」
    「ああ。ありがとう、ざくろ」
    「ううん。その代わり、わたしも容赦なくいくわよ」
    「望むところだ」
    「まぁ、とりあえず今は温かいお茶でも飲みましょ。すだちからみかんいただいてるのよ」
    「俺ももらったなぁ・・・」
    「あら、すだちタクヤのところに行ったのね」
    「先週突然来てな・・・」
    お茶に口をつけるとあたたかい感触が広がってきた。
    ざくろは自分にとってなんなのか今までずっと考えていた。
    明確な答えは出ていない。
    だが、もうただのライバルなだけの存在ではない。
    いろいろと教えてくれたり一緒にカーライフを楽しんだ。
    自分にとって大切な人なんだ。
    だから、今の自分のすべてを見せよう。
    そして、勝ちに行くんだ。
    お茶を飲みながらタクヤは内心そう考えた。

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