
【恥ずかしい】そんなに見ないで~漢字の“短い”左払い~
時期尚早。
字がまさに、です。
まだまだ行書に行かないで。
0.1ミリの誤差も許さない、
特に楷書体にうるさい鬼軍曹・永野です。
漢字の右払いについては
こちらで触れましたが
今回は左払いについてです。
左払いには4種類(方向)の払いがありますが、
その詳細はまた後日にします。
今日は左払いの中でも
「短い」左払いについて見ていきます。
始めに「観る力」を鍛えます。
《1》
私が書いた小学1年生で習う漢字の一覧ですが、
「短い左払い」を探してみてください。


こう見ると結構ありますね、短い左払い。
《2》次に
その短い左払いが
直線でないことを確認してください。
左払いの正しい書き方は
すべてなだらかに下に凹みます。
(下に膨らむ、というのか、
下に反る、というのか…
しなる、というのか…)
「下に反る」
これは
長い左払いであれば書きやすいですが
短くなればなるほど直線になりやすいです。
どんなに短くても
それが「左払い」であるならば
直線ではありません。
と言いながら
私も「できていなかったらどうしよう」と
後から自分の書いた字を見返して
できてはいましたが、
そこは無意識で書いているので
ちょっと焦りました。
手にちゃんと良いクセがついていた
ということで
「よかった」「よかった」。
直線になりやすい短い左払いを2つ見ていきます。
《しめすへん「礻」の左払い》
「ころもへん 衤」ももちろん同じです。

《ほぼ真横の方向に向かう左払い》

短い左払いが直線でなくても
字は子どもっぽくはならないし
カッコ悪くないので
安心して弧を描いてください。
「小学校の先生」

「花香る季節」

「修学旅行は秋」

「笑顔が一番」

短い左払いって結構多いですね。
意識して書くようにしてみましょう。
この左払いを直すのは
始めは手のクセとの戦いになると思います。
がんばりましょう。
《ミニおまけ》
しめすへん「礻」・ころもへん「衤」の書き方で
「うん、知ってる知ってる~」というポイントに
これがあると思います。

右側を揃えるというルール。
これは大丈夫ですね。
《ビッグおまけ》
しめすへん「礻」・ころもへん「衤」の
左払いの長さ
ですが、

よくある
しめすへん、ころもへんのこれ、
間違いです。
ここが長くなってしまう理由は4つ
・知らないから
・長くすればきれいだと思っているから
・手のクセ
・左払いを直線的に書いているから
左払いをちゃんと反って書けば
線は長くなるので、定位置で止まれます。
直線で書いているから
どこか長さに物足りなさを感じて伸ばしてしまう……
「一つの嘘は他の嘘を生む羽目になる」
と同じです。
「一つの間違いは他の間違いを生む」ことになってしまいます。
だから
左払いは
どんなに短くても
下に反って書いてください。
ちなみにカタカナの「ネ」は
しめすへん「礻」が由来ですが、
これで合っています。

(しめすへん・ころもへんの書き方の細かいポイントはまた別でやります。)
漢字は
何でも線を長く書けばカッコいいわけじゃない
何でも直線的に書けば大人っぽいわけじゃない
正しく書いても
それはカッコよく、ちゃんと大人っぽい。
私の字が証明です。
(あれ、楷書はダサくはないのかもしれない)
右払いと同様、
左払いが直線になる原因は
手に力が入りすぎてしまっている可能性があります。
人間の手は放っておいても
気にしなくても
円を描くようにできています。
一度
「真横に 真横に」と、
真横に向かう左払いを本当に真横に書こうとしてみてください。
実はこれ、真横になかなか行きません。
「真横に 真横に」に思って書いても
手はそこで円を描こうとするので
自然と少し下に、そして少し凹みます。
これが手の自然な動きです。
しめすへん・ころもへんは特に顕著ですが
左払いが直線になってしまう理由のもう一つに、
「脚長にしなければ」
という知識を持っているがため、
下の線を長く書くために
左払いのその膨らみを手と脳が嫌がるからです。
大丈夫です。
下に膨らんでも脚長にちゃんとできます。

払いが直線的になってしまうのは
長年で染み付いた
あなたの「字のクセ 手のクセ 脳のクセ」です。
「クセ」の恐ろしさが分かります。
「習慣」の威力が分かります。
いいクセも悪いクセもきっと触れ幅は同じ、
いい習慣・いいクセをつけましょう。
この短い左払いをバカにしない
一本の線の間違いは
字のうまさに影響する度合で言えば
それはそれぞれ違います。

右側の間違い△の方がおかしいように。
ただ、それが
「一本の線」であることに違いはありません。
同じ一本の線、
どれも同じ一本の線、
短くてもどれだけ大切に書けるのか、にかかっています。
第一歩は「知る」「分かる」です。

私はこれからも字の隅々まで見逃さず観察していきます。
私が字を見ているのか、
字が私を見ているのか、分からなくなるほどに。
その極端に短い左払い、
その0.1ミリの差異、
しっかり見られています、私に。
…と
人のことは、深く深く
その感情までも無意識に観察するくせに
いざ、自分となると…
意外と人に見られるのが恥ずかしい永野です。
(鬼は意外と可愛いのかもしれない。)
(一番いらん情報。
いつも…いい話が台無しになる終わり方…失敬)