『レモンキャンディー』第4話
大学生になった華は、新しい世界への一歩を踏み出していた。しっかり者の華だが、やはり最年少ともなると大学という世界に身を置いて初めて、自分がまだ子供であるということを実感した。もちろん、法律上では大人の扱いなのだが、できないこともたくさんある。分からないことも多い。人からは、きっと教わることばかりなのだろうと思った。
そんな謙虚な姿勢でばかりいられる人も多くはない。大学4期生で、もうすぐ卒業間近の彼氏のヘブンは、イギリス人だ。つまり、二人の子供はハーフということになる。
「私たち、きっと若くして子供産んで、忙しくなると思う。でも、アウトドアの趣味に出かける時間はちゃんととりたいの、そしたら家で赤ちゃんの面倒、ヘブンが見ててね?」
そういう約束を交わした。
当のヘブンは、というと、日本語も大してしゃべれる訳でもないのだけれど、今時日本では外国語で地元のカフェだって対応してくれる、と言っており、自分には怖いものなし、の一点張りの自信満々な態度で生きている。その結果、4年で卒業できなくなり、大学を一年留年することになったらしい。甘いと思っていた世の中で、教授から締め切りに遅れたと因縁をつけられた、と主張していたのはいつのことだったか。その話を聞いたときにもまた、私はレモンキャンディーをなめていた。ストレスだったんだろうな。