
【掌編】虹彩輝く神殿のプリズム
おばらきー🍀
急に蒸し暑くなっちって体が追いつかねぇべよ〜
本編
若葉が芽吹く初夏の森の奥。
神殿では端午の節句を告げる祭礼が始まろうとしていた。
巫女たちが見物客に怒鳴る。
「大神子様がお通りになります!」
「道をお開けください!」
「邪魔にならないように端へ寄りなさい!」
ざわざわとした人混み、鳥のさえずり、枝木が揺れる音、流水、様々な音色が森からこだましていた。

ドン…ドン…
重い太鼓の音が土を揺らす。
「まもなく!大神子様の御通りでございます!」
ドン!ドドン!
土を揺らす太鼓の音と共に煌びやかな打掛をまとった神子が神殿へ向かってゆっくり歩いていく。
「大神子様、こちらでございます。」
「大神子様。森の神様がお待ちになっております故、どうぞ謁見ください。」
大神子は小さく頷く。
神殿の重い扉が開く。
大神子は一段上がると、大衆に頭を深く下げ、暗闇の中へ消えていった。
重々しい音と同時に扉は閉まった。
ドン…ドドン…リィーン!
他の巫女たちは大神子の無事を祈り、舞い踊る。
人々は童歌を歌い、陽気に歌う。
森の中から木漏れ日が差す。
木漏れ日は神殿を照らす。
反射して虹色に輝く。
プリズムとなって神殿が虹彩をまとう。
陽が暮れるまで大神子は出てこなかった。

TALESで連載始めました
のんびりマイペース更新ですが、TALESにて1話完結型長編カレンダー物語として連載を始めています。
※リンクの貼り方分からん…