
‖親子って?‖前編‖ゆっちゃん(自閉症)と白い空を見た父(OT)
·大型遊具の上のバブー
「だれかぁ、助けてぇー!」
自閉症のゆっちゃんが
大型の複合遊具から降りられず
大泣きしている。
「ほら、手を貸すからこっちおいで!」
下からなんとか手を伸ばすも、
必死なのか、
足で振り払われる。
たくさんの子供たちが
待っていて、
流れが詰まっている。
大泣きの小学3年生が
「バブー!」
周りのこども達は
ポカーンとして、
声は誰よりもも大きく
喧騒の中においても
完全に浮いている。
·3歳の身体バランス
今日は
ゆっちゃんといつもより足を伸ばし、
訪れたことのない
臨空公園に行った。
遊具はとても充実していて、
滑り台が数種類ある様な
カラフルで大きな複合遊具
が2台もあった。
ゆっちゃんは小さい方の複合遊具に
走っていく。
滑り台を中心に
左右からアプローチがあるタイプだ。
周りの子供たちの年齢層を気にしつつ、
声をかける。
網状ロープで緩やかな傾斜を作っている
ゆっちゃんは緊張した面持ちで
片手で手すりにつかまりながら
右足を一歩そして、左足をその隣に置く。
チョコチョコと進んでいく。
ひょいひょいとその横を
小学生くらいの
男子は通り抜けていく。
その揺れにゆっちゃんは
1回1回立ち止まる。
少し上では、
「いいぞ、おいで、おいで」
パパに優しく声かけられている
3歳ぐらいの男の子がヨタヨタ登る。
「発達的には同じくらいかな。。」
登り切ると、
滑り台は滑らず
そのまま反対のアプローチにいく。
傾斜は30度。
とてもゆるやかだが、
ゆっちゃんは
座って下りはじめた
登る用に
傾斜に横板が設置してあるものに
腰掛けて下っていく。
隣を通り抜ける女の子は
怪訝そうな顔の様に思えた。
「立ってもいいんじゃない?!」
と声をかけるが
本人の耳には届かず。
それでも
そのまま、降りきった。
そして、ゆっちゃんは再び登り始め、
親の心配など無用で
最初よりも慣れた様だ。
·恥ずかしいのは誰?
そして天辺につく。
先程はスルーした滑り台。
斜度によっては本人は怖がる。
定型児であれば
ゆったりとした幅の広い
なんのためらいもなく飛び込める滑り台。
ゆっちゃんは
緊張した面持ちで
しっかりと
手でヘリをつかみつつ
滑りきった。
何の躊躇もなく
何の引っかかりもなく
滑るのが当たり前なのか?
我が子の
緊張した顔を
恥ずかしいと思う方が
馬鹿げてる事を
思い出した。
やりきったゆっちゃんは
私のことなど目もくれず、
そのまま
冒頭の大型複合遊具に駆けていく。
・八方塞がりの大ピンチ!
一瞬、ゆっちゃんを見失って
大型複合遊具に目をやると
はしごを登り切ろうとしていた。
ただのはしごではなく
湾曲していて、
戻るのは不可能なように思えた。
その後、
一番上まで登った様子を
下からなんとか見えた。
結構な高さで
滑り落ちる勢いをなんとか
殺そうと波形になっている
滑り口。
ゆっちゃんは
声をあげ、後退りしつつ
おりている姿が見えた。
頭上位の高さで
やっと声をかけられる位に降りてきた、
ゆっちゃんの前には
アスレチックの1本ロープ
が行く手に待ち構えていた
一歩進むと
足元を左右に揺さぶる。
ゆっちゃんは
大声をあげて戻った。
その後、
さらに後退し、
湾曲したはしごまで戻る。
反対側には波形のそれ
より断然低い滑り台があった。
ゆっちゃんが
その先を覗き込むと
真下に落ちている。
いわゆる
フリーフォール滑り台で
傾斜は80度。
そして
ゆっちゃんは冒頭の様に
大声で泣き始めた。
(後半に続く)