
🍒子どもの詩072 Theme-37
〜コオロギの母〜
子どもの詩を紹介するnoteです。
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かわいい存在だと思っていた物が、急に牙をむく。心理学的意味から言っても、この落差は恐怖です。
コオロギの母親が、子どものコオロギを食べる様子を見た1年生の女の子は、その後どんな行動をとったのでしょうか。
子どもを食べた
めすのこおろぎが
こどものこおろぎをたべたよ
あたまを二本のあしでぎゅっとおさえて
かおをくびにちかづけた
とんがった口をぐにゅぐにゅうごかして
かんでたべたよ
くびをたべたら
こんどはおなかをたべた
おなかのなかから
きいろいぷるんとしたもんが
つるっとでてきたよ
めすのこおろぎはおいしそうにたべたよ
ぷるんとしたもんを
ぜんぶのあしでおさえつけて
口をびようんとのばして ごくってのんだよ
にちかがじいっとむしかごをみてたら
めすのこおろぎは
もっと食べたいなってかおして
もういっぴきたべにいったよ
かわいそうやから
こどものこおろぎをもって
かだんににがしてあげたよ
めすのこおろぎはぞくっとして
くさのなかにかくれたよ
こどもをたべんとくさたべたらええのに
こどもたべたらあかんのに
きょうぼうなこおろぎや
にちかはこわすぎて
めすのこおろぎがこどもをたべたこと
ままにはないしょにするよ
1年 にちか
カマキリのメスがオスを食べて、それを栄養源にして卵を産むという説があります。単に、動く物に反応しただけだと主張する学者もいます。カマキリは、しゃべらないので類推でしかありません。スズムシを小さなケースでたくさん飼っていると、いつの間にか数が減って、適正数に落ち着きます。共食いです。昆虫の世界は、まだまだ未知の世界で、分からないことが多いのです。
コオロギの母親が、子どものコオロギを食べる。人の世界に置き換えると「親の子殺し」、「嬰児の遺棄」に通じる不条理の極みです。
この残酷極まるコオロギ親子のワンシーンを、知らず知らずのうちに自分と母親に当てはめて、「ままにはないしょ」へとつながっていきます。
にちかちゃんにとって、自分たちの生きる不条理な世界を、生まれて初めてかいま見た日となったのではないでしょうか。