
🍒子どもの詩Anthology -6
子どもの詩を紹介するnoteです。
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詞華集(6)「ファミリー」
おじいちゃんの帽子
おじいちゃんのぼうしは
あせと土のにおいでとってもくさい
ぼうしには「JA」と書いてあって
いつもどろだらけ
私の家に来る時もごはんを食べに行く時も
ずっとずっと同じぼうしをかぶっている
私はそれがずっとはずかしかった
夏休み おじいちゃんが家に来てくれた
おじいちゃんは真っ黒に日やけしていて
いつものぼうしをかぶっていた
おじいちゃんのトラックには
ピカピカのトマトやキュウリ
ナスがたくさんのっていた
「れいに食べてほしくて
じいちゃんがんばって作ったんじゃ
たくさん食べて大きくなれよ」
とおじいちゃんはいった
おじいちゃん
私は少しかなしい気持ちになった
おじいちゃん
ごめんね
私はおじいちゃんのぼうしが
とってもとっても大好きになったよ
ずっとずっとじいじのぼうし
大切にしてね
3年 れい
おとうさんとぼくのくわがた
六月からはじまった
おとうさんとぼくのくわがたのぼうけん
ばんごはんをたべおわったら
しゅうごうのあい図だ
虫かごはもったか!
長ぐつははいかた!
あみもちゃんともてよ!
かいちゅうでんとうもじゅんびはいいか!
ぐん手もはけよ!
さぁ 出ぱつだ
くらいさかみちをのぼって行く
木のみつのすっぱいにおいをたよりに
さがすぞー!
しずかに!
しずかに!
シー
シー
ぬき足 さし足 しのび足
パッとかいちゅうでんとうをつけると
木のすき間に
いた!いた!
ぬき足 さし足 しのび足
ひっさつたこやきぼうの出ばんだ
ぼくがくわがたを
かいちゅうでんとうでてらして
おとうさんがくわがたをとる
とれた!とれた!
虫かごをあけてそっといれろよ!
またいた!いた!
ぬき足 さし足 しのび足
おっとっと にげられた
こんな日もあるさっ!
あーもうすぐ夏がおわるんだなぁー
ぼくたちのぼうけんももうおわりだ
らい年はもっとたのしいほうけんにしようね
おとうさん
2年 かいと
妹は雨がすき
六月二十二日 日曜日
朝の六時にぼくは起きた
雨がふっていた
「いやだなあ」と見て思った
ぼくの心が泣いた
ハアッと大きくため息をついた
ぼくのあごがかくんとなった
残念だ
今日はお父さんとキャッチボールと
ピッチングの練習をする日だった
お父さんが「しようがないな」と言った
ぼくは「ああ つまらんなあ」と言った
でもぼくとは反対に
横で妹がにやにやして立っていた
何だかうれしそうだった
妹は「お兄ちゃん 遊ぼ」と小さな声で言った
しぶしぶ遊んでやった
運がないなあと思いながら遊んでやった
でも思ったより楽しかった
オセロやブロックを何回もした
ぼくの方が力が入っていた
お母さんが「昼ご飯やで」と言った
いつの間にか五時間もたっていた
妹は片づけが終わった時
いつの間にか気持ちよさそうにねてしまった
お母さんが「かわいいな」と言った
ぼくは「うん」とうなずいて答えた
赤ちゃんみたいだった
いつもけんかするけどかわいかった
今日は楽しい一日になった
まどの所にさかだちのてるてるぼうずがあった
妹が作ったんだな
ぼくはくすくすっと笑ってしまった
4年 いつき
見える幸せ
夏休みにお兄ちゃんが
「明日の朝おばさん家から20km走って
家まで帰る」と言っているのを聞いた
ぼくは明日の朝早起きして
一緒に走ろうと思って早くねた
お母さんが「たつには無理
絶対ダメ」と言ったけど
どうしてもお兄ちゃんと一緒に走りたかった
次の朝お兄ちゃんが
2kgのおもりをつけて走り出した
ぼくもあわてて飛び出した
あわてたので水とうを忘れてしまった
走り出すとザーザー雨が降ってきた
目の中に雨が入って前が見えにくい
お兄ちゃんが
「たつ大丈夫か」と聞いてくれた
畑をどんどん進んで行くと
お兄ちゃんが「道まちがえた」と言った
ぼくは少しこわかったけど
「大丈夫 行こう」と言った
川が流れていて知らない道がずっと続いた
知らないおばさんが
「がんばれ」と言ってくれた
途中でのどがかわいておにいちゃんに
「のどがかわいた」と言うと
ばあばんにもらった五百円で水を買ってくれた
今度はお腹が痛くなって
お兄ちゃんに「お腹が痛い」と言うと
お兄ちゃんは止まって
「少し休もう」と言ってくれた
お兄ちゃんと川を見ながらすわった
お兄ちゃんはぼくが何年か前に目を手術して
見えるようになった話とか
大きい手術で
大勢のお医者さんが
手術を見にきたという話をした
お兄ちゃんは「たつの目が良くならなかったら
一緒に走れんかったな
走るのは一人より二人の方が楽しいな」
と言った
ぼくは周りの黄緑の畑やキラキラ光る川を
見ることができて良かったなと思った
もう少し走ると
家の近くにあるお店の看板が出てきた
「お兄ちゃん あと二〜三kmって書いとう」
と言ったら笑っていた
家に着いてお兄ちゃんが
「たつ 大丈夫だったか
がんばったな」と言ってくれた
次の日お兄ちゃんと遊ぼうと思ったら
お兄ちゃんは熱を出してねこんでいた
ごめんな
お兄ちゃん
6年 たつき
大仏の鼻の穴
大仏のすわっている後ろの柱に
穴が開いている
大仏の鼻の穴と
同じ大きさの穴が開いている
その穴を通り抜けると
願い事がかなうんだって
ぼくも願い事をしながら通ってみた
鼻の穴は思ったより小さくて
子供のぼくでも大変だった
後ろをふりむくとお母さんが並んでいた
ぼく達が「絶対ムリや」って言ったのに
自信マンマンでお母さんが並んでいた
ぼく達が「つっかえるー」って
大さわぎしていたら
知らない人達かいっぱい集まってきた
いよいよお母さんの番
ぼくはハラハラドキドキ
「大丈夫かなぁ」
次のしゅんかん
お母さんがくるんと回転しながら
笑顔でピースしながら出てきた
通れた!びっくり!
後から聞いたけど‥‥
お母さんもホントは
ムリだと思ってたんだって
次の日はお姉ちゃんの足の手術だった
みごと成功!
きっときっと
お母さんのお願いがかなったんだね
知らない人にも
いっぱい応援してもらったもんね
いつもけんかばっかりだけど
ぼくもこっそり
おねがいしてたんだよ
6年 だいち
ぼくの生まれた日
ぼくの生まれた日
プレゼントがもらえる
お父さん お母さん 妹
みんなが「おめでとう」と言ってくれる
暖かいろうそくの火
ケーキやごちそう
ぼくの心はとても満たされる
でも笑顔のうらで不思議に思う
「なぜぼくを祝ってくれるのかな」
ぼくの生まれた日
お母さんがぼくを産んでくれた日
お母さんの方がよっぽどすごいじゃないか
ぼくを産んだ日にお母さんは
初めて「お母さん」になったんだ
お父さん おじいちゃん おばあちゃん
みんながお母さんに「おめでとう」と言った
ぼくが生まれた日
お母さんが「お母さん」になった記念日
だからぼくは
お母さんに金メダルをおくろう
6年 りゅう
お母さんと見る花火
お母さんと花火を見ました
お母さんが次上がる花火は何色か
当てあいっこしようと言いました
「赤!」「緑!」「むらさき!」
お母さんとめちゃくちゃ言いあった
お母さんとめちゃくちゃわらった
お母さんが
「あと何回いっしょに見れるかな」って
ぼくは「ずっと見られるで」って
お母さんはかなしそうな顔をした
「大きくなったら友達と見たり
大切なだれかと見るんやで」って言うから
「お母さんが大切や」とぼくは言った
花火がとてもきれいだった
4年 ゆう
