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🍒子どもの詩306 Theme-109

      〜大切なもの〜

      ママが赤ちゃんを産んで、初めて私に弟ができた時の喜び。愛情が、自分以外にも及ぶことを知った哀しみ。二つの感情が、一つの詩に書き込まれます。この感情の同居ぶりは、子どもにしか正しく理解できません。そして、いつかは忘れていく気持ち。よくぞ、書き残したものだと思います。
     Akiyama Uです。子どもの詩を紹介しています。
           🔹
       大切なもの
    私がようち園の時
    朝おきたらママがいなかった
    かわりにおばあちゃんがそばにいた
    ママは赤ちゃんをうみに行ったんだと
    すぐに気がついた
    さんいんからでん話がかかってきた
    赤ちゃんが生まれた
    元気な男の赤ちゃんだ
    やった!弟が生まれた
    私はでん話の前でジャンプした
    でもその日からしばらく私は
    おじいちゃんおばあちゃんと
    ねなくちゃいけなくなった
    ママがいないので  かなしくてさみしくて
    なみだがポロポロおちてきた
    私はもも太ろうの話を
    弟にしてあげようと思った
    一生けんめいおぼえた
    弟といっしょにボールけりや
    かけっこもしたいと思った

    ママがかえってくる日がきた
    弟をだいてかえってきた
    弟はまだ首もすわっていなくて
    口を大きくあけてオッパイをさがしていた
    なんだか思っていたのとちがった
    もも太ろうの話をしてもねていたし
    ボールあそびもできない

    その日は花火大会だった
    おじいちゃんとおばあちゃんと見に行った
    私は一人で歩けると
    おじいちゃんの手をふりほどいた
    おじいちゃんは車が来るとあぶないからと
    私をつかまえた
    私はおじいちゃんをたたいた
    何だかよくわからないけど何どもたたいた
    おじいちゃんは私をギュッとだきしめてくれた
    おじいちゃんの体はとてもあたたかかった
    わたしはうぇーんとないた
    ないて花火がよく見えなかった

    弟は今年  三才になる
    まだコマつきだけど自てん車にだってのれるし
    サッカーボールだってけれる
    私のあとをおいかけてくるし
    私が本をひらくと
    「これなぁに」ときいてくる
    弟はいつも私が学校からかえってくるのを
    まっていてくれる
    私は弟がいてくれるから
    おふろもごはんも毎日とても楽しい
    私の大切なもの
    弟のりんたろう
         2年 ももね

     弟に話して聞かせたくて、一生懸命に「桃太郎」の話を覚えたこと。花火大会の夜空が、なぜだか涙でよく見えなかったこと。色々な感情を子ども時代に置き去りにして、ももねさんは成長したことでしょう。でも、忘れてしまっても大丈夫です。ももねさんの記憶の中に、ただ静かに眠っているだけですから。
           🔹
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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