
🍒 きょうだい児
〜子どもの詩337 Family-54〜
特別な事情で、自分の感情を押し殺しながら生活せざるを得ない子ども達がいます。少しずつではあるけれど、そんな子ども達の心を慮(おもんぱか)る風潮が出てきたことは、とても意義深いことだと思います。
きょうだい児は、「障害」や重篤な病気を抱えた子どもの兄弟姉妹を指して言う言葉です。兄あるいは姉、また弟あるいは妹に「障害」や病気がある時、家族からの意識が自分の向けられにくくなっていく。そして、自分自身が良い子でいなくてはいけないと自分を押し殺し、我慢することが常となります。
良い子でいることは悪くないとしても、甘えたい時に甘えられず、親からの関心を遠慮する育ち方には、大きな無理が生じます。きょうだい児として育った人たちが中心となって、きょうだい児として今育ちつつある子を集め、自分が中心の時間を親子で作り上げる取り組みが、テレビ放映されていました。親が亡くなった後の不安を抱え、プレッシャーになっている児童もいるようです。同じ立場の子どもの存在、支えてくれるグループの存在を知ることにも大きな意味が感じられます。
Akiyama Uです。子どもの詩を紹介しています。今回は、きょうだい児の作品を紹介します。
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わたしの弟
君が生まれた
うれしく 今すぐ友達に教えたかった
頭の中は君でいっぱいだ
これからわたしはお姉さん
しかしある事を知った
しょうがいがあったのだ
お父さんとお母さんが泣いていた
君はしょうがいがある事を知っているの?
君はどんな気持ちなの?
そんな事を思っているうちに
わたしは悲しくなった
なぜならわたしは
しょうがいになったこともないし
見たこともなかったからだ
君がかわいそう
わたしは君がしゃべるすがたを思いうかべた
いつかはしゃべるはず
成長するはず
わたしには弟がいる
わたしが弟を大切にする
わたしの弟になってくれて
ありがとう
4年 あい
びょう気の兄ちゃん
「バッバッバ!」
きょうもおにいちゃんがしゃべっている
お兄ちゃんはびょう気でも
いつも元気な声でしゃべっている
「ズー」
きょうもお兄ちゃんがおひるねしている
お兄ちゃんはびょう気でも
いつもグースカいい気もちでねている
「マンマ」
きょうもお兄ちゃんが
おなかをすかせてしゃべっている
お兄ちゃんはびょう気でも
いつもおなかがへるとしゃべっている
「パッパッパー」
きょうもお兄ちゃんがわらっている
お兄ちゃんはびょう気でも
いつも明るい顔でわらっている
「ンー」
きょうもお兄ちゃんがおふろにはいっている
「スーカー」
きょうもお兄ちゃんがねている
お兄ちゃんはびょう気でも
いつもしずかにねている
ぼくのお兄ちゃんはねたっきりだけど
かぞくの宝もの
大事な大事なぼくのお兄ちゃん
3年 よしき
お兄ちゃん
ぼくのお兄ちゃんが中学一年生になった
お兄ちゃんのおいわいだ
おすしが食べられる
お父さんがおすしを買ってきた
お金はおじいちゃんが出していたらしい
お父さんがおつりをおじいちゃんにわたしていた
いろいろなおすしがあった
高そうだ
特にねぎとろがすきだ
お兄ちゃんがまちがえて
わさびのかたまりを食べかけた
お母さんが「それっ
食べたらあかん!」と止めた
ぼくはおすしがのどにつまった
あわててお茶を飲んだ
お兄ちゃんは ようご学校に行っている
せいふくを着た時は大きくて笑った
お兄ちゃんは物を投げる
あばれる
それでよくけんかになる
お兄ちゃんは力が強い
ぼくがあやまらせることもある
お兄ちゃんをおこるお母さんの声は大きい
そんな時
お兄ちゃんがかわいそうになってくる
ぼくはお兄ちゃんがすきだ
これからも仲良くしたいと思っている
5年 けんたろう
りょうのこと
ぼくの弟は足がわるい
だからよくこける
ドテッ
一日一回ぐらいはこける
だから病院に行きくんれんをする
りょうは野球がすきだけど
足が悪いからあんまりだしてもらえない
学校では「ひまわり学級」にはいっている
校舎の三階に行くときはエレベーターを使う
りょうは目もわるい
眼科の先生は「小さい画面とかに
集中するのがいい」と言っていた
でもりょうは大きい画面のテレビゲームをよくする
プールの時間
先生がりょうをプールにほうりこむ
バシャーン
だからりょうがぼくに悪口を言うと
「先生 今日 りょうを
プールにほうりこんでください」とたのむ
秋には祭りがある
祭りでは遠いルートを歩くので
りょうが大変になると思う
ぼくが中学生になっても大じょうぶか
りょうが班長になっても大じょうぶか
いろいろなやむ
未来のりょうの足はどうなっているのだろう
足がなおってほしい
ぼくはりょうを応えんし続ける
6年 ゆうじ
おこりっぽいお姉ちゃん
私のお姉ちゃんは理由があっておこりっぽい
私のお姉ちゃんはちてきしょう害という
なおせない病気のせいでおこりっぽい
なんたって頭の中は五さいなのだから
でもだからといって私はきらいではない
お姉ちゃんはおこりっぽいけど
とてもとてもやさしいのだから
私のお姉ちゃんはお母さんの言うことしか聞かない
だから私はお姉ちゃんの言うことに
ついていかなくてはならない
でもだからといっていやではない
お姉ちゃんも私の考えていることに
一生けん命ついてきてくれるからだ
もしもお母さんがいなくなったら
お姉ちゃんを支えるのは私の役目
私が分かりやすく説明して
ダメなこともしっかり注意しなくてはならない
だから今もお母さんが仕事に行っている間は
おばあちゃんとお姉ちゃんがけんかしないように
お姉ちゃんが泣かないようにしっかり見守る
お姉ちゃんには
その役目はお母さんの方がいいかもしれないけど
それでも絶対に見守る
5年 ゆずき
誰に言われたわけではないのに、「支える役割」を担おうと心に決めています。その事の重さを十分に知り尽くしているにも関わらずです。
社会全体で支える仕組みを一歩でも二歩でも進めて行くことが、きょうだい児の負担を軽減させることに繋がります。
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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。