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🍒"岐路で別れた"魚類図鑑

       ~子どもの詩  Anthology-15〜

     深夜から早朝にかけてのテレビショッピングで、「軟骨成分がナンタラカンタラ」とよく言っています。「軟骨」って弱そうな名前ですが、そんなに偉いんでしょうか。
     Akiyama Uです。子どもの詩を紹介しています。動物の進化過程と共に紹介して来たシリーズの、最終回です。進化過程の初期に生まれた動物、魚類が主人公。
           🔹

    "岐路で別れた"魚類図鑑

    《アジ》
                 アジをさばいた

    アジをさばいた
    アジは二十四ひきも入っていて安かった
    ぼくがアジをさばくのは二回目だ
    新聞紙をしいておいた方がいいな
    アジを冷蔵庫に入れて準備する

    アジを背中から切っていった
    一ぴき目は骨に身が残ってしまった
    どんどん切っていくとどんどんうまくなった
    たくさんさばいたので
    ゼイゴもどんどん指に突きささった
    魚は食べられても
    ゼイゴが引っかかるようになっとるんか
    うまいことできとるなと感心した

    お母さんがアジにパンこをまぶしていった
    フライにするとアジがふわふわになった
    家族六人でアジを食べた
    おばあちゃんが「おいしいね」と言ってくれた
    塩コショウをかけるとさらにおいしくなった
    アジの姿を思い出し
    食べるのが少しかわいそうになった
    ぼくはアジに「責任をもって
    きちんとおいしくたべるよ」と心の中で言った
         6年 まさき

    《アユ》
                 あゆつかみ大会

    おばあちゃんの家の近くで村のあゆつかみ大会
    いつもの川を大きな石で囲んで
    その中で好きなだけあゆをとる

    川はきらきらひかっている
    川に足をつけるとひやっとして
    ぬるっ つるん
    石で足がすべる
    まっすぐ歩けない
    好きなだけとれるのに歩くだけで精一杯
    結果は0ひき
    おねえちゃんは三びき
    さすがすごいね
    ちょっとくやしいな

    つかんだあゆをみんなでやく
    村のおにいちゃんが
    あゆがおよいでいる形に
    竹のぼうできゅきゅっとさす
    竹のぼうはたくさん作るのに
    とても時間がかかったみたい
    パッパッと塩をふって
    パタパタうちわであおぎながら
    今度は村のおじいちゃんが
    汗をふきふき焼いてくれる
    お父さんもいっしょに手伝って
    時々竹のぼうに火がつくと
    ふうーっとふいて火を消している
    じっとみていたら
    わたしの目がいたくなってきたよ

    焼いてもらっている間に
    もう一度あゆつかみにちょうせん
    今度は足もなれてきてあゆにタッチができたよ
    あゆはぬるっとして
    つるん ぴしゃん
    なかなかつかめない
    手に魚のにおい
    結果はやっぱり0ひき
    かわりに小さなカニをつかまえたよ

    ぷーんとおいしいにおいがして
    こんがり塩焼きの出来上がり
    魚はあまりすきではないけれど
    家族やいとことみんなでならんで
    川をみながらかぶりついたら
    あまくてしょっぱくてとってもおいしいよ
    遠くでセミがないていて川の風が気持ちいい

    小さい村の手作りのあゆつかみ大会
    サッシやさんが竹のぼうを作って
    村のおじいちゃんたちが川で安全なところを選んだ
    やさしくてあったかくて
    そこにいるみんながえがお
    とてもうれしかったよ

    来年はあゆを一ぴききっとつかまえる
    来年もおじいちゃんおにいちゃん
    みんな元気であゆつかみ大会計画してね
    楽しかったよ
    ありがとう
          4年 なな

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    清流の女王 アユ

    《カジカ》
       川遊び

    「やったー」
    今日  川に行くと聞いて  ぼくと弟は喜んだ
    お昼ご飯を食べてから
    古郡町のおじいちゃんの家に行った
    遊んだ川はおじいちゃんの家の近くにある猪子川だ
    そこには十センチメートルぐらいの魚がいた
    来るとちゅうに買った網で魚をとろうとした
    さすがにすばしっこい魚を
    網でとるなんて難しかった
    もぐっているとどんこみたいな動きの遅い魚がいた
    魚との激闘が始まった
    魚は石と石との間に入ってなかなか手強かった
    でも石の下に網をつっこみ魚を追いつめた
    すると降参したのか自分から網に飛び込んできた
    弟は二ひき お兄ちゃんは一ぴきぼくは二ひき
    合計五ひきとれた
    図鑑で調べたら「かじか」という魚だった
    おじいちゃんによると  かじかは高級魚らしい
    でも食べるのもかわいそうだし逃がすのもおしい
    家に持って帰ってもすぐ死ぬとお父さんは言う
    おじいちゃんは田んぼでどじょうを育てている
    もちろん食べるためだ
    その田んぼで育てることにした
    おじいちゃんが「ここやったら
    大きくなるぞ」と言った
    でも家に帰ってから思った
    結局  あのかじか達が大きくなったところで
    おじいちゃんの腹の中に入ってしまうのだろうなあ
         6年 ひろゆき

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    カジカ

    《アイナメ》
      うろことり

    おとうさんがアイナメをりょうりしました
    はらわたをブチューとだして
    うろこをほうちょうで
    シャッシャッとはがしました
    うろこがいきおいよくとんできて
    ぼくのかおにかかりました
    アイナメは目をキラッと光らせて
    ぼくをにらみました
    ぼくは
    「なむあみだぶつ」といいました
         2年 けんじ

    《サヨリ》
        サヨリ漁

    ゴォー
    さあ出発だ
    港はまだうすぐらい
    つぎつぎとでていく
    今日はどの方向へ行くのだろう
    お父さんの目がキリッとしている
    ぼくは船のデッキにたった
    お父さんの合図だ
    一番あみをひろげた
    二そうの船でひっぱる
    魚をどんどん追い込んでいく
    ガチャンガチャン
    あみをまいていく
    ぼくはワクワクした
    ピチピチはねている
    大漁だ
    ピカピカ光るサヨリ
    口は赤くてとんがっている
    すごくきれいだ
    バサッーとでてきた
    みんなでいそいで仕わけだ
    大 中 小
    ぼくもどんどんわけていった
    ザックザック
    氷を入れていく
    魚は新せんが一番なんだ
    「よっしゃ次行こか」
    一番あみが終わった
    ほっとした
    次はどこへ行くのだろう
    デッキにたつと潮風のにおいがした
         6年 ゆうじ

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    針魚と書いて、「さより」と読みます。

    《シラス》
        しらす漁(※イワシの幼魚)

    きょうもしらす漁や
    ぼくは休みの日ずっとしらす漁や
    四時におきてしらす漁や
    ぼくの家の船は幸永丸や
    ソナーやレーダーや魚ぐんたんちきや
    むせんやらようさんついとるで
    だからしらすがいっぱいとれるんや
    冬になったらカキもするしいかなご漁にもいくで
    いかなご漁の最こうは
    五百四十かごくらいとったことがあるで
    すごいやろ
    ぼくはラジオたいそうもあまりいかんとしらす漁や
    家の幸永丸はかっこええで
    めっちゃとるしな
    みんなと行く所がちゃうからな
    かっこええ!

        5年 ゆうと

    《キンギョ》
       ぼくの大事な金魚くん

    わが家に金魚がやってきた
    兄ちゃんといっしょに買いに行った
    すごくかわいいのがいた
    コメットというしゅるいの金魚を買った
    とても元気な金魚
    三びき買った
    家に帰ってさっそく名前をつけた
    一ぴき目は金
    体が大きくて強くて黒赤もよう
    二ひき目はコメ
    小さくて赤白もよう
    三びき目がたま
    一番元気で泳ぐのがとてもはやい
    もようは赤白
    泳いでいる三びきをずっと見ていた
    かわいい
    えさをやるのはぼくのしごと
    えさをやるとぱくぱく食べた
    とてもおいしそうに食べた
    でも少し見ていると
    ぺっ
    とつぜんえさをはき出した
    どうしたのかな
    食べないえさがたまってこまった
    ちゃんと食べてよ
    食べてくれるようにぼうでつんつんした
    金魚の近くにやったけどむり
    するとまた口の中に入れてもぐもぐ
    そして ぺっ
    くりかえしている
    よく見てみるとえさをちぎっている
    大きくて食べられなかったんだ
    しばらくするとえさをちゃんとたべていた
    ああ よかった
    二年生の時コメがしんでしまった
    そして三年生
    えさをあげようと水そうを見た
    金が水そうの中でうかんでいた
    どうしたんだろう
    指でやさしくつんつんした
    全ぜん動かない 金
    やばい
    近づいてきてくれない
    元気な時はぼくの指に近づいてきたのに
    いきをしていなかった
    なんでやろう
    一生けんめい育ててきたのに
    どうしてしんでしまったんだろう
    さみしいな
    生き物をかうのはむずかしい
    今水そうにいるのはたまだけ
    たまは金とコメをさがしているみたい
    たまもさみしいのかな
    たまがいなくなったらいやだ
    だから長生きしてほしい
    水そうをきれいにするよ
    えさもちゃんとあげるよ
    いつまでも元気でいてね
         3年 こうた

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    コメット

    《メダカ》
        めだかのお母さん

    めだかのお母さん
    明日たまご生みますか?
    きのうからプクプク小さなあわを出してくるしそう
    プクプクプクプクくるしそう
    くるしそう
    今日の夜には水草にたまごを生みますか?
    ヨイショヨイショヨイショと
    たくさんたまごを生みますか?
    もしねている時におなかがいたくなったら
    背ビレでパンパン水そうをたたいて
    私のことをおこしてね
    パンパンパンパンしらせてね
    明日の朝には水草に  小さな小さな
    まん丸たまごがくっついているかしら?
    あさっての朝には  もっともっと
    まん丸たまごがくっついているかしら?
    その次の次の日には
    小さな赤ちゃんがおよいでいるかしら?
    とってもとっても楽しみ
    めだかのお母さん
    明日たまご生みますか?
         2年 ほのか

    《コイ》
           三十センチのこい

    新河池でお前はえさのミミズにとびついてきた
    あのときの引きはなかなかだったぞ
    お前の太った体は  水そうが小さく見える
    おなかがすくと砂利を食べる
    えさをやりわすれても
    お前はがまんしてくれた
    そのたくましい体は  まさに淡水魚の王様だ
    お前の特ちょうは  あの太いひげだ
    いかにも王様気分だ
    もっと大きくたくましくなれ
         6年 まさと

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    無顎類「ヤツメウナギ」

     魚類は、顎骨の無い「無顎類(むがくるい)」から始まりました。今もヤツメウナギやヌタウナギとして残っています。顎がないので、食べることが苦手。幼生の頃は、川底にある泥の有機物を食べていますが、成体になるとエサをほとんど食べなくなります。そんな腹ペコ人生は、楽しくありません。
     そこで次に進化して登場するのが、有顎類(ゆうがくるい)」でした。種類は二種類同時期。決定的な違いを持つ二種。これが、その後の進化の分かれ目となります。分かれ目より、「別れ目」か。
     硬い骨を持つ硬骨魚類と、軟らかい骨を持つ軟骨魚類。硬骨魚類は、姿を変えつつ今いる魚の大部分となりました。そして軟骨魚類もまた、元気に生きています。サメやエイ。

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    軟骨魚類「ホウジロザメ」

     あれっ!あの恐ろしいサメが、軟骨?そうなんです。軟骨のみで出来ています。サメの軟骨を原料とするサプリメント、「コンドロイチン」や「1型コラーゲン」は、今では膝関節をサポートするヒット商品となりました。
     軟骨は密度が硬骨に比べ、半分です。だから重さも半分で軟らかい。素早い動きに特化した魚、それが軟骨魚類。サプリメントの素だから、関節痛は起こしません。
     サメの場合、無駄な筋肉までそぎ落としているので、もうやりたい放題です。だからほぼ姿を変えることなく、今の時代に至りました。
     弱点は、重力への弱さ。軟骨は弱いので、止まると重力に押しつぶされます。釣り上げれたサメは、急にヘナヘナになってしまうのです。
     硬骨魚類のような浮袋がないので、止まるとどんどん沈みます。つまり軟骨魚類は、泳ぎ続ける人生を送らなければならないのです。大変な人生です。
     軟骨ばかりだと成長が遅いし、子どもをたくさん作ることができません。スーパーマンも、実は苦労が多いのですね。
     硬骨魚類はじっとしていても沈まないし、繁殖力も旺盛ですから穏やかな一生を送れます、と思ったら大間違い。サメとかエイとか、ギャングに襲われるから、何とかしなければ生き延びられません。
     そこで、あるものはサメに取り入って、「コバンザメ」に採用され、僕(しもべ)となって生き延びる。なんとコバンザメは、サメと名の付く硬骨魚類なのです。

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    ジンベエザメに張り付いて泳ぐ、硬骨魚類「コバンザメ」

     またあるものは、「スイミー」という名の小魚になって、群れを作って生きていきます。

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    「ぼくが目になろう」のスイミー

     またまたあるものは、「二モ」という名のかわいい魚になって、イソギンチャクとの共生関係で生きながらえていく。

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    イソギンチャクに守られる「カクレクマノミ」

     まとめて言うと、硬骨魚類は様々な魚へと進化することで生き延びていくわけです。
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     最終的に、硬骨魚類は両生類に進化して陸に上がり、その後は哺乳類、つまり人類にまで進化を遂げていきます。逃げて逃げて、逃げ続けて辿り着いた一つの終着点が「ヒト」だったわけですね。
     私達人間は、「ジョーズ」という名の人食いシャークを見ると、たとえ安全な場所にいたとしても恐怖に慄いてしまいます。それは、遠い昔の記憶が蘇って来るからかも知れません。
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     動物の進化過程と共に、動物詩を紹介してきました。最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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