
🍒子どもの詩060 Theme-25
〜手帳〜
子どもの詩を紹介するnoteです。
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使い終わった手帳。新しいのと取り替えて、役割を終えた手帳は廃棄されます。でも、どうしたって捨てられない手帳もあります。
お父さんの手帳
十才のたん生日の夜
お母さんからわたされた一冊の手帳
その手帳はお父さんの手帳
わたしが生まれて六カ月の時に
お父さんは病気で死んだ
だからその手帳の字は
わたしが初めて見るお父さんの字
病気で入院している時
日記のように使っていた手帳
病院の食事のこと 薬のこと
お医者さんからの注意
ふるえたような文字だけど
一生けん命書いてあった
わたしとお母さんのために
一日も早く元気になって帰ろうと
がんばっている文字だった
でも不安でいっぱいそうな文字だった
お父さんの字は
手帳の三分の一ぐらいで終わった
その後のページは
お母さんの字が書いてあった
わたしとお父さんの
六カ月間が書いてあった
わたしがぜんぜん
おぼえていないことばかりだけど
あたたかい気持ちになった
「まいか がんばれ」って
十才のたん生日に
生まれて初めての
お父さんからのプレゼントみたい
安心してね
わたしにはいっぱい
おうえんしてくれる人がいるから
とってもとっても幸せだよ
4年 まいか
手帳一冊一冊が、それぞれの場所で、それぞれの役割を果たしています。まいかさんにとっては、単なる手帳を超えて、お父さんとの繋がりそのものになりました。