
🍒羨ましい見送られ方
〜子どもの詩493 Family-88〜
人が亡くなった際、遺体の枕元や胸元にナタ(鉈)などの刃物を置く風習が、今も一部の地域に残っています。
一つは日本に古くから伝わる、「守り刀(まもりがたな)」という葬送方式に基くもの。もう一つは山深い地域で、狼や狐などの野生動物から遺体を荒らされるのを防ぐという、現実的な防犯・魔除けの意味に基くもの。
Akiyama Uです。子どもの詩を紹介しています。
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ひいおばあちゃんの死
夜十一時すぎ おばあちゃんからの電話
「ひいおばあちゃんのようたいが わるくなった」
私たちは山本町の病院へ急いで行った
でもひいおばあちゃんはもう家に帰っていた
私たちも ひいおばあちゃんの家まで行った
ひいおばあちゃんは ゆかたすがたでねていた
両手をむねの上で合わせていた
おなかの上には「なた」が置いてあった
「ひいおばあちゃん 死んでもうたがよう
なあ ゆいちゃん」
ひいおじいちゃんが言った
えっ 本当に死んでしまったんだ‥‥
私はむねが熱くなった
次の日おじいちゃんが「最後やなあ
みんなで体をふいてきれいにしてあげよ」と言った
おじいちゃん おばあちゃんたちが
着物をぬがせて体をふいた
私と妹は「おなかが黄緑色になっているなあ」
「なんでこんな色になったんやろう」
と言いながら体をふいてあげた
「病気だったからかなあ
人は死んだら変わるんやで」
とお母さんは教えてくれた
なみだでいっぱいになってきた
動かないしつめたくなったひいおばあちゃん
悲しくなった
ひいおばあちゃんは
きれいな白い着物を着せてもらった
おかんの中でねむっている
「天国に行けるようにお金を持たせてあげよう」
と十円玉を入れてあげた
一人でさびしくないように
キューピーの人形も持たせてあげた
そしておそうしき
おしょうこうの順番が回ってきた
私はけむりと悲しみで息がつまりそうになった
「ひいおばあちゃん 天国へ行ってね」
と私はいのった
「ひいおばあちゃんに
つるの折り方を教えてもらったなあ」
「つえをついたひいおばあちゃんと
よく散歩したなあ」と
お母さんと思い出話をした
火そう場へ行っておこつを拾った
竹のはし一本と 木のはし一本で拾った
ほねは白かった
茶色もあった
私は生まれてはじめて人間のほねを見た
その時 本当にもうおばあちゃんは
この世にはいないんだなあと思った
私はお母さんのそばに行った
お母さんが 私の手をぎゅっとにぎってくれた
もう会えないけど 私は覚えているよ
ひいおばあちゃんのニコニコした笑顔
広こくの紙で色々な物を作ってもらったこと
わすれない
ぜったいにわすれない
ひいおばあちゃん
ほねをおはかに入れてあげたよ
私の大好きだった ひいおばあちゃん
さようなら
4年 ゆいか
亡くなってしまえば、何も見えないし聞こえないし感じないから‥‥とは、なかなか割り切って考えられません。亡くなる時だからこそ、人の尊厳は守られることが望まれます。ゆいかさんのひいおばあちゃんの見送られ方は、なんだか羨ましい限りです。
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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。