メインコンテンツへスキップ
見出し画像

🍒ヒナ鳥の命 Ⅱ

      〜子どもの詩375 Theme-154〜

     春から初夏にかけては、野鳥の雛が生まれる季節です。何かの事情で、巣から出てしまう雛だっています。黙って見ておれなくて、手を差し伸べてしまう子ども達がたくさんいます。
     Akiyama Uです。子どもの詩を紹介しています。
         🔹
       子すずめの命
    ある雨の日の朝だった
    わたしはごろごろしていた
    「みのり  ちょっと来てみー」
    外からお父さんがよんだ
    外へ出てみると
    横のおばあちゃんの家の軒先にすずめがいた
    子すずめだった
    わたしが近づいても動かなかった
    「巣から落ちたんだ」とお父さんが言った
    しばらく見ていたけどお母さんによばれて
    わたしは仕方なく家の中に入った
    でも心配でずっと窓から子すずめを見ていた
    親すずめと子すずめは鳴きあっていた
    子すずめは必死で鳴いて
    親すずめがそれを聞いて
    子すずめをさがしているようだった
    夕方になって子すずめを見ると
    もう立てないようになってしまっていた
    それを見たお父さんは
    カンの中にタオルを入れて子すずめを入れていた
    でも子すずめは目をつぶってしまった
    子すずめは目をつぶったまま首を上げていた
    まるで親すずめをよんでいるように見えた

    そして次の日
    子すずめは冷たくなっていた
    「まだ子どもなのに死ぬなんてかわいそう」と
    わたしはお父さんに言った
    子すずめはケガをしていた
    そのケガをしているところだけ毛がなかった
    わたしの家の周りにいるすずめたちは
    元気にとんでいるけど
    あの子すずめは一度もとぶことがなかった
    一度ぐらい元気でとびたかっただろうな
    わたしは子すずめに手を合わせて
    「天国でいっぱいとんでね」とつぶやいた
         5年 みのり

       ピーちゃん
    ピッピー  ピーッピーッ
    鳥みたいな鳴き声が聞こえたような‥‥
    それは本当だった
    「あれっ?」
    友達のあとについていくと
    自転車のかごにスズメのヒナが引っかかって
    暴れているのが目に映った
    「うわぁっ!」
    友達がやさしく自分の手にのせた
    ヒナは近くの巣から落ちたと私達は考えた
    ピーピー鳴くので
    名前は「ピーちゃん」にした
    でも名前をつけると別れるとき
    つらいだろうなぁと思った
    その後私は 前に鳥の巣を拾って
    木の上にのせたことを思い出した
    でも木の上にはもう巣は無かった
    親が来るまでピーちゃんと遊ぶことにした
    ピーちゃんを自由に歩かせているとき
    いつも上を飛んでいる
    二羽の鳥がいることに気付いた
    羽の一部が黄色い
    親かなぁと思って私達ははなれるのだけれど
    すぐにどこかに行ってしまう
    そうしているうちに夕方になった
    仕方がないから親が探しに来るまで
    私の家で飼うことになった
    ダンボールの中に干し草をしきつめ
    フカフカにしておいた
    ヒナもだんだん飛べるようになったし
    もう明日までには飛んでいくだろう
    そう思いながら箱を外に置いておいた
    少したってから様子を見にいくと
    あの二羽の鳥がすぐ上まで来ていた
    「あっ!」
    あわてて箱からピーちゃんを出して
    地面に立たせてあげた
    すると親といっしょに
    ぎこちない動きで飛んで行った
    やっぱり名前をつけて別れるのがいやだったけど
    親と子が再会できて本当に良かった
    今でも近くを飛んでいるスズメを見かけると
    「ピーちゃん?」
    と声をかけたくなる
         6年 なずな

     助かる命もあれば、助からない命もあります。ただいずれの命も、子ども達の記憶の底に、深く深く沈み込むように残っていきます。飛べなかった子スズメにも、生まれてきた意味はあったと思います。
           🔷
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

    あなたへのおすすめ