
🍒子どもの詩160 Road Show-3
〜社会派ドキュメンタリー映画〜
子どもの詩を紹介するnoteです。
🔹
映画シリーズ第3弾。社会派ドキュメンタリー映画の代表作。「エンディングノート」です。
さようならテレビ
「プツン」
テレビをみていると画像がゆらゆらゆれてきた
画面の上と下から黒くなってきて
真ん中で細くなってプツンと音がして
真っ黒になった
まるでろうそくの火が最後に消えるようだった
「お母さんテレビが消えてもたぁ」
「えっ」
お母さんがやって来た
「テレビこわれているやん」
お母さんはテレビの上をバンバンたたいた
テレビは何もならなかった
「まるで地上デジタル放送にあわせて
こわれたみたいやなあ
かしこいテレビやなあ」
「ほんまやなあ」
ぼくも言った
この日何時間かたって
「またテレビつけへんかなあ」
お兄ちゃんが言ってつけてみた
「映ったあ」
ぼくも一緒に喜んだ
でもすぐに細くなって
「プツン」
切れた
「やっぱりあかんわ」
このテレビはお父さんとお母さんが
若いころに買ったテレビだ
九州に住んでいた時に買ったそうだ
ぼくが生まれる八年前に買ったそうだ
つまり十九年も使っていたことになる
ニ 三年ぐらい前から色がうすくなったり
スイッチを入れたら時間がかかるようになって
だんだん調子が悪くなってきていた
とうとうこの日がやってきたのだ
日曜日お母さんとお兄ちゃんとで
こわれたテレビを車にのせて
リサイクルショップへ行った
大きな倉庫に使われなくなったテレビや家具など
山積みになっていた
店のおっちゃんがやってきた
台車をゴロゴロ引っ張って来た
うちのテレビを台車の上に「ドン!」
らん暴にのせてどこかに持って行った
三人で探してみると山積みのテレビの
一番手前の地面に置いてあった
「なんかさみしそうやなあ」
「さみしなるなあ」
「ほんまやなあ」
三人で手を合わせて拝んだ
十九年間よくがんばったなあ
さようなら
ぼくたちのテレビ
6年 いつき
行き着いた先は墓場のようで、ほんとに怖かったですね。
最後はやっぱり、淀川長治さんです。
「では、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ‥‥。」