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🍒子どもの詩134 Healing-5

      〜おばあちゃん家のお風呂〜

     子どもの詩を紹介するnoteです。
           🔹
     アニメ映画「トトロ」にも出てきた長州風呂は、私が子ども時代に入った風呂とよく似ていました。体重が軽い子どもは、ゲス板(底板)に押し返されるので、誰かと一緒に風呂に入ります。だから風呂にはいつも賑やかな会話があったし、長く入るためか、体のポカポカぶりが今のシステムバスとは比べ物にならないくらい大きかったように思うのです。

       おばあちゃん家のお風呂
    「最後になるから風呂入ろか」
    いとこの兄ちゃんが電話してきた
    今日は父の日
    藤吉のおばあちゃん家で食事会をした
    おばあちゃん家の風呂は
    もう少しで新しい風呂にかえるのだ
    石崎のおばあちゃん家と同じで
    まきを使ってたく
    下はげす板になっている
    入る時にげす板がういてくるので
    ひっくり返らないように入らないといけない
    小さい時は
    いとこの兄ちゃん二人と入っていたけど
    今は大きくなったので一人で入っている
    新しい風呂はユニットバスで
    とても広いらしい
    今の風呂は縦に長く横にせまい
    ぼくの心は広くなる楽しみと
    今の風呂がなくなるさびしさがまじっていた
    ザバーン
    この風呂に入るのも今日で最後かと思うと
    さびしい気持ちがいっぱいだった
    きれいになって広くなるのもいいけど
    古くて昔から使われているのも
    いいなあと思った
    いまはせまくなった風呂
    大きくなるのって早いな
    小さい時は一人で体が洗えないから
    兄ちゃん達と三人で体を洗いっこしていた
    風呂に水鉄炮を持ち込んで
    キャッキャッと窓やかべを水びたしにして
    いつまでも風呂に入っていた
    「早くあがってき」といつもおこられていた
    石崎のおばあちゃん家では
    たくのを手伝ったことがあるけど
    藤吉ではやったことがないので
    一度はやってみたかったなと思った
    まきでたいているので寒い日はぽっかぽかだ
    久しぶりにニ番目のお兄ちゃんと風呂に入った
    「もうこれで入るん最後やな」
    「なんかさびしいな」
    いろいろなことを話した
    その後頭を洗ったり体を洗ったりしながら
    いろいろなことを思い返していた
    「あー気持ちよかった」
    こんなにさっぱりしたのは初めてだった
    今度は新しい風呂に一番に入ってみたいな
         6年 ようた


     新しい風呂の快適さが分かると同時に、ゲス板が浮いてくる、古い風呂が懐かしく感じられる日がきっと来るでしょう。ノスタルジーは、消滅して初めて湧き上がってくるものですから。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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