
🍒子どもの詩056 Sports-3
〜空手〜
子どもの詩を紹介するnoteです。
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017でも触れたのですが、子どもの得意とする表現分野は、多岐にわたります。文章表現を得意とする子、身体表現を得意とする子。文武両道は、とても珍しいケースです。
今回紹介する作品は、空手の世界。自分の知らない格闘技の世界を疑似体験させてもらえます。
心を奮う
白い空手の道着に帯がゆれる
決勝戦
腹から出したはずの「押忍(おす)」の声は
かき消えてしまいそうだった
たたみの上にしぼみそうなかげを
ふりはらうように
帯と心をギュッとしめなおす
大きく吸って止めた息の向こうに
相手がひとまわり大きく見える
かまえた体にジワッと汗が冷たい
フーッと吐いた息が頭にジーンとしみる
「はじめ!」の号令とともに
大砲のような前げりが飛び込んでくる
はらう手にかする打げきが骨にひびく
首に風がヒュッと走り
カマキリのカマでねらわれているみたい
打っても打っても
こんにゃくのようにはね返されて
こぶしが
心が折れてしまいそう
息が上がって目に汗がしみる
もうだめだ‥
いやまだだ!
心臓からふりしぼるようにくり出した
こん身のつきがガツッと通る確かな手応え
追い打ちでたたきこんだ回しげりに
相手がよろけるのが見えた
ひびく笛の音としんぱんの声
自分の呼吸で音が聞こえない
周りを必死で見回す
勝負を告げる旗はどっちだ?
ぼくか 相手か
自分の色の旗が天に突き上がる
家族と道場のみんなのわっと喜ぶ歓声が
ようやく耳に聞こえ始める
ギュッと閉じた目のおくがツーンとする
交わした礼にかすれて出ない声
代わりにふき出したのは
ふいてもふいても止まらない
まつ毛にしたたる熱い玉のような汗と
涙
4年 たく
おそらく、と言うより100%体験する可能性のない空手の世界です。張り詰めた空気感。まだまだ自分の知らない世界が、この世には数限りなくあるようです。