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「時間は未来から流れてくる?」

私は20年以上、機械を使って金属製品の製作に携わってきました。

現在、その経験をもとに、機械を動作させるためのプログラムを作る「LATHE-NC」を、AIとともに開発しています。

30台以上ある機械を、作業者全員が同じLATHE-NCで扱えるようにすることを目指しています。

LATHE-NCには、私が長年の仕事で身につけてきた知識や判断を、一つずつ形にしています。

LATHE-NC LAB|旋盤のNCプログラム・CAM入門メディア

LATHE-NC 仕様更新中です。
試したことがある方も、まだの方も、ぜひ一度ご覧ください。


最近、こんな言葉を聞きました。

「時間は未来から流れてくる。」

皆さんは、朝起きてから仕事へ行くまで、毎日すべてを考えながら行動していますか?

顔を洗う。

着替える。

朝ごはんを食べる。

家を出る。

おそらく、一つ終わるたびに、

「さて、次は何をしよう?」

とは考えていないと思います。

何時に家を出るのかが決まっているから、それまでにやることも自然と決まっています。

考えてみれば、

まだ家を出る時間にはなっていないのに、

未来にある「家を出る時間」が、今の行動を決めています。

これを自分の仕事に置き換えてみると、20年前の自分と今の自分では、仕事の進め方がずいぶん変わっていることに気づきました。

20年前の私は、目の前を見ていました

機械加工を始めたばかりの頃、私は目の前のことで精いっぱいでした。

この工具でいいのか。

このプログラムで動くのか。

次はどこを削るのか。

どうやって寸法を出すのか。

一つ終わったら、次を考える。

問題が起きたら、そのときに考える。

今振り返ると、

加工しながら、加工を考えていたのだと思います。

加工を始めてから必要な工具に気づく。

測定するときになって、どう測るかを考える。

うまくいかなければ、機械や工具を疑う。

そして、

「どうしよう?」

となる。

当時は、それも加工の仕事だと思っていました。

うまくいった加工は、何が違ったのか

それから、いろいろな加工を経験しました。

失敗したら原因を考える。

対策して、もう一度やってみる。

それを繰り返しているうちに、以前は加工中に気づいていたことに、加工前から気づくようになりました。

「あそこは測りにくくなるな」

「この工具では干渉しそうだ」

「先にこちらを加工した方がいい」

「この取り付け方では後で困る」

そして、これまでの仕事を振り返ってみると、うまくいった加工には共通していることがありました。

加工を始める前の準備ができていました。

では、なぜ準備できたのでしょうか。

今思うと、その答えは単純です。

加工が終わるところまで、見えていたからです。

今は、完成したところから考える

今の私は、図面を見るたびに加工方法をゼロから考えているわけではありません。

加工の基本的なパターンは、ある程度決まっています。

だから最初に考えるのは、

「この製品を、機械にどう取り付けるか?」

です。

そこが決まれば、その先はほとんど見えます。

使う工具。

加工する順番。

測定する場所。

注意するところ。

そして、完成した製品。

まだ機械は動いていません。

材料も削っていません。

それでも、

頭の中では、もう加工が終わっています。

20年前の私は、現在から一つずつ先へ進んでいました。

今は反対です。

先に完成したところまで行って、そこから現在へ戻ってきます。

だから、

「今、何を準備しておけばいいのか」

が分かります。

イメージできていないことは、準備できません。

未来が見えるようになったのは、なぜだろう

ここで一つ疑問が出てきます。

20年前には見えなかった未来が、なぜ今は見えるのでしょうか。

考えてみると、私が未来を見るために使っているものは、

過去の経験です。

失敗した。

原因を考えた。

対策した。

もう一度やった。

うまくいった。

その繰り返しです。

以前は問題が起きてから気づいていたことに、次は少し早く気づく。

さらに経験を重ねると、加工を始める前に気づく。

そうやって、少しずつ先が見えるようになりました。

もしかすると、

経験とは、過去を覚えておくためだけではなく、未来を見るために使うものなのかもしれません。

過去の経験を使って未来を見る。

その未来から、今やることを考える。

そう考えると、

「時間は未来から流れてくる。」

という言葉が、私には少し分かるような気がしました。

まず、未来まで行ってみてください

ここからは、皆さんの仕事に置き換えてみてください。

今やっている仕事を、一つ思い浮かべてみてください。

そして、すぐに「今やること」を考えるのではなく、一度だけ、その仕事が終わったところまで先に行ってみてください。

どんな状態になれば完成でしょうか。

誰に渡すのでしょうか。

どんな結果になれば、

「うまくいった」

と言えるでしょうか。

まずは、その未来をできるだけ具体的にしてみてください。

そこから、今を見てみてください

未来まで行けたら、今度はそこから現在へ戻ってみてください。

その仕事をうまく終えた自分から、今の自分を見る。

すると、

今、何をしておけばいいでしょうか。

何を準備しておくのか。

何を確認しておくのか。

何を先に解決しておくのか。

朝、家を出る時間が決まっているから、それまでにやることが決まる。

加工も、完成した姿が見えているから、今の準備が決まる。

仕事も、同じなのかもしれません。

私も20年前から、ずっと未来が見えていたわけではありません。

目の前のことを一つずつやって、失敗して、考えて、またやってみる。

その積み重ねが、少しずつ先を見せてくれるようになりました。

だから皆さんも、今やっている仕事を一つだけ思い浮かべてみてください。

そして、一度だけ未来まで行って、そこから今を見てみてください。

その仕事がうまく終わったところから今を見たら、何を準備しますか?

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