
世界の神話を巡る旅:ケルト神話 第4話 ルー神の誕生 ―― 光と技芸を司る神
古代アイルランド神話を代表する神、ルー(Lugh)。
「長腕のルー」と呼ばれた彼は、戦士であるだけではなく、鍛冶、音楽、詩、魔術、医術など、数多くの技芸に通じた神として伝えられています。
その誕生には、フォモール族の王バロールにまつわる恐ろしい予言がありました。「自分の孫によって命を奪われる」という予言を恐れたバロールは、娘エスニウを塔に閉じ込めます。しかし運命はそれを許しませんでした。
エスニウとキアンの間に生まれた子ども。その中でただ一人生き残った少年こそ、後のルーでした。やがてルーはトゥアハ・デ・ダナーンのもとへ現れ、自らの多彩な才能を示します。
そして物語は、ルーと祖父バロールの宿命的な対決へと向かっていきます。
古代アイルランド。神々の一族、トゥアハ・デ・ダナーンが活躍する時代。
そこに、後にアイルランド神話を代表する英雄となる神が生まれます。
その名は、ルー。多くの技芸に通じ、「長腕のルー」と呼ばれる偉大な神です。ルーの父は、トゥアハ・デ・ダナーンの重要な神、キアン。そして母は、フォモール族の王バロールの娘、エスニウと伝えられています。

この出生には、恐ろしい予言が関わっていました。
バロールは、自分の孫によって命を奪われるという予言を聞いていたのです。そこでバロールは、娘エスニウを高い塔に閉じ込め、外の世界から隔離しました。しかし、運命はそれを変えることができませんでした。

キアンは、魔法によってエスニウのもとへ近づきます。そして二人の間に子どもが生まれました。ところが、その子どもたちの存在を知ったバロールは、彼らを海へ捨てようとします。三人の子どものうち、二人は失われました。しかし、一人だけが生き残ります。その子こそ、後のルーでした。

ルーはその後、鍛冶の神ゴヴニュのもとへ送られたとも、女神タルティウに育てられたとも伝えられています。成長したルーは、並外れた才能を身につけました。戦士として優れているだけではありません。鍛冶、音楽、詩、魔術、医術、武術など、数多くの技芸に精通していたのです。

ある時、ルーはトゥアハ・デ・ダナーンの王ヌアザの宮廷へ向かいます。
門番は尋ねました。
「あなたには、どんな技がありますか?」
ルーは次々と自分の才能を示します。しかし、どの技を聞いても、宮廷にはすでにその道の達人がいます。そこでルーは問い返します。
「では、すべての技を一人で扱える者はいますか?」
その言葉に、門番は答えることができませんでした。こうしてルーは宮廷へ入り、神々の国で重要な役割を果たすことになります。

そして彼は、フォモール族の支配者となったバロールと運命的に対峙することになります。祖父と孫。予言によって結ばれた二人の運命。やがてルーは、トゥアハ・デ・ダナーンを率いる偉大な戦士となっていきます。

長腕のルー。彼の誕生は、単なる一人の神の誕生ではありませんでした。
それは、古代アイルランド神話を代表する英雄が、運命に導かれて生まれた瞬間だったのです。
※アイルランド神話の『来寇の書(Lebor Gabála Érenn)』や『マグ・トゥレドの戦い』などに伝わるルー(Lugh)の伝承を基に、時代・舞台・神話上の設定を現代風にアレンジせず構成します。異伝がある部分は代表的な伝承に沿っています。
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