
『肉体不満足』元新聞記者で発達障害・LGBT当事者のメタバースアイドルが創る未来社会――雑誌『情況』4年間・15万字の連載と講演から
「在りたい私、私が決める」
肉体から自由になったとき、人は初めて自分を創れる。
本書は発達障害や性的マイノリティの体験記ではない。
当事者だからこそ見えた「未来の人間社会」の設計図である。
マイノリティメタバースアイドルVTuber・元新聞記者の蘭茶みすみが、4年間・15万字に及ぶ取材と実践をもとに描く実録未来社会論です。
私はこれまで、雑誌『情況』や大学・イベントなどの講演で発表してきた文章を、一冊の本としてまとめたいと考えています。
LGBTで発達障害の「当事者」、そしてジャーナリスト(元新聞記者)の蘭茶みすみがメタバースやAIを使い、音楽や空間、「自分の存在」を創造し、多様な人々と出会い「肉体から解放され、自由を取り戻し、未来を創造していく」過程を描いています。
『肉体不満足』というタイトルには、目に見えない不自由を創造によって乗り越え、人間の自由を広げたいという思いを込めました。
本記事群は、当事者としてジェンダーや障害、社会やジャーナリズムを探求した未来志向の連載となっております。
特徴は
発達障害・性的マイノリティ当事者によるメタバース実録
4年間・15万字に及ぶ継続取材
AI時代の人間の自由と創造性を考える未来社会論
です。
VR・メタバースを扱う書籍は数多く存在しますが、本書は発達障害・性的マイノリティ当事者であり、新聞記者経験を持つ著者が、4年間にわたり取材したメタバース住民の実践をもとに、人間の自由と創造性の未来を論じる点に独自性があります。
概要
「肉体を捨てたい」。現実空間や肉体の苦しみから解放された未来社会の設計図となる一冊。発達障害を持つ性的マイノリティ当事者として活動するマイノリティメタバースアイドルVTuber「蘭茶みすみ」が、メタバースやAI、バーチャルリアリティといったテクノロジーを使い、本来の自分を自己表現と創造の力で取り戻しながら、ジェンダー平等や哲学、障害者の居場所作りや未来社会の実現に向けて、活動するメタバースの住民たちと出会い、ジャーナリストとして対話を重ねる実録・思想本です。
季刊雑誌「情況」で、2022年冬号から2026年冬号まで、4年にわたり連載したおよそ15万文字の記事を元に、最新のAIの動向も踏まえながら、肉体に囚われなくていい全ての人間の創造性が解放された新しい社会の形を提唱し、「当事者発の未来社会像」を描いていきます。
実録取材としては、メタバース最大のトランスジェンダー団体や、VR空間における聴覚障害者の手話コミュニティ、中国や香港の現状、メタバース不登校支援、アバター表現の自由を守る運動、100万人が利用するメタバース集会場の制作者など、「自由と創造」をテーマにインタビューを重ねてきました。
私自身の経験から、発達障害やマイノリティー当事者の育て方に対する記事もあり、小学校教諭だった母親による「自由を育てる」育て方も、子育て論として参考になります。
「肉体廃止」を掲げて活動を開始したVTuberは、いかにしてマイノリティメタバースアイドルになったのか。不自由から始まる自由を形にしていきます。
肉体の制約を越えた先で、人はどのような未来を創ることができるのか。その問いに、当事者として答えたい。
タイトル案
・肉体不満足
・肉体廃止の創造論
・在りたい私、私が決める
・創る権利
・肉体を捨てたい
・肉体の廃止
著者プロフィール
蘭茶みすみ(らんちゃみすみ)
発達障害と性別違和を抱える当事者であり、マイノリティメタバースアイドルVTuber。
1996年生まれ。小学生時代に重い発達障害と診断され、障害者手帳1級。高校時代の2015年にツイッターで「#ISISクソコラグランプリ」を主導し、このムーブメントは「認知戦」の初期の事例としてNATO戦略コミュニケーションセンター論文に掲載される。2018年には障害の不自由さから「肉体廃止」を掲げVTuberデビュー。その後、地方紙の新聞記者として働き、地域性や障害者福祉について実地で体験する。2019年には「VRChat」などのメタバースで創造の世界と出会い、アバターや楽曲、映像を自作するマルチクリエイターとしても創作。2021年に「アイドル」として活動を始める。2022年にはMeta社のメタバース「Horizon」でのザッカーバーグ氏の自撮りのパロディワールド「ザッカーパーク」をVRChatに作成し、海外でも拡散され、英国で開催された欧州最大規模の自主制作映画祭「レインダンス」でパフォーマンス。当事者としてVRChatのLGBTコミュニティ「トランスアカデミー」を取材。立命館大学や全国市民メディア交流大会、ご当地VTuberサミットで講演。NHK、朝日新聞、毎日新聞、信濃毎日新聞、静岡新聞で紹介され、「ふつうという檻」(岩波書店)に掲載される。
想定読者層
障害を持つ当事者や性的マイノリティ当事者、福祉の支援者や家族、教育関係者、テクノロジーに興味がある人、社会に興味がある人、政策立案者、学生、VTuberファン、メタバースユーザーなど。
章立て案
【はじめに】メタバースの情景、ライブシーン
【1】どうやって育ってきたか →(情況2025夏、家族、発達障害、クィア)より
①発達障害の判明
②家族による育て方
③性の違和感
④居場所を求めたSNSと高校時代の「認知戦」→(情況2026冬、認知戦)より
【2】VTuberという表現との出会い「蘭茶三角」誕生→(情況2021冬、肉体廃止のメタバース)より
①肉体というボトルネック
②表現する存在と肉体
③肉体社会からの「独立戦争」
④消滅と最初のパートナーとの出会い →(情況2025夏、家族)より
コラム:ミスミズム宣言
【3】新聞記者としての頓挫
①社会を生きやすいものにしようと新聞記者に
②苦手だったコミュニケーション
③地域と福祉の再発見
④頓挫
【4】メタバース「VRChat」との出会い→(情況2022春、メタバース生活2000時間)より
①2019年に初めて入る
②「自分が自分であることに感動」
③癒しを体験
④自己表現
コラム:(情況2022夏、表現の自由)
【5】メンタルと障害と居場所(情況2024夏、メンヘラメタバース)
コラム:(情況2024冬、不登校支援)
コラム:(情況2024秋、来場者100万人の集会場製作)
【6】挑戦と表現と恋(情況2023夏、音楽)
コラム:音楽と無縁の私がメタバースから作曲とライブをするように
【7】国際交流 →(情況2023冬、中国)
①中国の皆さん
②ザッカーパークとレインダンス映画祭
【8】ジェンダー →(情況2024夏、トランスアカデミー)(情況2025秋、関係性)
・クィア理論とバ美肉
コラム:(情況2025春、バーチャル風俗と性)
【9】空間メディア論(メディフェスせんだい講演原稿)
コラム:(情況2026冬:メタバース手話)
【10】テクノロジーと創造の民主化
(書き下ろし)
【11】それでも肉体を捨てたい(情況2022秋、テクノロジーリベラリズム)
ミスミズムの「進化」
【あとがき】ライブシーンの終わり
記事リスト
雑誌「情況」
「情況」2022年冬号/「肉体廃止のメタバース」仮想空間から放たれる自由
「情況」2022年春号/メタバース生活二〇〇〇時間からの提案
「情況」2022年夏号/メタバースと表現の自由 最新技術の文化を守る人たち
「情況」2023年冬号/メタバースから見た中国
「情況」2023年春号/メタバースの先へ テクノロジーリベラリズムの創造
蘭茶みすみ第一回ミスミスト大会メタメタライブ参加ルポ 髙井ホアン
「情況」2023年夏号/メタバース音楽と自己表現
「情況」2023年秋号/メンヘラメタバース
「情況」2024年冬号/メタバースと人間の営み 交流のかたちと欲求を越える
「情況」2024年春号/メタバースで飲んでみた! コミュニケーション媒体としての飲食表現
「情況」2024年夏号/在りたい私、私が決める メタバースとトランスジェンダー
「情況」2024年秋号/メタバースと居場所づくり
「情況」2025年冬号/VR風俗、「在り方」への挑戦
「情況」2025年春号/メタバースと政治 空間から解放された政治はどうなるのか
「情況」2025年秋号/多様なメタファミリー
「情況」2025年冬号/メタバースミームからみる関係性
「情況」2026年冬号/メタバース手話の世界