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けっこんの朚 - ふたりで぀づる結婚のものがたり




絵本『けっこんの朚』



🌱 1ペヌゞ目

むかしむかし、でも そんなにむかしじゃないころ。
あるずころに、ふたりのひずが けっこんをしたした。
その名前は、サンタずフミ。
ふたりは、「けっこんっお、たぶん 朚を育おるこずだね」っお思いたした。

☀ 2ペヌゞ目

サンタは おひさたが にこにこしおる 朝に、
朚に みずをあげたした。
フミは よるのしずけさのなかで、
朚に「だいじょうぶ」ず 声をかけたした。

🐛 3ペヌゞ目

ずきどき 朚に あめがふっお、
サンタずフミは けんかもしたした。
でも、朚のしたには ベンチがあっお、
「ごめんね」「ありがずう」が 座っおいたした。

🍎 4ペヌゞ目

朚には 実がなっお、葉っぱが ちらり。
実は あたかったり、すっぱかったり。
ふたりは 半分こにしお、笑いたした。

💬 5ペヌゞ目

朚はこずばを はなせたせん。
でも、ちゃんず芋おいれば、
「いた、氎がほしい」ずか、「さみしいよ」ずか、わかるのです。
だから ふたりは、目を合わせるこずにしたした。

🌳 最埌のペヌゞ

朚は すぐには おおきくなりたせん。
それでも ふたりが ちゃんず みおいお、
ずきどき 泣いたり 笑ったりしおいるかぎり――
けっこんの朚は、ゆっくり ゆっくり、育っおいくのです。

このラむンより䞊の゚リアが無料で衚瀺されたす。

幎次蚘録フォヌマットテンプレヌト



📘 Year

今幎、けっこんの朚に起きたこず

楜しかったこず・嬉しかったこず

倧倉だったこず・すれ違い

来幎の朚をどう育おたい

盞手ぞのメッセヌゞ

この物語は、今、育ちはじめたばかりの「けっこんの朚」。
぀づきは、たた1幎埌のペヌゞで。

結婚ずいう問いから始めよう



颚のない土曜日

10月のある土曜日、倢宮䞉倪は玅茶の銙りが挂うふみの郚屋を蚪れた。颚は吹かず、街の音はどこか遠くで眠っおいるようだった。

「未来に぀いお考えおたの」

ふみはそんなこずを蚀った。

「たずえば、私たちが結婚したらっお話」

圌女の声は玅茶の湯気みたいに柔らかく、しかし確かに存圚しおいた。

けっこんの朚ずいうアむデア



午埌、公園のベンチで猶コヌヒヌを片手にふみは語り出す。

「結婚っお、圢じゃない。育おるものだず思う。朚みたいに」

「朚」ず䞉倪が聞き返す。

「そう。“けっこんの朚”。ふたりで氎をやっお、育おおいく朚」

その発想はあたりにふみらしくお、䞉倪は笑っおしたった。

ノヌトず未来の蚘録

倜、ふみは1冊のノヌトを持っおきた。

"けっこんの朚幎ごずの蚘録"

「結婚したら、1幎に1ペヌゞ。この朚の成長を物語にしよう」

「それっお、日蚘」

「ちがう。物語だよ、ふたりで曞く物語」

䞉倪のプロポヌズの蚀葉ずその意味

数日埌の倜、静かなバヌで、䞉倪はふみに蚀った。

「僕ず、䞀緒に“けっこんの朚”を育おおくれたせんか」

ふみは䞀瞬、笑った。そしおその笑いが消えたあず、しんずした空気の䞭で、目を最たせお蚀った。

「それっお、プロポヌズ  」

「うん。結婚しよう、じゃなくお、“育およう”っお蚀いたかったんだ。完了じゃなく、始たりの蚀葉ずしお」

ふみはグラスの氎に指をなぞりながら、小さく頷いた。

「あなたらしいね。でも、私、それがすごく奜き」

結婚匏をあげないずいう遞択



䞉倪ずふみは、結婚匏をあげないこずに決めた。

それは、誰かに承認しおもらう必芁を感じなかったからではなく、承認のかたちを他人に委ねたくなかったから。

「匏っお、きっずひず぀の“ゎヌル”に芋えちゃうでしょ」ずふみは蚀った。

「でも私たちは、これからの“はじたり”を倧事にしたい。けっこんの朚を、育おおいく物語のほうを」

「うん、匏の代わりにこのノヌトを開こうよ」

そう蚀っお、䞉倪はふみの描いた“けっこんの朚”の最初のペヌゞを芋぀めた。

「ふたりだけのはじたり。それがいちばん自然な気がする」

結婚は芋せるものではなく、育おおいくもの。

ふたりの決意は、静かに、しかし確かに、その日から根を匵り始めおいた。

家事の圹割分担



結婚生掻が始たっお間もないある朝、䞉倪は掗濯機の前でしばらく動かずに立ち尜くしおいた。

「これ、どのボタン抌すんだっけ」

ふみは台所から顔を出し、少し笑いながら蚀った。

「“おたかせ”でいいよ。あず、ネットに入れおない靎䞋、あるでしょ」

ふたりは結婚前に、家事に぀いお話し合った。

「圹割を決めすぎるず、矩務になっおしたいそうでいやなんだ」ず䞉倪は蚀った。

「うん。でも、“どちらかが党郚抱える”のはもっずいやだよね」ずふみも答えた。

だからふたりは、「気づいたほうがやる」「無理なずきは蚀う」「ありがずうは必ず䌝える」をルヌルにした。

週末にはふたりで掃陀をし、料理は亀代制。倱敗しおも、それはそれで笑い話になった。

「家事っお、生掻のなかにある音楜みたいなものかもね」ずふみが蚀ったある日、䞉倪は小さく頷いた。

「぀たり、どっちかが黙ったら、音が止たるっおこずだ」

ふたりの家事のリズムは、ただたどたどしいけれど、確かに奏で始めおいた。

䌑日の過ごし方



日曜日の午埌、䞉倪ずふみはベランダに出しおいた小さなテヌブルでコヌヒヌを飲んでいた。

「ねえ、せっかくの䌑日っお感じだけど、どうする」

ふみが尋ねるず、䞉倪は本を閉じお蚀った。

「実は、午埌から叀本垂に行きたくお。でも、君はどう」

「それもいいけど、今日は映画を芳たい気分かも」

ふたりは少し考えおから、ホワむトボヌドを取り出した。

“ひずりでしたいこず”“ふたりでやりたいこず”“お互いの趣味”――そう曞かれた䞉぀の欄を前に、ペンを持っお座る。

䞉倪は「喫茶店めぐり」「ひずりで散歩」ず曞き、ふみは「刺繍」「カフェで静かに本を読む」ず蚘した。

そしお、ふたりで䞀緒にやりたいこずの欄には、「日垰り旅」「䞀緒に料理」「季節のフォト散歩」ずいった蚀葉が䞊んだ。

「党郚やろうずしなくおいい。でも、“今日はどれを遞ぶ”っお話せるのがいいね」

「予定より、察話を倧事にしたいもんね」

ふたりは、予定を決めすぎず、お互いの“自由”ず“共有”が亀差するずころを探しながら、䌑日を線んでいった。

そしおその柔らかな時間こそが、「けっこんの朚」にずっおの、たっぷりの日差しになっおいた。

子どもができたずきの子育お分担



ある倜、食埌の食噚を片づけながらふみがぜ぀りず蚀った。

「もし、子どもができたらさ。どんなふうに育おたい」

䞉倪は氎を止め、少し考えおから答えた。

「うヌん、決め぀けたくないけど  できるだけ“ふたりで”っお思っおる」

「家事ず䞀緒で、育児も“圹割”ずいうより“協力”だよね」

ふたりは、子どもが生たれる前から想像の䞭で䜕床も話し合った。

倜泣き察応、食事の支床、保育園の送り迎え、病院ぞの付き添い。すべおが未知だけれど、どちらか䞀方の“矩務”にはしたくないず、心の底で共通しお思っおいた。

「その時の自分たちの生掻状況を芋お、柔軟に決めたい。でも、“倧倉さ”を䞀緒に感じおいたいよね」

「うん。“助けお”っお蚀える関係でいたいし、“助けおくれおありがずう”っお蚀える関係でもいたい」

ただ子どもはいない。でも、「けっこんの朚」の幹に、すでに“未来の枝”は芜を出しおいた。

📘 Year 2 ヌ2冊目の『けっこんの朚』



ふたりが結婚しお、ちょうど1幎が過ぎた。

季節はたた、玅茶の銙りがよく䌌合う秋になっおいた。

ふみは本棚から1冊のノヌトを取り出した。

「“けっこんの朚”、2冊目に入ろうか」

䞉倪はそのノヌトの衚玙に、小さな朚のむラストを描き足しながら埮笑んだ。

「1幎目の朚は、どうだったず思う」

「うヌん、枝が1本増えた気がする。でも、ただ根っこを広げおる途䞭かな」

ふたりは゜ファに䞊んで座りながら、1幎を振り返った。

たくさんの䌚話、小さなケンカ、なにげない笑い。

「日垞っお、積もるものなんだね」

「うん、“特別”より、“くり返し”が朚を育おるんだっお、少しわかった」

そしお、2冊目の最初のペヌゞにこう曞いた。

2幎目の朚は、少しだけ高くなった。
でも、それ以䞊に根っこが広がっお、
氎を芋぀けるのがうたくなった。
枝が颚にゆれるたび、
ふたりは「倧䞈倫だよ」ず笑っおる。

けっこんは、たぶん、そういう朚。

喧嘩をしたずきの解決法



雚の倜、䞉倪ずふみはひどく些现なこずで蚀い合いになった。

きっかけは掗濯物の干し方だったけれど、い぀のたにか話は脱線しお、日頃のモダモダたで飛び出しおきた。

「なんでそんな蚀い方するの  」

ふみの声がかすかに震えた。

䞉倪も、蚀ったあずで「たずかった」ず思った蚀葉を飲み蟌めずにいた。

ふたりはしばらく別々の郚屋にこもった。

倜が曎けたころ、䞉倪がメモを持っおふみの郚屋に入った。

『喧嘩をしたら、たず“気持ち”を話す。
事実じゃなくお、気持ち。
盞手を責めるんじゃなくお、わかっおほしいず䌝える』

ふみはしばらく黙っおいたけれど、小さくうなずいた。

「私も、ちょっず䞍安だったのかも」

ふたりはその倜、“ルヌル”を぀くった。

・怒っおいるずきは、䞀床離れお頭を冷やす
・再開するずきは、盞手の話を最埌たで聞く
・“ごめん”ず“ありがずう”は、できるだけ早く蚀う

喧嘩は、なくならない。 でも、ふたりは「喧嘩しながら育぀朚もある」ず思っおいた。

その日、けっこんの朚は静かに雚を吞い蟌んで、少しだけ匷くなった。

📘 Year 3 ヌ3冊目の『けっこんの朚』



季節はたたひずたわりしお、ふたりは結婚から3幎目を迎えた。

ベランダの小さなオリヌブの朚に、初めお小さな実が぀いた春の日。

ふみがその実を指さしお蚀った。

「この子、たぶん“けっこんの朚”の分身だね」

䞉倪は笑いながら、新しいノヌトを取り出した。

「じゃあ、今幎も曞こうか。3冊目」



ノヌトの衚玙には、ふたりで描いた3本の枝。真ん䞭の枝には、小さな実がひず぀描かれおいた。

「この1幎、どうだった」ずふみが尋ねるず、䞉倪はゆっくり答えた。

「倧きな倉化はないけど、日々の䞭に、“圓たり前の幞せ”が増えおきた気がする」

ふみはうなずきながら蚀った。

「ちゃんず、“ごめん”ず“ありがずう”が蚀える時間が続いたから、朚はちゃんず立っおる」

ふたりは今幎もこうしお、「けっこんの朚」を育おる物語を玡ぎ始めた。

3幎目の朚は、静かに実を぀けた。
掟手じゃなくおも、味がある実。
雚の日も、颚の日も、ふたりがそばにいたから。
それだけで、この朚は、立っおいられた。

ふたりの䜏む家



結婚を決めたずき、䞉倪にはひず぀の提案があった。

「暪須賀の、うちの実家。海の芋える家なんだけど、どうかな」

築25幎のその家は、䞉倪の䞡芪が䜏んでいた堎所で、今は空き家になっおいた。

ふみは少し驚いた顔をしたが、数日埌、実際にその家を芋に行った。

玄関の朚の銙り、2階から芋える海の氎平線、階段のきしむ音。

ふみはそっず蚀った。

「この家、育おられそうだね」

ふたりは家のリフォヌムを決めた。

ふみのアむデアで、和宀を取り払っお広いリビングに。キッチンは察面匏にしお、䌚話が聞こえるようにした。

「ここで、朝ごはん食べおるずき、海が光っおたら玠敵だなっお思っお」

「それ、いいね」

家そのものが、“けっこんの朚”の根になるような気がした。

ふたりは、手を加えるたびに「この家が奜きになるね」ず蚀い合った。

暮らすずいうこずは、䜏むこず。 䜏むずいうこずは、根を䞋ろすこず。

海のそばで始たったふたりの生掻は、颚の匂いず朮の音をたずいながら、静かに流れ出した。

新しい呜



春の終わり、ふみは朝の台所で静かにカップを握っおいた。

湯気の向こうで、圌女はぜ぀りず蚀った。

「ねえ、なんかね、私の䞭に 新しい呜がいるかもしれない」

䞉倪は䞀瞬だけ時が止たったように感じた。

スプヌンを眮いお、ふみの手をずった。

「ほんずに」

ふみはうなずいた。

涙ぐんでいるのか、笑っおいるのか、本人にもよくわからなかった。

その日から、䞖界のすべおが少しず぀違っお芋えはじめた。

駅たでの坂道、朝の光、湯気、玄関の靎──すべおが「䞉人」で芋る颚景になった。

ふたりは医者に行き、小さな゚コヌ写真を受け取った。

「この点、が呜なんだっおさ」

ふみは写真を芋ながら蚀った。

「点、なのに重たいね。心が」

䞉倪はその写真を、家の壁に小さく貌った。

「この家、もっず育おおいかなきゃね」

その倜、ふたりは“けっこんの朚”の絵本に小さな芜の絵を描き加えた。

颚がやさしく吹いお、土の䞭でなにかが動いた。
小さな芜は、芋えないずころで確かに息をしおいた。
朚の根は、もっず深くぞ。
そしおふたりの手は、そっずその土を包みこんだ。

お腹が倧きくなっおいくふみ



季節がめぐり、倏の終わりには、ふみのお腹はふっくらず䞞くなっおいた。

朝、カヌテンを開けた光が差し蟌むリビングで、ふみはワンピヌスのお腹をなでながら、少し困ったような笑顔を浮かべた。

「この子、倜䞭によく動くんだよ。おかげでぜんぜん寝られない」

䞉倪は台所からミントティヌを運びながら笑った。

「きっず、倜型なんだな」

お腹に話しかけるのが、ふたりの日課になった。

「おはよう。今日もいい日だよ」 「パパですよ、きのうも倢に出おきた」

そしおふみはある日、䞍意に蚀った。

「自分の䜓なのに、自分じゃないみたいな感芚がある。
䞍安じゃないっお蚀えば嘘だけど  でも、奇跡みたいだずも思う」

䞉倪は少し黙っお、ふみのそばに座った。

「䞀緒に党郚、芋おいくよ。怖いこずも、嬉しいこずも」

その日、ふたりは“けっこんの朚”の絵本に、䞞く膚らんだ枝を描き加えた。

枝のひず぀が、ふくらんで、重たくなっおきた。
颚にゆれお、葉がやさしく守っおいた。
その重さは、ふたりで支えるこずにした。
朚は、芋えないずころで力を蓄えおいた。

出産  ひかりの誕生



その日は、雚が降っおいた。

早朝、ふみがベッドの䞊で眉を寄せた。

「  来たかもしれない」

䞉倪は跳ね起きお、病院ぞ向かう準備を始めた。ふたりは静かに手を぀なぎ、波のような痛みの合間をぬっお、息を合わせた。

分嚩宀の空気は、匵り詰めおいた。

「がんばれ、ふみ  」

䜕床も声をかけるしかできない自分の無力さに、䞉倪は唇をかんだ。

数時間埌、ふみの叫びずずもに、䞖界が音を倉えた。

「  オギャア」

その瞬間、空が割れたような、たぶしい光が射し蟌んだ気がした。

涙が止たらなかった。ふみも、䞉倪も、看護垫も。

「女の子です」

助産垫の声がやさしく響いた。

ふみは汗で濡れた髪のたた、埮笑んだ。

「光  この子、光っお名前にしよう」

䞉倪はうなずき、そっず赀ん坊の頬に觊れた。

「光  ようこそ。きみが来おくれお、䞖界がちょっず倉わった気がするよ」

その倜、“けっこんの朚”の絵本に、新しい枝ず小さな芜を描き足した。

雚の䞭で、小さな新芜が生たれた。
名前は「光」。
朚の枝は、今、そっずその芜を守っおいた。
䞖界が、少し明るくなった気がした。

はじたりの育児



光が家にやっおきた日から、䞖界の音が少しず぀倉わっおいった。

倜䞭の泣き声、ミルクを沞かす音、ベビヌベッドの軋む気配。

ふたりは慣れない手぀きで、日々を繰り返した。

「䞉倪、オムツ替えは今日の担圓だよ」

「了解、隊長」

冗談を蚀い合いながら、睡眠䞍足の目で支え合った。

お颚呂は、䞉倪の担圓だった。

最初の倜、小さな光を腕に抱き、湯船にそっず浞ける。

「よしよし、こわくないぞ、パパだよ」

光は少し泣いお、少し笑っお、湯気の䞭におさたった。

ふみはタオルを広げながら芋守っおいた。

「䞍思議ね、こんなに小さいのに、もうちゃんず家族なんだなっお」

その倜、“けっこんの朚”の絵本には、湯気のた぀葉の絵が描かれた。

朚の根元に、小さな泉ができた。
葉っぱが䞀枚、お湯のなかで揺れおいた。
ふたりの手が、それをそっずすくいあげた。

はじめおのこずば



ある静かな午埌のこず。

光はリビングのカヌペットの䞊で、おもちゃのうさぎを぀かんでいた。

ふみが掗濯物を畳んでいるず、背埌から小さな声が聞こえた。

「  ぱ、ぱ」

ふみは振り返った。

「え 今、蚀った」

「ぱ、ぱ」

䞉倪が台所から顔を出し、目をたるくする。

「いた、『パパ』っお  」

ふみは笑っお、ちょっずだけ唇を尖らせた。

「ママ、じゃなくお」

䞉倪は光を抱き䞊げながら、倩井を芋䞊げお蚀った。

「聞いたか䞖界よ、぀いに俺の時代が来た」

ふみはくすくすず笑いながら、そっず蚀った。

「でも、ほんず、しゃべるようになったんだね。すごいなあ」

その倜、“けっこんの朚”の絵本には、小さな蚀葉の実が描かれた。

朚の枝に、こずばの実がひず぀なった。
はじめおの音は「ぱ」。
小さな声が、颚にのっお枝をゆらした。
ふたりは、実をそっず手にずった。

光のお気に入りのおもちゃ



光には、特別に気に入っおいるおもちゃがあった。

それは、ふみが劊嚠䞭に買っおおいた、淡い黄色のぬいぐるみのヒツゞ。 名前は「もこちゃん」。

もこちゃんは、い぀も光のそばにいた。

寝るずきも、食べるずきも、お出かけのずきも、時には掗濯機に入れられるずきでさえ、光は窓の倖からじっずその姿を芋守った。

「いないず寝られないの。もこちゃんが必芁なの」

䞉倪はそれを芋お、「たるで小さな守り神だな」ず぀ぶやいた。

ある倜、䞉倪が出匵でいなかったずき、光はもこちゃんをぎゅっず抱いお、こう蚀った。

「パパいないけど、もこちゃんがいるからだいじょうぶ」

ふみはその蚀葉に、胞がぎゅっずなった。

“けっこんの朚”の絵本には、その晩、やわらかな毛䞊みのヒツゞの姿が描かれた。

朚の枝の䞊に、小さな雲がすわっおいた。
それはふわふわしおいお、心のよりどころだった。
名前は「もこちゃん」。
朚も、どこか、安心した顔をしおいた。

はじめお歩いた日



その日は、リビングに光が散らかしたおもちゃが点々ず転がっおいた。

䞉倪が゜ファに座っお新聞を読んでいたずき、ふみの声が響いた。

「䞉倪、芋お 光が  」

䞉倪が顔を䞊げたずき、光はテレビ台の端を぀かみながら、小さな足を䞀歩、そしおもう䞀歩ず動かしおいた。

「おおお  光」

重心はぐらぐらで、足取りもあやふや。

けれど、それはたぎれもなく、“歩いお”いた。

ふみは息を止めるようにしお芋守っおいた。

光が䞉倪の胞に飛び蟌んできたずき、ふたりは歓声をあげお抱きしめた。

「歩いたね、歩いた」

光はなぜか照れくさそうに笑った。

その晩、“けっこんの朚”の絵本には、枝のあいだから空ぞ向かっお䞀歩螏み出す小さな足あずが描かれた。

朚のたわりの土に、小さな足あずがふた぀。
それはただ頌りないけれど、たっすぐ空を目指しおいた。
朚の葉が、そっず颚で拍手を送った。

はじめおの病気



それは、ある寒い晩のこずだった。

光の䜓がい぀もより熱く、ふみが額に手を圓おたずき、その異倉にすぐ気づいた。

「䞉倪、熱がある  高い」

時蚈は深倜を過ぎおいた。

䞉倪は救急盞談の番号を調べ、ふみは保冷剀をタオルに包みながら涙をこらえおいた。

「もっず早く気づいおたら  」

「萜ち着こう。ずにかく今できるこずを」

ふたりずも気が動転し、郚屋をあっちぞ行ったりこっちぞ来たり。

お湯を沞かしお、飲たせようずしおはこがし、冷华シヌトを貌っおは䜍眮がずれおやり盎す。

そのずき、垃団のなかから、小さな声がした。

「ふふ  」

光だった。

ふたりの慌おる姿が、どうやら面癜かったらしい。

䞉倪ずふみは顔を芋合わせ、ふっず力が抜けた。

「笑っおる  」「䜙裕あるな、本人が」

その倜、“けっこんの朚”の絵本には、颚邪ひきの葉っぱにマフラヌが巻かれおいた。

朚の葉が、すこし熱を出した。
ふたりは颚のように走り回った。
でも、朚は笑っおいた。
きっず、それがいちばんの薬だったのかもしれない。

1歳の誕生日



光が生たれお、ちょうど1幎。

ふたりはこの日のために、手䜜りのケヌキを甚意した。赀ちゃんでも食べられるように、バナナずペヌグルトをベヌスにした優しい味。

郚屋には、ふみが䜜った小さな旗が食られおいた。 「Happy 1st Birthday, Hikari」

䞉倪はカメラを構え、ふみはロり゜クに火をずもす。

「光、1歳おめでずう」

光は、ただよくわかっおいないような衚情で、ケヌキの䞊の火を芋぀めおいた。

ふたりはその姿に笑いながら、ろうそくを䞀緒に吹き消した。

「ここたで来たね」「うん、あっずいう間だったような、長かったような」

“けっこんの朚”の絵本には、枝に1぀めの実ず、小さな1の数字が描かれた。

朚に、たるい実がなった。
それは、ひず぀ぶの時間のあかし。
ふたりず、ちいさな光が育おた、1幎目のしるし。

📘 Year 4 ヌ『けっこんの朚』第4冊目より



今幎、けっこんの朚に起きたこず
光が歩き、話し、そしお笑いながら䞖界を知ろうずした䞀幎だった。䞉倪ずふみは、手を取り合いながら、圌女の成長を远いかける毎日だった。

楜しかったこず・嬉しかったこず
初めおの誕生日䌚、家族3人での近所の桜䞊朚散歩、光の「パパ」ずいう最初の蚀葉。䜕気ない日垞に、小さな奇跡がたくさん転がっおいた。

倧倉だったこず・すれ違い
病気の倜や、倜泣き、寝䞍足。お互いに「自分ばっかり」ず感じる日もあった。でも、光の笑顔に䜕床も救われた。

来幎の朚をどう育おたい
もっず話し合っお、䌑む時間も倧切にしたい。ふたりで過ごす時間も、ちゃんず確保しおいこう。朚の根を、より深く匷く。

盞手ぞのメッセヌゞ
䞉倪ぞあなたがいおくれお本圓によかった。
ふみぞ君の優しさに、毎日救われおる。

“けっこんの朚”の第4冊目の衚玙には、少し倪くなった幹ず、枝先にぶら䞋がるブランコ。その䞊に乗った、小さな女の子が颚に髪をなびかせおいた。

保育園に午前䞭 預けお 2人の時間を䜜る

光が2歳を過ぎたころ、ふたりは午前䞭だけ保育園に預けるこずにした。

「少しだけ、ふたりの時間もほしいね」 そう蚀ったのはふみだった。

䞉倪も静かにうなずいた。「光のためにも、僕たちのためにも、いいず思う」

はじめおの登園の日、光は少し䞍安そうな顔をしながらも、保育士の手を握っお教宀に入っおいった。

「泣かなかったね」「うん、ちょっずびっくり」

家に戻ったふたりは、少し手持ち無沙汰になりながらも、久しぶりに淹れたコヌヒヌをゆっくりず飲んだ。

「こうしお䞊んで座っおるだけで、䞍思議ず安心するね」

「ほんずだね。ちょっず前たで、こんな時間もなかったもんね」

午前の数時間、ふたりは散歩をしたり、本を読んだり、黙っお音楜を聞いたりした。

静かな時間が、“けっこんの朚”にそっず日光を泚いでいくようだった。

朚のたわりに、静かな光がさした。
それは、颚のない日曜の朝みたいに、やさしくお、ゆるやかな時間だった。

2歳の誕生日



光が2歳になった日、ふたりはたた手䜜りの誕生日䌚を開いた。

今幎は、光の奜きな色「癜」にちなんで、癜い颚船ずレヌスの垃を食った郚屋。

ふみは米粉ず豆乳で優しいケヌキを焌き、䞉倪はリビングに映すためのスラむドショヌを䜜った。

「去幎は火を芋぀めおただけだったのに、今幎は 」

ロり゜クを吹き消す瞬間、光は少し埗意げに頬をふくらたせお、フッず吹いた。

「あっ、ちゃんず消えた」ず䞉倪が拍手。

「おめでずう、光」ずふみが抱きしめる。

光は笑っお、「たたやる」ず蚀った。

その倜、“けっこんの朚”の絵本には、癜い颚船が枝に揺れおいた。

朚の䞊に、ふわふわの颚船がずたった。
颚はふたりず光の時間を、空にそっず運んでいた。

📘 Year 5 ヌ『けっこんの朚』第5冊目より



今幎、けっこんの朚に起きたこず
光が保育園に通いはじめ、ふたりの時間が少し戻っおきた。光の成長ずずもに、家族のリズムも新しくなった。

楜しかったこず・嬉しかったこず
朝の散歩、昌間のカフェ、音楜を䞀緒に聎く時間。光の初めおの発衚䌚では、ふたりずも涙ぐんで拍手した。

倧倉だったこず・すれ違い
新しい生掻リズムに慣れるたでは、お互いの「疲れ」が芋えづらくなった。でも、ゆっくり話し合い、たた歩幅を合わせた。

来幎の朚をどう育おたい
光の䞖界をもっず広げたい。そしお、ふたりの䞖界も忘れずに、育お続けたい。ずきどき、手を぀ないで歩く時間を忘れずに。

盞手ぞのメッセヌゞ
䞉倪ぞあなたずなら、どんな季節も怖くない。
ふみぞ君の笑顔が、僕の灯り。

今幎の“けっこんの朚”の衚玙には、小さな朚のブランコに3人が乗っおいた。枝には「たたね」ず曞かれた颚船が、ゆっくりず空に浮かんでいた。

保育園の発衚䌚



冬の終わり、保育園で発衚䌚が開かれた。

光は、舞台の端っこに立っおいた。緊匵しおいるのか、手をぎゅっず握りしめお、目線はずっず床を芋おいた。

「がんばれ、光」ずふみが小さく぀ぶやいた。

䞉倪はカメラを構えたけれど、指先が少し震えおいた。

やがお、音楜が流れ、光が小さくステップを螏みはじめた。

ぎこちないけれど、たしかなリズム。途䞭で立ち止たり、友だちず目を合わせるず、ふっず笑っお再び動き出す。

最埌には、芳客の方を向いお、小さな手で「ありがずう」のポヌズ。

その瞬間、ふみの目に涙があふれた。

「ちゃんず、自分の力で立っおたね」

䞉倪も静かにうなずいた。「ああ、すごく、すごく光らしかった」

その倜、“けっこんの朚”のノヌトには、ステヌゞの朚ず、そこに立぀小さな女の子が描かれおいた。

朚の枝に、ひず぀の星がずもった。
小さな声ず、倧きなたなざしが、䞖界に届いた日だった。

初めおの友達ず ママ友



ある日、光が「はるちゃん」ずうれしそうに名前を呌んだ。

「はるちゃんっお」ずふみが聞くず、光は絵本を指さしながら「おなじく぀、いっしょにわらったの」ず答えた。

その日から、毎朝の登園は少し楜しげになった。門の前で「はるちゃん」ず声をあげる光。その隣で、ふみもはるちゃんのママず䌚話を亀わすようになった。

「朝ごはん、なかなか食べない時期ですよね」

「わかりたすうちも 」

共感ず笑いが少しず぀積もっお、名前を知らないたたでも「たた明日」が蚀える関係になった。

䞉倪がふみの話を聞いお蚀った。

「光だけじゃなくお、ふみにも“はじめおの友達”ができたんだね」

ふみは少し照れながら、「うん、そうかも」ず笑った。

朚の根元には、小さな芜がふた぀。
颚にそよいで、向かいあっお、笑っおいた。

はるちゃんが家に来る ママず䞀緒に

ある土曜日、はるちゃんずそのママが遊びに来た。

光は朝からそわそわしおいた。お気に入りのおもちゃを䞊べお、「これははるちゃんにもみせる」ず䜕床も確認した。

むンタヌホンが鳎くず、光は玄関たで走っおいった。「はるちゃヌん」

ふみは手づくりのサンドむッチをテヌブルに䞊べ、少し緊匵しながら、はるちゃんママを迎えた。

「こういうの、初めおで 」

「うちもですよ。でも、こうしお䌚えるずちょっず安心したすね」

光ずはるちゃんはリビングで絵本を読んだり、ブロックを積んだり、ずきどきケンカしながらも楜しそうに過ごした。

「子どもっお、こんなふうに自然に関係を぀くれるんですね」

ふみのその蚀葉に、䞉倪が埮笑んで頷いた。

朚の枝に、ふた぀の小さな巣。
どちらにも、笑い声がふんわり揺れおいた。

初めおの「奜き」 けんず君に嫉劬する䞉倪



ある日、保育園から垰っおきた光が、倕ごはんの最䞭にぜ぀りず蚀った。

「けんずくん、かっこいいの」

䞉倪の箞が止たった。「けんずくん」

ふみがくすっず笑っお、「奜きな子ができたの」ず聞くず、光は照れたようにうなずいた。

「いっしょに、すべりだいしおくれるの」

䞉倪は無蚀でごはんをかきこみながら、どこか耇雑な顔をしおいた。

「たさか、もう“奜き”ずか蚀う歳なのか 」

ふみは䞉倪の衚情を芋お笑いながら、「そういうずきこそ、父芪の包容力だよ」ず肩を叩いた。

倜、䞉倪はひずりで“けっこんの朚”のノヌトを開いた。

今日、嚘は『奜き』ずいう蚀葉を芚えた。
自分の䞭に芜生える“父芪ずしおの嫉劬”に驚く。
でもその感情も、きっずこの朚の䞀郚。

ペヌゞのすみに描かれた小さな実には、「奜き」ずいう文字が、小さく曞かれおいた。

初めおのペット



䞉倪は倧孊で週に2回、講矩を担圓しおいた。キャンパスの緑の䞭を歩くたび、颚が違う季節の匂いを運んできた。

ある日、同僚の枡蟺先生が昌䌑みに声をかけおきた。

「うちのゎヌルデンレッドリバヌ、子どもが3匹生たれおさ。1匹、どう」

䞉倪はその写真を芋た瞬間、胞の奥が枩かくなった。

「家族に盞談しおみたす」

その倜、ふみず光に写真を芋せるず、光は目を茝かせた。

「このこがいいいっしょにおさんぜするの」

ふみも「ちょっず倧倉になるかもしれないけど、でも この子がうちに来たら、たたひず぀物語が増えるね」ず蚀った。

䞀週間埌、子犬が家にやっおきた。

ふみが名前を提案した。「ひかりが“光”なら、この子は“颚”なんおどう」

「颚ちゃん」ず光が叫んだ。

その日から、“けっこんの朚”にはもう䞀本、小さな枝が増えた。

家族は、ふたりからはじたり、
ひず぀の呜が芜を出し、
そしおもうひず぀の呜が、しっぜを振っおやっおきた。

光ず颚ふうちゃんの日々



颚ちゃんが家に来おからずいうもの、光の日垞は少しず぀倉わった。

朝起きるず、たず「ふうちゃん、おはよ」ず蚀っお撫でに行く。保育園から垰るず、「今日ね、ふうちゃんにおみやげあるの」ず、どんぐりや折り玙を芋せに行く。

ある日、ふみが光に蚀った。

「颚ちゃん、家族になっおうれしいっお思っおるかな」

光は真剣な顔でうなずいた。

「うん。だっお、ふうちゃん、わたしがかなしいずき、ペロっおしおくれるもん」

䞉倪はその様子を芋ながら、「ふたりずも、もう“守る”っお気持ちを持っおるんだな」ず思った。

ふうちゃんもたた、光のそばで静かにしっぜを振り、昌寝の毛垃にくるたり、家の音に耳をすたせおいた。

小さな少女ず小さな犬。
その間には、こずばじゃないこずばが流れおいた。

3歳の誕生日



3歳になった光の誕生日は、やわらかい春の光に包たれた日だった。

ふみは前の晩から手䜜りのケヌキを焌き、䞉倪は折り玙で“おめでずう”の文字を食り぀けた。颚ちゃんは、リボンを銖に巻かれ、どこか誇らしげだった。

朝、光は目をこすりながらリビングにやっおきお、そこに広がる颚景に声を䞊げた。

「わあヌ」

バルヌンの森ず、お気に入りのぬいぐるみたちが䞊んだテヌブルの䞊には、小さなプレれント。

「おたんじょうび、おめでずう、光」ずふみが優しく蚀い、䞉倪が「3歳になったね。すごいなあ」ず蚀った。

光は満面の笑みで、「ふうちゃんにもケヌキある」ず聞いた。

「あるよ。ワンちゃん甚のね」ずふみが笑った。

みんなで䞊んで写真を撮った瞬間、ふうちゃんがくしゃみをしお、光が笑い転げた。

この日もたた、朚に刻たれた倧切な幎茪。
3぀めのろうそくが、静かにゆれおいた。

📘 Year 6-第六冊目の『けっこんの朚』





今幎、けっこんの朚に起きたこず 光が3歳になり、颚ちゃんずいう新しい家族ず䞀緒に季節を越えた䞀幎。家族のリズムに新しい颚が吹き蟌たれた。

楜しかったこず・嬉しかったこず 3歳の誕生日、光の「ありがずう」がはっきり蚀えた日。颚ちゃんず光が䞀緒に昌寝をしおいた午埌の静けさ。

倧倉だったこず・すれ違い 颚ちゃんのトむレトレヌニングず、光のむダむダ期のぶ぀かり合い。けれどもそれを䞀緒に笑えるようになった。

来幎の朚をどう育おたい 光ずふうちゃんが共に育ち、もう少し家族の倖にも広がりを持おるような䞀幎にしたい。保育園の行事にももっず関わりたい。

盞手ぞのメッセヌゞ 「ふたりでいられおよかった」ず、毎幎そう蚀えるこずが本圓にしあわせだず思う。ありがずう、これからもよろしくね。

雚の日の出䌚いず雚ちゃん

6月のある午埌、空が静かに泣いおいた。

ふみが窓の倖を芋ながら、「あれ  」ず぀ぶやく。

庭先の玫陜花のかげに、小さな黒いかたたり。雚に濡れながら、子猫が震えおいた。

ふみず光ず颚ちゃんで、そっずタオルを持っお近づくず、子猫はじっずこちらを芋䞊げた。

「この子、雚が奜きなのかな」ず光が蚀った。

ふみは笑っお、「じゃあ、“雚ちゃん”っお呌ぶ」

その日から、雚ちゃんは家族になった。

最初は颚ちゃんが少し戞惑ったが、光が間に入っお「ふうちゃん、こわくないよ。ちいさいねこちゃんだよ」ず蚀い聞かせた。

䞉倪は猫のために窓際にベッドを぀くり、雚の日でも倖を芋られるようにした。

雚が連れおきた、もうひず぀のやさしい呜。
小さな黒猫は、家族の静かな音に耳をすたせおいる。

ふたり目に぀いおの話し合い



ある晩、光が眠った埌のリビング。䞉倪はマグカップに手をかけたたた、ふみに蚀った。

「ふたり目っお、どう思う」

ふみは少し驚いたように目を䞞くし、それからゆっくりず銖を傟けた。

「ずきどき、考えるよ。でも  」

その埌、2人はたくさん話した。光がどんな颚に笑うのか、どれだけ䞀緒に成長しおきたか、雚ちゃんず颚ちゃんを含めお家族がどんな颚に息づいおいるか。

「たぶん、いたは光を、いちばん倧切に育おたいず思っおる」

ふみの蚀葉に、䞉倪はうなずいた。

「うん。無理に増やすんじゃなくお、この毎日を、ちゃんず抱きしめたい」

家族の圢は、話し合いの䞭で䜕床でも決たっおいく。
いた遞んだのは、「この日々を、もっず深く育おる」ずいうこず。

初めおの家族の車 — アルファヌド・ハむブリッド



ある週末、䞉倪ずふみは぀いに決断した。家族が増え、荷物も増え、遠出の機䌚も増えおきたこの数幎。

「そろそろ、うちにも“家族の車”があっおもいいよね」

詊乗した車のなかで、光が「これ、映画通みたい」ずはしゃいだのが決め手だった。

遞んだのは、トペタ・アルファヌドのハむブリッド。静かで広くお、䜕より長距離でも光がぐっすり眠れる安心感があった。

玍車の日、光は「うちのくるた」ず抱き぀いた。颚ちゃんは埌郚座垭にすぐに飛び乗り、雚ちゃんはキャリヌの䞭でちょっず䞍満げな顔をしおいた。

家族の時間が、たた少し広がった。
どこぞ行くかじゃない、誰ず行くかを遞んだ車だった。

初めおのキャンプ



アルファヌドに荷物を積んで、家族は初めおのキャンプぞ出かけた。向かったのは、䞉倪が子どもの頃に父芪ず行ったこずがある湖のそばのキャンプ堎。

光は虫取り網を振り回しながら、「ここに䜏めるかも」ず叫んだ。颚ちゃんは芝の䞊を駆けたわり、雚ちゃんはテントの䞭から静かに倖を芋぀めおいた。

倜には、ふみが手䜜りしたカレヌが鍋から湯気を立おた。䞉倪はランタンの灯りの䞭、星を指差しお「これが倏の倧䞉角圢だよ」ず語った。

光は「おほしさた、おちおこないかな」ず぀ぶやき、ふみはそっず笑った。

たき火の音、虫の声、そしお光の寝息。
自然の䞭で、家族はい぀もより静かに、でも確かにひず぀だった。

初めおの幌皚園



春の颚がただ少し冷たいある朝、光は初めおの幌皚園に登園した。新しい制服、新しい靎、新しいリュック。そのすべおが少し倧きく芋えた。

門の前で立ち止たった光の手を、ふみはそっず握った。

「だいじょうぶ。行っおみよう」

䞉倪は少し離れたずころからその姿を芋おいた。光が振り返っお、小さく手を振る。それに応えお䞉倪も手を振った。

垰っおきたずき、光は真っ黒に汚れた靎を芋せながら蚀った。

「おそずで、いっぱいはしった」

小さな背䞭が、たた少し遠くぞ歩き出す。
芋守るこずも、育おるこずなのだず、ふたりは知った。

4歳の誕生日



光の4歳の誕生日は、幌皚園の友達ずその家族も招いお、庭で小さなパヌティヌを開いた。

颚ちゃんはゲストの子どもたちの間を忙しなく行き来し、雚ちゃんはケヌキのそばから動かなかった。

䞉倪は自䜜のピザ窯でマルゲリヌタを焌き、ふみは光の奜きなキャラクタヌで食った手䜜りのバヌスデヌケヌキを甚意した。

「おたんじょうび、おめでずう」

クラッカヌが鳎った瞬間、光は驚いお目をたるくしたが、すぐに笑顔になった。

家族ず、友だちず、仲間たちず。
光のたわりには、たくさんの“あたたかさ”が集たっおいた。

📘 Year 7-7冊目のけっこんの朚



今幎の「けっこんの朚」は、たすたす枝を䌞ばし、にぎやかに葉をゆらしおいた。光の成長、颚ちゃんず雚ちゃんのいる日垞、そしお倫婊の静かな䌚話ず笑い声。

ノヌトの衚玙には、光がクレペンで描いた「家族の朚」が描かれおいた。枝の先には犬ず猫ず、そしおにっこり笑う自分の顔。

今幎、けっこんの朚に起きたこず
光の幌皚園生掻が始たり、初めおのキャンプや誕生日パヌティヌなど、家族の時間がいっそう圩られた。

楜しかったこず・嬉しかったこず
家族でのドラむブや、庭でのピザ䜜り。初めおのキャンプは忘れられない思い出になった。

倧倉だったこず・すれ違い
忙しさの䞭で、お互いの気持ちを芋倱いかけた日もあった。でも、そのたびに話し合っお、小さな手玙を机の䞊に眮くこずで気持ちを届け合った。

来幎の朚をどう育おたい
もっず家族で自然ず觊れ合いたい。畑を始めおみるのもいいかもしれない。週に䞀床は家族䌚議もしたいね。

盞手ぞのメッセヌゞ 「毎日ありがずう。あなたずだから、日々が物語になっおいく」

幌皚園での発衚䌚



園のホヌルに保護者たちのざわめきが満ちる䞭、ステヌゞの幕が開いた。

光は動物の垜子をかぶり、「森の音楜䌚」のうさぎ圹ずしお登堎した。緊匵で少し䜓が固たっおいたが、舞台の隅に座る䞉倪ずふみを芋぀けお、小さく手を振った。

「ぎょん、ぎょん、ぎょん」

リズムに合わせお跳ねる姿に、客垭から枩かい笑い声ず拍手がこがれる。挔奏の最埌、光は深々ずおじぎをしお、口元をきゅっず匕き締めた。

終挔埌、ふみがハグをしお、「すっごく䞊手だった」ず耳元で囁いた。

初めおの舞台。光はほんの少し、自分を誇らしく思った。

幌皚園での運動䌚



秋晎れの日、幌皚園の園庭にはカラフルな䞇囜旗が揺れおいた。光の最埌の運動䌚、䞉倪もふみも胞がそわそわしおいた。

かけっこでは䞀生懞呜に腕を振っお走り、ダンスでは少し照れながらも笑顔を芋せた。

そしお、午埌の皮目「芪子借り物競争」。光は䞉倪ずペアになっお走った。

カヌドには「めがねをかけた人」ず曞いおあり、ふたりは芳客垭に向かっお目を凝らし、必死に探した。

「いた」ず光が叫ぶ。手を぀ないで走っお行くず、そこにはふみがいた。

䞉倪ず光は笑いながら手を取り合い、ゎヌルテヌプを切った。

勝ち負けよりも、倧事なこずがある。
䞀緒に走る蚘憶は、きっずずっず残る。

秋晎れの空の䞋、光の通う幌皚園で運動䌚が開かれた。朝から䞉倪はビデオカメラを構え、ふみは手䜜りのお匁圓をリュックに詰めた。

かけっこでは、䞀番になれなかったけれど、光は最埌たであきらめずに走った。

「がんばったね」

ふみが手を広げるず、光はたっすぐその䞭に飛び蟌んできた。

お昌のお匁圓を食べながら、光は顔をくしゃくしゃにしお笑った。

「きょう、たのしい」

競争より、笑顔が倧切。
光の運動䌚は、小さな勇気ず倧きな喜びにあふれおいた。

5歳の誕生日



光の5歳の誕生日は、幌皚園の友達を招いたにぎやかなホヌムパヌティヌで祝われた。今幎のテヌマは「どうぶ぀の森」。リビングには玙で䜜った朚や葉っぱが食られ、ふみが䜜った動物型のクッキヌが䞊んだ。

「これ、わたしが䜜ったの」ず光が埗意げに指さしたのは、自分で色を塗った招埅状。ゲストの子どもたちはその絵に目を茝かせた。

䞉倪はギタヌで「たんじょうびのうた」を匟き、光は恥ずかしそうにしながらも倧きな声で「ありがずう」ず答えた。

ひず぀幎を重ねるたびに、光の䞖界が少しず぀広がっおいく。
そしお、家族の絆もたた、深く、匷くなっおいく。

📘 Year 8-8冊目のけっこんの朚



光が5歳になり、家族ずしおの季節もたたひず぀巡った。

この1幎、「けっこんの朚」はさらに倪く匷くなった気がする。枝葉は広がり、光ず颚ちゃん、雚ちゃんがその朚陰で遊んでいる姿が、日々のなかにあった。

䞉倪ずふみは、盞倉わらず忙しい毎日の䞭でも、倜に小さな灯りをずもしおこのノヌトを開く時間を倧切にしおいた。

今幎、けっこんの朚に起きたこず
光が幎䞭さんから幎長さんぞ。幌皚園行事を通じお成長を感じた幎。犬の颚ちゃんず猫の雚ちゃんも、すっかり家族の䞀員になった。

楜しかったこず・嬉しかったこず
誕生日パヌティヌ、キャンプ、そしお初めおの家族での遠足。光の笑顔が、1日の終わりを豊かにしおくれた。

倧倉だったこず・すれ違い
忙しさから぀いむラむラしおしたう日も。でも、お互いに「疲れたね」ず蚀い合える䜙癜を持぀こずができた。

来幎の朚をどう育おたい
少しず぀「ふたりの時間」も増やしおいきたい。光に背䞭を芋せながら、たた新しい葉を぀けおいく。

盞手ぞのメッセヌゞ
「あなたずいる日々が、朚の幎茪になっおいく。ゆっくりでも、ちゃんず育っおいるね。」

ピアノを習う



ある日、光はテレビで流れおいたクラシックのメロディに目を茝かせた。 「これ、わたしもひけるようになりたい」

ふみず䞉倪は、近くの音楜教宀の䜓隓レッスンに連れおいくこずにした。

最初は鍵盀の䞊で指が迷子になっおいた光。けれど、「ド、レ、ミ♪」ず音を重ねおいくうちに、音楜が楜しいものだず身䜓で芚えおいった。

䞉倪は、光の緎習に合わせお、そっず拍子をずるようになった。 ふみはレッスンの垰り道、い぀も光の手をにぎっお、「今日も玠敵だったよ」ず䌝えた。

音は、心を぀なぐ橋になる。
家のなかに小さなメロディが増えおいった。

遠足で動物園に行く



春のやわらかな日差しの䞭、光の幌皚園では幎長さんの遠足があった。行き先は、近くの動物園。

朝、家を出る前、ふみは光のリュックにパンダのおにぎりを詰め、䞉倪は「たのしんでね」ず曞いたメモをそっず入れた。

「パパもママもこないの」ず光は聞いたけれど、「今日は光のお友だちず先生ず行く日だよ」ずふみが蚀うず、少しさみしそうに、それでも頷いお玄関を出お行った。

動物園では、ぞうの倧きさに驚いたり、コアラのゆっくりした動きに笑ったり。䞭でも䞀番のお気に入りは、ガラス越しに芋たレッサヌパンダだった。

垰っおきた光は、たくさんのおしゃべりをおみやげにしおくれた。 「ねぇ、あのレッサヌパンダ、ちょっず颚ちゃんににおたよ」

思い出は、話しおいるずきにもう䞀床、心のなかで広がる。
光の声で、その日䞀日が私たちの䞭にも広がっおいった。

こども絵画コンクヌルで絵が倧賞を取る



絵を描くこずが奜きだった光。毎日のように、颚ちゃんや雚ちゃん、家族の颚景を描いおいた。

ある日、幌皚園から「垂のこども絵画コンクヌルに出しおみたしょう」ず声がかかり、光は少し照れながらも、家族がキャンプに行ったずきの絵を提出した。

数週間埌、ポストに届いた䞀通の封筒を開けるず、「倧賞受賞」の文字が躍っおいた。

衚地匏の日、光は少し倧きめのリボンを胞に぀け、緊匵しながらステヌゞに䞊がった。

「わたし、もっず え をかきたいです」

その蚀葉に、䞉倪もふみも胞がいっぱいになった。

小さなキャンバスに蟌められた、倧きな気持ち。
光の描いた颚景は、家族の目にもしっかり焌き぀いおいた。

光の個性


光は、ふしぎな子だった。

泣き声よりも、黙っお芋぀める瞳で、䜕かを䌝えおくるこずが倚かった。

葉っぱが颚に揺れる音に耳を傟け、石ころの暡様に倢䞭になる。

小さな手のひらで「これ、芋お」ず差し出すものは、どれもただの“もの”じゃなく、圌女にずっおの物語の䞀郚だった。

「光はね、じっず芋お、心で話しおるんだず思う」ずふみが蚀った。

「きっず、僕らには聞こえない声を、聞いおるんだな」ず䞉倪がうなずいた。

そしお、光の䞀番奜きな色は、癜だった。

「どうしお癜が奜きなの」ず聞くず、圌女はこう答えた。

「だっお、なんでも描けるから」

その蚀葉に、ふたりは顔を芋合わせお笑った。

“けっこんの朚”の絵本のあるペヌゞには、真っ癜なペヌゞに色鉛筆の線が䞀本だけ匕かれおいた。

朚の葉の先に、癜い光がずもった。
それは、ただ䜕色にも染たっおいない、自由な颚の色だった。

結婚の日にふみが曞いたこず



ふみはこう曞いた

この朚は、今、ただ小さな苗。
根っこはふたりの「話し合い」。
葉っぱは、たぶん、たたに芋せる笑顔。
氎やりは、気にかけるこず。
日光は、「奜き」ず「ありがずう」の蚀葉。

来幎の今ごろ、この朚がどんなふうになっおいるか、私は知らない。
でも、知ろうずする気持ちは、きっずある。
それが私たちの「けっこん」。


いいなず思ったら応揎しよう

LaLaLa はぁ、はぁ  っ お願い、です   『怪獣の腹の䞭で』を  どうしおも、私の手で「玙の本」にしたいんです  っ あなたの、そのサポヌトが  本の、䞀ペヌゞに、なりたす  っ。 はぁ  応揎、しおくれたせんか  っ

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