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【二十四節気/秋分】昼と夜が、等しくなる日。秋分の色と、日本人が「朽葉」に見出してきた美しさ

二十四節気 ―秋分(しゅうぶん)― 2026年9月23日(水)〜10月7日頃

昼と夜の長さが、等しくなります。

秋分——太陽が真東から昇り、真西に沈む日。春分と対をなす、秋の折り返し点です。この日を境に、昼よりも夜が長くなっていきます。光が少しずつ後退し、影が少しずつ伸びていく——秋が、本格的に深まります。

2026年の秋分は9月23日(水曜日)、祝日です。彼岸の中日であり、「秋のお彼岸」として先祖を供養する日でもあります。

春分と秋分の前後3日間ずつを「彼岸」と呼び、昼と夜が等しいこの日を中心に、あの世とこの世が最も近づくと言われてきました。

日本のお墓に彼岸花が咲くのも、この頃です。


朽葉の色——秋の色彩の核心

秋分の頃、山の木々が本格的に色づき始めます。日本の秋の色彩の豊かさは、世界でも類を見ないと言われますが、その核心にあるのが「朽葉色」という言葉の系列です。

日本の伝統色には、朽葉だけで複数の色名があります。

赤朽葉(あかくちは)

赤朽葉(あかくちは)は、赤みが強い朽葉色。

紅葉の盛りに見られる、鮮やかな赤橙色です。太陽の光を浴びてまさに燃えているような、秋の最も華やかな瞬間の色。

黄朽葉(きくちは)

黄朽葉(きくちは)は、黄みが強い朽葉色。

山のすそ野に広がるイチョウの黄色に近い、明るく温かみのある黄。赤朽葉の情熱的な赤とは対照的な、穏やかな秋の色です。

細タペ「銀杏並木」


青朽葉(あおくちは)

青朽葉(あおくちは)は、まだ青みが残った朽葉色。

処暑の頃の「途中の色」として触れましたが、秋分の頃には山の中に、この青朽葉から黄朽葉・赤朽葉へとグラデーションしていく姿が見られます。

一つの「朽葉」に三つの名前がある——それは、紅葉という変化の過程を丁寧に見ていた証です。変化の途中に名前をつけることが、日本の色彩感覚の特質です。


柿色——秋の橙の豊かさ

秋分の頃から市場に並び始めるのが、柿の実です。

柿色(かきいろ)

柿色(かきいろ)は、熟した柿の実のような、鮮やかな橙色。

日本の秋を代表する色のひとつで、赤でも黄でもない、その中間の温かみを持っています。秋の午後の陽だまりの色——そう表現するとわかりやすいかもしれません。

照柿(てりがき)

照柿(てりがき)は、艶やかに照り輝く柿の実のような色。

小暑の記事でも触れましたが、夏の「照り」とは異なる、秋の熟成した艶やかさが、この時期の照柿色には宿っています。

黄橙(きだいだい)

黄橙(きだいだい)は、橙の果実のような鮮やかな黄橙色。

柿色に近いですが、より黄みが強い。秋分の頃に山を眺めると、緑の中に黄橙の葉が混じり始める——あの最初の鮮やかな変化の色が黄橙です。


彼岸花の赤——生と死の境界の色

秋分のお彼岸に欠かせない花が、彼岸花(曼珠沙華)です。

鮮やかな赤い花を咲かせるこの花は、秋分の頃にまるで示し合わせたように一斉に咲きます。

葉のない茎からいきなり花だけが出てくる独特の姿と、その強烈な赤——あの世とこの世が近づくお彼岸にふさわしい、生と死の境界の色です。

紅(くれない)

紅(くれない)は、紅花で染めた深い赤。

彼岸花の赤に近い、強く澄んだ赤です。大暑の緋色が「熱の赤」なら、秋分の紅は「深みの赤」——同じ赤でも、季節によって温度が違います。

秋分の赤は、熱さよりも深さを持っています。


「等しくなる」日の静けさ

春分と秋分は、昼と夜が等しくなる日です。どちらも「均衡」の日ですが、その感触はまったく異なります。

春分は「これから明るくなる」という予感の均衡。
秋分は「これから暗くなる」という静けさの均衡。

同じ「等しさ」でも、前後の方向が違う。その違いが、春分と秋分の色彩の違いにも現れています。

春分の色が萌黄・藤色など「芽吹く色」なら、秋分の色は赤朽葉・柿色・紅など「熟する色」です。

熟することは、終わりに向かうことでもあり、最も豊かになることでもある——秋分の色彩には、その両義性があります。


秋分の頃の、京都洛柿庵(らくしあん)の作品たち

本格的な秋の色彩が始まるこの時期、京都洛柿庵の作品の中で秋の深みを感じさせる作品たちが映えます。

手描きのれん「藪椿」

藪椿(やぶつばき)ののれんは、深い緑の葉の中に凛として咲く赤い花を描いた作品です。まだ秋が深まる前の、初秋の静けさの中に先に咲く椿——赤朽葉と紅の間のような、深みのある赤が空間を引き締めます。

絵麻 -ema- 「月うさぎ(秋分)・大糸菊(寒露)・紅葉(霜降)」 

koyomiフレームや絵麻-ema-を秋のものへと変えることで、部屋の中に秋分という節気の均衡の感覚が生まれます。

昼と夜が等しいこの日、暮らしの中のしつらえも、夏と秋がちょうど等しく混ざり合っているような、その絶妙な移行を楽しんでみてください。


色が「熟する」ということ

豆タペ「もみじ地蔵」

春から夏にかけての色は、芽吹き・成長・鮮烈さの色でした。秋分から始まる色は、熟成・深化・おさまりの色です。

萌黄から老緑へ。若草色から朽葉色へ。藤色から桔梗色へ。それぞれの色が春から秋へと熟していく——一年をかけた色の旅の、ひとつの到達点が秋分です。

その色の旅を、京都洛柿庵の作品と一緒に歩いてきた方には、秋分の朽葉色がひとつ深く見えるかもしれません。色の名前を知ることで、季節の風景が少し豊かになる——それが、このnoteで届けたかったことです。

▼京都洛柿庵 オンラインショップ・三条店にてお取り扱い中
https://shop-kyoto-rakushian.com/

京都洛柿庵 三条店
住所:京都府京都市中京区三条町339

▼オンラインショップ
https://shop-kyoto-rakushian.com/

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