
ねえ、どうでもいいなんて言わないでよ
母のことを書いたエッセイを、夫に読んでもらったら、「自分が母親だったら泣いちゃう」と言ってくれました。大切な人を思いながら綴った、手紙のようなエッセイです。
母は、いつも自己肯定感が低かった。会話の中で「自分のことはどうでもいいんだけど」とよく口にする。わたしたちを気遣うつもりで言っているのだろうけれど、そのたびに、自分自身の価値を下げる言葉を使う。それが母にとっての“当たり前“だった。
一緒に暮らしていた頃は、そのことばを特に気にもとめていなかった。けれど、わたしは結婚した。夫に大切にされて、自分を大切にすることがどれほど大事なことか学んだ。それからは母のそのことばがどうしても引っかかる。母は、わたしより長く生きているのに、まだ自分を大切にできていない。
「ねえ、どうでもいいなんて言わないでよ。自分のことがどうでもいいなんて、娘のわたしからしたら悲しいことばだよ。お母さん、わたしが自分のこと、どうでもいいなんて言ったら悲しくない?」